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23年の大学入試共通テスト英語読解解説(前編)~なぜかイギリス英語オタが歓喜する

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年が明けてからも仕事がひっきりなしに入ってしまい、英検の勉強をする時間が確保できていません。残念ながら今回は記念受験になりそうです。まだ試験まで4日間あるので、でる順パス単1級だけでもしっかり覚えてから受験しようと思います。私は単語レベルが易しくなったと言われている5訂版ではなく4訂版を使っています。

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先週末、大学入試共通テストが実施されました。国立大学の受験生は、予備校が集計したデータに基づいて出願する大学・学部を最終決定する時期です。

私が長期的に指導している生徒は今回の共通テストを受験しなかったのですが、年末年始の特訓授業で数人の高3生を指導したので、他人事というわけでもありませんでした。

共通テストはどの科目にも共通していますが、問題文が無駄に長すぎます。リード問題文をもっと簡潔にまとめ、受験生に考える時間を与えて欲しいです。

その意味で生物は最悪の作問でした。生物の平均点も40.55点/100点満点と、他の理系科目と比較しても目を覆うような結果になっています。また、満点の受験生がまだ出ていないようです。これでは出題者が生物選択者に嫌がらせをしているようにしか見えません。この傾向が今後も続くようなら、自分が指導する生徒には物理選択を強く勧めます。

https://www.dnc.ac.jp/

しかも笑ってしまうことに、生物は濃度「勾」配を濃度「匂」配と誤植したことにより、後から追加の正解が認められました。世界史Bの科「」を科「」もひどい間違いですが、大学入試センターでは問題文を直接手打ちにせず、一度印刷したものをOCRか何かで読み込んでいるのでしょうね。

センター試験から大学入試共通テストになって変わったのは理科だけではありません。英語も配点から問題形式まで大きく変貌を遂げています。読解の問題は英語の単語数が6000語台になり、90年代の3000語台、2010年代の4000語台と比較しても雲泥の差です。英語の問題を全て紙に印刷すると、とんでもない分量になりますね。

なお、英語の試験時間は80分から変わっていません。TOEICは75分間で同じくらいの単語量の問題を読む必要があります。共通テストの試験対策としては、TOEICをイメージしておくと良さそうです。

ホッチキスで止められないほど分厚い英語(読解)の問題から、おそらくは一般の学校や塾で解説されない視点で第1問~第3問を解説してみようと思います。

第1問

Opportunity to greet the cast in their costumes before the show starts.

このcastは「出演者全員」という意味です。面倒なことに、アメリカ英語とイギリス英語では単数として受けるか、複数として受けるかの扱いが少々異なるようです。ひとまず「複数形でもsをつけない特殊な名詞」と覚えておくとよさそうです。

https://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/cast_2

castは動詞として使われるとき、cast-cast-castという不規則変化をすることでも有名です。私がcastという文字を見て真っ先に思い浮かべるのは、Cast Awayという漂流映画です。この映画を観たら、サッカーボールをこの上なく愛おしく感じるようになるでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=LUDEjulbqzk

第2問

本文には出てきませんが、英国では図のような運動靴のことをtrainerといいます。

https://www.amazon.co.uk/s?k=trainer&ref=nb_sb_noss


どういうわけか、共通テストになってからBritish Englishが妙に優遇される傾向があります。実はリスニングの問題でも英国英語特有の発音や語彙が出題されています。こちらについても、機会を改めてご紹介しようと思います。センター試験時代はアメリカ英語で統一されていたので、隔世の感がありますね。

さて、第2問は英国での靴の話題なので、イギリス英語がふんだんに盛り込まれています。英国英語ファンなら欣喜雀躍してしまう文ですね。analyse、personalisedなどなど。面白いことに、AだけではなくBにもイギリス英語が使われています。

なお、Wordで英作文を書くとき、英国英語綴りを使うと下に赤波線が付いて間違いだと指摘されますITやネット上でのアメリカ英語への同調圧力は凄まじいものがあります。

第3問

… you are reading a blog about a room a British man created.

作問者はどんだけ英国かぶれなんだよ! 許すけど!

Last year, I took part in an 'adventure room' experience.

問題文では””を使っていますが、イギリス人は'ABC'のようなシングルクォテーションマークを好む傾向があります。

My sons are huge Sherlock Holmes fans,

~の大ファンだという表現ですが、a big fan of ~a huge fan of ~もよく使われます。複数形ならbig fans of ~/ huge fans of ~ですね。ただ、huge fans of ~はあまり見たことがありません。なにかしらコロケーション的な問題があるのかもしれません。

To get into the spirit, I then had the children wear costumes.

get into the spiritは「盛り上がる」、この文脈だと(ホームズに)なりきってもらうという意味です。get into ~で「~にハマる」「夢中になる」という意味を知っていれば、前後の流れからある程度類推できると思われます。後半に出てくる使役の「have 人 V原形」は見えているでしょうか?

先週実施された23年大学入試共通テストの英語読解で気づいたことの後編は次回のブログで扱います。

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