「大事なエッセンス」

宇宙が始まるその時から命を作る神様がいた

命の神様はアーティスト「今までいろんな星に美しい命を生んできたんじゃ」

神様は言った「命のレシピ、ワシのレシピは完璧なんじゃ」

神様のポッケには命のレシピの材料がいっぱい

ひとつひとつのビンにラベルが貼ってある「形」「色」「声」「力」「心」

そして「大事なエッセンス」と書いたビン、これが一番大切


そんな神様、ちょうどいい星を見つけた

「さて、ここにもワシの芸術品をつくるぞ」

神様は初めに植物を作った

すると大きな水たまりはエメラルドグリーンに輝き、大地は緑に萌えてゆく


次に小さな生き物を作った

大きな水たまりには魚が泳ぎ、小さな命がいたるところに動き始める

「フフフ。。。かわいいやつらが生まれたのぅ」

そして鳥も作った

美しい鳥の声が響き、空を鳥たちが舞う

「なんだかワクワクしてきたぞ」


神様は次々と動物たちを作っていった

大地にはゾウ、シカ、クマなどが歩き回り、海にはイルカやクジラが泳ぎ美しいシルエットを浮かべた

その他の幾千万の命たちがあふれてきた

神様はうっとりとその様子を眺めていた


ふと、神様にアイディアが浮かんだ

「そうだ、自分のことをアレンジできる動物を作ってみよう。その子たちがどんな風に自分たちを変えていくのか見てみたいもんじゃ」


神様はレシピ作りに夢中になった

長い長い時間をかけて、やっとレシピが完成した

「完璧じゃ!ワシの作ったレシピの最高傑作じゃ!」


神様はさっそく、その命を作り始めた

ルンルン♪♪ ワクワク♪♪

歌うように、踊るように、材料を混ぜ合わせた

そして

「完成したぞ、さあ、あの星へ行ってこい!!」


そして地球は「ヒト」であふれ始めた

ただ神様は気づいていない

レシピ作りに夢中になっているうちに

「大事なエッセンス」のビンがテーブルから落ちて

レシピに入れ忘れてしまった事を、、、


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