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とにかく漫画を読め




私は私が書く文章が(だ〜い)すき。
なんでこのnote更新されないの?と思っていましたが自分のせいでした。

最近活字熱が爆上がりしていて、今読むべき本が積み上がっている。本を読み、漫画を読み、本を読んでいる。近年、愛しい〜と思う漫画が増えたので紹介する。


とにかく「愛しい〜」と感じる良作のみを選択したので、人生におけるオモロ!!!!漫画は載せていません。それはジャンルが別なのだ。

塩ちゃんズヒント




1. Change! 和歌のお嬢様、ラップはじめました。(曽田真人)


何度この漫画の良さを語れば気が済むんだ。
ところでなぜかAmazonで大セールやってるので絶対に買ってくれ。


晋平太監修のラップパートはこの漫画のテーマ「和歌」の雰囲気を壊さず、けれど芯を持った良すぎるライムが気持ちいい。どのターンも妙に心に響いてジーンとする。

この話の中で、主人公が通うお嬢様学校で禁止されているクラブ通い(ラップするためにね)が教師にバレてしまい、停学処分となったシーンがある。主人公の父であり、日本語に命を燃やす国文学者の父に「なぜラップをしている?バカらしい」と言われた際に、強めのパンチラインを送るシーンがいい。。

勇気出してえらい

これまで教師や親の言うことを良い意味でも悪い意味でも従順に聞いてきた主人公がラップをするのは「言い返したい」からで、それができるツールがラップなのだ。
自己表現が難しかったり、思うように自分の気持ちを言語化できなかったり、人に伝えたりするのは難しい。けれどラップならそれができる。
漢 a.k.a. GAMIの「マイクを握れば平等なチャンス」がこんなにも響くとは。
何度も読み返して、何度も同じシーンで涙している。



2.サトコとナダ(ユペチカ)

最前線で読める4コマ漫画。
変わりたい!と思ってアメリカに留学した日本人のサトコと、医者になるべく同じくアメリカに留学したサウジアラビア人のナダがルームシェアをしながらお互いのことについて理解を深めていく話。

アメリカでの生活についてはもちろん、イスラム圏の宗教についての理解がグッと深まる。

例えばこれ。こんな風に生きる人々がいるなんて、日本で漫画も読まずにぼんやり生きていては知ることはなかった。

悪いことばかりではない。当たり前だ。
親同士が結婚を決め、婚約するまで顔を合わせることはないこともあるらしい



サウジアラビアでは、結婚は商談みたいに決められることもあるし、イスラムの礼拝は、女性は男性よりも後ろの方に座るし、男女一緒に授業は受けられないらしい。日本人にはにわかに信じがたい事実だ。

それは私たちが日本で、日本人として生きているからであって、海外の人からすれば、納豆を食べる風習や、女性がお茶を運ぶ習慣が「変じゃないの?」と思われることと同じである。

どれだけ自分は公平だと思っていても、イスラムについて、先入観で見ていたことにも気づかされる。ここではテーマが異なるから紹介しないが、好きな漫画の一説に「自分だけは善良だと思うな」「人はいつでも悪に転じる」というセリフがある。
この言葉と、宗教を悪ととらえる人の多さを、どちらの漫画を読んでも思い出す。知るべきことはたくさんある。パっと見える側面が全てではない。

宗教や国籍が、個々人の性格や暮らし方や生き方を形作ることは当然のことだけど、個々人を理解し合うこととはまた別だ。
そういう、当たり前だけど、忘れがちな大事なことを思い出させてくれる漫画。
漫画のことだし、フィクションではあるものの、サトコにはナダが、ナダにはサトコが居て良かったと思うのだ。



3.大丈夫倶楽部(井上まい)

愛しい形をした地球外生物「芦川さん(※大丈夫な人には人間に見える)」と、日々自分の「大丈夫」を探すことを目的に生きる「花田」のお話。

ハビタブルゾーンって非常に興味深い


花田は定期的に大丈夫じゃなくなる。風邪をひいたとき、すごく疲れているとき、コミュニケーションが取れない人がいるとき、部屋が散らかっているとき。
そういう時に自分を「大丈夫」にするものを探したり、作ったりするのだ。他人からすると「何言ってるの」と言う感じだろうが、この漫画がこんなに話題になる(話題にしている)のは、現代日本人が皆「大丈夫じゃない」からだと思う。HSPってやつが多いらしいからね。


