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【イベントレポ】「DXO ESCORT 伴走支援プログラム」成果発表会が開催されました

こんにちは、おおいた県IT部noteのお手伝いをしている末綱です。2021年3月6日にOita Co.Lab Loungeにて、「DXO ESCORT 伴走支援プログラム」成果発表会が開催されました。

DXO(DIGITAL TRANSFORMATION OITA)は、「やさしい未来をITと迎えに行こう」というコンセプトのもと、ITを活用した地域課題の解決や新型コロナウイルス感染症の影響を見据えたビジネスの構築を目的として開始しました。

DXO ESCORTは、そのDXOのメインプログラムです。約半年間かけて、大分県内の企業と大分県内のIT関連企業がタッグを組み、ITを活用した新規事業の創出や事業の課題解決に取り組んできました。

ここでは、その成果発表会の様子をお届けしたいと思います。


「DXO ESCORT 伴走支援プログラム 成果発表会」開幕

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イベント開始30分前、続々と関係者の方たちが集まってきました。検温、消毒をして席に着かれます。会場には30名程、オンラインでは20名以上の方が集結しました。

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午後6時、事務局である 株式会社コラボ Co-Founder 後藤洋介さんから開会のあいさつです。

「本日は約半年の取り組みの集大成として、ITを活用して、IT企業と連携・協力することで、ビジネスの加速化はどのように行われるのかというのを事例として発表させていただきます。」

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続いて、大分県経営創造・金融課課長 馬場真由美さんからのあいさつです。

「大分県内にデジタルトランスフォーメーションをさらに推進していき、このプログラムに参加された企業様が県内事業者のDX(デジタル化)のモデルになっていただけるように願っています。」

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そのあとは、ワークスアイディ株式会社 代表取締役社長 池邉竜一さんによる基調講演が行われました。

池邉さんは、大分県出身で全国でデジタルトランスフォーメーションという領域他において活躍されています。

今回は「デジタル社会到来!地方はどう備えるか?人軸で考えるDXで未来を切り開く術を公開」というテーマで東京から公演していただきました。


10分間の休憩をはさみ、イベントは後半へ突入です。いよいよ、事業者さんたちからの成果発表が行われます。


【6つの事例紹介】ITの力で事業を加速化させていく

1.野菜で人をつなぐ会社「村ネットワーク」 × 仕事の爆速化をサポートする「HOCORU」

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株式会社村ネットワーク
豊後大野市にある、野菜カット・野菜ペースト、カットフルーツなどの製造加工販売事業を行う
渡邊 俊之さん
HOCORU 代表
ホームページの制作やWEBシステムの開発を行う。大分市を拠点にフリーランスとして活動。

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村ネットワーク應和さん
「コロナの影響で思うように受託加工の営業ができない。受託加工の問い合わせに時間を費やすが成約率は良くない」と問題を抱えていました。

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続けて、「もともと受託加工サービスのサイトはあったものの、内容は”受託加工しますよっ!”くらいの説明感だった」と話す應和さん

DXOでは、
受託加工サービスの名称を”VEGEIMARI mine”と命名し、LPを作成して”受託加工サービスとは何か”を具体的に詳しく記載。
さらに、自動見積もりソフトの作成・導入により、そのままサイト上で受託加工の見積もり・仮申し込みができ、見込み客を獲得できるように。

また、ホームページを作成しても閲覧がないと意味がないため、DMを各地のお菓子製造者さんに配布することに。その後Googleアナリティクスでアクセス状況の分析をして、次の戦略に繋げていくといった取り組みが行われました。


2.ヨガ・瞑想の心地よさを届けたい「Suku yoga space」 × 地方ならではのアイデアで課題解決する「HAB&Co.」

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Suku yoga space
ヨガ、瞑想、呼吸法などのレッスンを行う
森 祐太 さん
株式会社HAB&Co. 代表取締役
新規事業開発、コンサルティング業務、マーケティング業務、WEB制作、システム開発、デザイン制作などを行う

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こちらのチームは、「コロナ疲れ」をヨガで解消するべく新規事業の立ち上げを行いました。

企業向け3週間のオンライン オフィスヨガプログラム「デジタルに、自然を。」の開発です。
プログラムには、コロナ疲れの解消に特化したZOOMでのライブレッスン(60分)や、YouTubeを見ながら行うセルフプラクティス(10分程度)、セルフケアのヒントをお知らせするメール配信、聴くだけで心身リラックスが可能な瞑想用音声の提供が含まれます。

サービスはFacebookの非公開オンライングループで実施し、先行公開として2021年3月〜6月の間でモニター(1週間のお試し)募集が行われます。スタンダードプラン(3週間)は2021年6月よりリリース開始の予定です。

Suku yoga space 佐々木さんは
「本当に価値があると思える事業の立ち上げに集中して取り組むことができました。この半年間でほんとに大きく前に進んだなと感じております。」
と半年間の成長に手応えを感じているようでした。


3.職人技が光る高級家具店「ベストリビング」 × ブランド力を構築するデザイナー「Design totte」

ベストリビング株式会社
日田市にある、公共施設や企業など、プロ向けのソファを企画・製造する会社。1980年創業
越田 剛史 さん
大分県デザイン協会会長/株式会社Design totte 代表取締役
ブランド力を築く、デザイン経営のパートナーとして活躍。

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ベストリビング中村さんは
「アミューズメント業界やホテル業界が主な納入先だったため、コロナの影響をすごく受けた。今後はただ下請けで一生懸命作るだけではダメなんじゃないかと気づいた。」と課題を感じているようでした。

