鬼について考えてみた!#100
日本の昔話とは切っても切れない存在である「鬼」。
現代でも「鬼盛り」だとか「鬼嫁」だとか、形容詞がわりに使われることは多いのだがそもそも鬼ってなんだろう?
実在はしてない、あくまで空想上の存在のはずだが…
桃太郎
鬼が出て来る有名な話となると当然桃太郎の話になるだろう。
登場人物は、お爺さんとお婆さん。桃から生まれた男の子。そして鬼と犬猿雉。
お婆さんが川ででかい桃を見つけて、割ってみたら男の子が生まれたという部分については、明らかに大陸の思想が感じられる。
中国の古来からの陰陽五行の考え方では、桃は不老不死や若返りの効果を信じられていた、
桃源郷という言葉があるように、非常に神秘的な果物として考えられており、本来は桃を食べて若返った老夫婦が子供を産んだという話だという説がある。
また陰陽道で言うところの鬼門(悪い気が入る方角)は北東であり、干支で言うところの「丑と寅」の方角がそれに当たる。
鬼門=丑寅の方角である。
鬼にツノがあり虎の毛皮を纏っているのは、鬼門を表している。
そして鬼門の反対(裏鬼門)には鬼に相対する力が必要になる。
丑寅の反対にある干支は「申酉戌(猿鳥犬)」である。
なるほど、裏鬼門の存在である猿と雉と犬を家来にした理由はここにあるのだろう。
また裏鬼門に当たる果物(五果)は桃であるから、これも桃太郎の由縁のひとつだと思われる。
桃太郎が陰陽道をベースに作られた寓話なのだと納得できるだろう。
ここからは完全に自論なのでご容赦いただきたい。
そもそも日本(当時だと京都あたりを中心に考えた方が良さそう)の北東には何があるかと言うと…
千島列島、カムチャッカ半島、ベーリング海だ。
鬼は赤ら顔で身体が大きく毛むくじゃらで家畜を食べるとされている。言葉も通じない。
また当時では日本には珍しい鉄器(金棒)を持っていて、家畜や作物を奪う存在である。
ベーリング海などは世界一危険な海と知られており現在でも非常に危険な中で蟹漁などが行われているのだが、ベーリング海やカムチャッカ沖でスラブ系人種の漁船が難破して日本に流れ着いた可能性はありそうだ。
当時の日本人から見れば、スラブ系民族は身体は異様に大きく、体毛が濃く、日焼けして赤くなった肌…鬼そのものである。
彼らにしてみれば難破して漂着した異国の地で、言葉も通じない中、背に腹は変えられぬと家畜を捕まえて食してしまった…と言うことはあり得るだろう。
そう言った難破したスラブ系の漁師=鬼ではないかと私は考えている。
岡山に残る言い伝えでは、岡山にいた鬼(温羅)は製鉄技術を伝えたと言い伝えられている。少なくとも鬼が、日本固有の生き物ではない事がここからわかる。
大陸のどこかから、意図せず日本に漂着した渡来人=鬼なのだろうなと。そこに陰陽道が重なって、今に言い伝えられる桃太郎の話が生まれたと考えるのが、しっくり来る。
何の足しにもならない話だが、昔話というものは紐解いてみるとなかなか面白いものだと常々思っている。
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