そしてその「何言ってんの」を多いに容認する芦川さんよ

素敵な二人の関係がとにかく愛しい。いとしい。
ゆるく、お互いを認め合う。それぞれ嫌な思い出や言えないことやモヤモヤもある。けれど生きるだけならば、お互いを認め合えれば、些細な問題は問題ではないのだ。
自分の機嫌は自分でとっていく。



4.月出づる街の人々(酢豚ゆうき)

この記事を書こう〜と思った原因となった漫画である。ツイッターのおすすめ機能に本気で感謝した。
全人類が読むべきだ。私は速攻で1巻を買いました。ありがとうセール。ありがとうkindle。2巻も出るんだって!楽しみだね~~!

登場人物が皆人間っぽい形の人外で、とってもかわいい~~~!それだけで性癖って人がいるでしょう。この世には。

狼男くんと透明人間ちゃん。この二人の関係、かわいすぎないか


大概、主人公が奔放なんだ。奔放な主人公の漫画は、良いに決まってるんだ(この場合透明人間少女)。noteにupされていたメデューサと蛇と透明人間少女ももちろん良かった。何度も読んで、何度も優しい、心温まる話に泣いた。思い出し泣きもできる。命を、大事にしような。
どのストーリーを読んでも、何か心がしっとりほっこりと、あったかい饅頭みたいなものが置かれた気持ちになる。人と人とのつながりって、普通ならこうあるべきなんじゃないか。優しさと、思いやりと、好奇心と。
人外としてそれぞれがそれぞれを容認して生きている姿が愛しい。深読みしないで、素直に読むのが良し。



5.正反対の君と僕(阿賀沢紅茶)


周りのことばかり気にして、自分のことはさておき「正しい」反応をとってしまう鈴木と、他人のことは気にしないしひとりでいることに違和感を持たない谷くんの純愛ストーリー。なぜ少年ジャンプ+で連載しているんだ。青少年にこんなの見せつけてどうするつもりだ。優しいギャルに夢見て生きるオタクが生まれるだろうが!!!!!!!!


この見開き一つで何が分かるんだと声を大にして言いたい。


この二人が少しずつ分かり合っていって愛を深めていく。。。

阿賀沢氏の描かれる漫画は、見ての通りとにかくかわいい。けど、良さはそれだけに留まらない。

圧倒的な言語化能力が、とにかく良い。
現代、何が「正しく」て「正しくない」かの判断って難しいと思う。コミュニケーションをとるときに「こう言われたらどう思うだろう」とか、「私は気にならないけど、あの人は気にするだろうか」とか、「今はこうした方がいいんじゃないか」とか。そういう小さな、けれど心にまとわりつくモヤモヤを丁寧に言語化して、鈴木や、谷くんや、友人たちが解決する。
読んでいて「わかる~・・・」となるのだ。皆同じことで悩んでいるのかもしれないね。

先日、正反対の君と僕4巻が発売されたのだが、同日に、同作者の「氷の城壁」が満を持して単行本化した。これは縦読みオンリーで連載されていて(完結済)、数か月前までは単行本化の予定はないとツイッターで発言されていた。
けれど、正反対~よりも遥かに「言語化」された漫画で、めちゃくちゃ面白くて、なんで縦読み・・・と思っていたところ、発売が予告されたときは発狂した。

どちらも高校での恋愛がテーマではあるが、人間関係の悩みを大いに盛り込んだ、自分と対話するような漫画で、読む年齢は選ばないと思う。



そんでもって。


誰もが何度も言っていると思うが、現代はネットでいくらでも試し読みができて本当に最高だと思う。しかし、一方で漫画は「娯楽」であり、「娯楽」は「課金すべき」ものだ。余裕があるもののみ許される心のオアシス。無料にしろだセールで買うだメルカリで買うだ言いますが、そんなのはあらゆる攻略本と新書だけにしてください。知らんけど。

「娯楽を提供する側」は趣味で提供してくれているわけではない。ありがたいこの時代と、提供してくださる作者に感謝しながら課金しよう。それが継続的な提供になり、我々の心を潤す要因となる。

娯楽=余裕であり、余裕は気合で捻出すべきもの。がんばって生きていこうな!!!!!









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