そこでDXOでは事業課題の解決を図ります。
①BtoC市場に関しては、大分県主催の「おおいた材住宅ポイント事業」の特設サイトを設置して、家具の販売促進を試みる。
また、個人のお客様とは全てLINE Official Accountでやり取りを実施する。②BtoB市場に関しては、InstagramやFacebookを活用し企業ブランディングを確立させる。

インターネット集客のプロであるエン&メディア株式会社 阿部由貴さんも外部講師としてチームに加わり、SEO対策や文章の最適化などを支援。

結果として、
特設サイトでは期間中4,571ページVIEWを獲得。LINE Official Accountでは100名の方とお友達に。
②SNSの活用は、阿部さんからのアドバイスをもとに何らかのルールに沿って投稿することでフォロワー数も増加。(Instagramフォロワー数320人→430人、Facebookフォロワー数213人→280人)

中村さんは、「家具は安くはないので、ECサイトだけではなかなか実売に繋がらない。WEBとリアルに見て触れる実店舗との融合が必要。」と、今後の展開にも期待を寄せていました。


4.大分の特産品を斬新なアイデアで打ち出す「クロメカンパニー」 × IT活用のプロコンサルタント「Think do be.」

クロメカンパニー株式会社
大分県の特産品である“くろめ”のたこ焼き製造販売、海産物加工販売などを行う
松田 史郎 さん
株式会社Think do be. 代表取締役
ITを活用した新しい働き方を提案する、企画経営コンサルティング会社

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クロメカンパニー宮田さんは
「①コロナ禍において対面式営業に支障があり売上が減少していること。②ITツールを導入したことがなく、属人性が高いこと。」を課題としていました。

DXOでは、
事前注文、事前決済、注文管理などを一括で行えるL.B.B.サービスの導入を検討。シンプルな操作性かつ初期費用とランニングコストを安く抑えることができます。
またスマートレジの導入により、人力でやっていた売上管理を大幅に短縮できます。

2つのITツールの導入によって「1ヶ月あたり約625時間の時間削減を生み出していきたい」と宮田さん。
また、「DXOでの取り組みを仕組み化して、コロナ禍でも負けないような事業を展開していきたい」と今後の展望を打ち出していました。



5.制作体験が大好評のアクセサリーショップ「マリーヤン」 × SNS運営のプロ「モアモスト」

株式会社マリーヤン
大分市のアクセサリーショップ。体験工房やオーダーメイドアクセサリーの制作を行う
河野 忍 さん
株式会社モアモスト取締役会長/株式会社PetRibbon 代表取締役
モアモストはホームページ、通販、システム開発、WEBマーケティング、SNS広告運用などのIT事業を展開

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マリーヤン木本さんは
「①予約窓口が多く、予約管理に毎日1時間くらいかかっている。②コロナ禍の対策としてオンライン販売をしたいが手段がわからない。」と課題を話します。

伴走パートナーであるモアモスト河野さんとの協議により、
課題①の予約管理に関しては「全部の予約窓口を残しつつ、予約管理をするスタッフを雇いつつ、外部ネット予約サイトの上位にくるホームページをつくる」ということに。

また河野さんからのアドバイスで
『お客様にGoogleマップの口コミ投稿の協力を得る』
『Googleマップの概要欄にお店の案内を記載』
『Instagramの自己紹介欄にもお店の詳細な情報を追加』
結果的に、
Googleマップからのアクセスが50%アップし、お客様から”予約方法”や”駐車場の問い合わせ”などがかなり減ったそうです。

課題②のオンライン販売に関しては「課題①と合わせてホームページを新規構築。また初期費用が無料の通販サイトを利用し、稼働率が上がったら新規構築する」という方針になりました。

DXOに取り組んだ木本さんは、「発信する文章1つとっても、語尾を少し変えたりするだけでアクセスやお問い合わせがバゴォーンと増えたり、写真の重要性も勉強になりました。」と総括していました。


6.新規事業で全国展開を目指す「Free living.」 × 新規事業創出のプロフェッショナル「LAUNCH CRAFT」

株式会社Free living.
大分県でアパレル店・エステを運営
勝河 祥 さん
LAUNCH CRAFT合同会社 代表/OITA CREATIVE ACADEMY 校長
LAUNCH CRAFTはホームページ、アプリ制作をメインに行う会社。OITA CREATIVE ACADEMY は大分のクリエイターを育てる私塾

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「コロナ禍で今まで普通に行われていた買付や仕入れなどの取引ができなくなった。」
と話すFree living.の田口和恵さん

LAUNCH CRAFT勝河さんとタッグを組み、
新サービス「ショップ(小売)とメーカー(製造業者)のマッチングサイト」を立ち上げます。

ショップが抱える問題は「仕入れ方法が会社ごとに異なるため、仕入れたいブランドの仕入れ方がわからない…」など
メーカーが抱える問題としては「展示会を開くが来客が少ないため開催コストを賄えない…また成約率も低い…」など

これら双方が抱える問題を新サービスにより解決へと導きます。

参加された田口さんは、「サービスで実現したいことを選別し、事業計画を立てることができた。また事業成功の確信を持った。」と半年の実績に手応えを感じているようでした。


まとめ

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約半年間の取り組みの総仕上げとなる場でしたが、どのチームも大きく前進することができ、しっかりとした手応えを感じているようでした。

DXOに参加された事業者さんたちは、はじめは聞き慣れないIT用語も多く、話に付いていくのも大変だったようですが、同時に「ITでこんなこともできるんだ!」と驚きも多々あったようです。

IT企業と連携・協力することで、どれほどビジネスを加速化できるのか。
事業者さんによるDXはまだまだ続いていきます。