水深800メートルのシューベルト|第975話 6 吉村うにうに 2024年7月17日 13:45 「気をつけてね」トリーシャが息子の安らいだ笑顔を僕に見せてきた。「それは航海士に言ってくれよ」 冗談めかして言い、彼女とフェリックスの顔を順に手の甲で撫でた。 もう一度窓を見た。狂気のような鈍色の空が、上から覆い被さっていた。背中のリュックに手をやる。そこに触れる固い感触が、頭の中によく弾いていた曲のメロディーを浮かび上がらせる。それをイメージで弾くだけで心のざわめきが静かって、勤務に就くエネルギーが湧いてくる。。 第974話へ戻る 第976話へつづく 第1話に戻る ダウンロード copy #小説 #連載小説 #長編小説 #連載長編小説 #潜水艦 #アメリカ海軍 6 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート