「内藤志ん宿」−宿場に馬は他にも通ずるかも−『江戸名所道戯尽』
昨夜は雷が激しかったですね。
豪雨だったし、寝ようとしていたけれど止み終わるまで目が覚めてしまいました。
実は遠くに見えている空にある積乱雲の中で雷が光っているのを見るのは結構好きだったりしますが、真上の空で轟々と鳴っているとビビりますね。
そんな雷のせいで寝不足な今日も広景。今回は『江戸名所道戯尽』の「四十九 内藤志ん宿」です。
◼️ファーストインプレッション
いよいよ『江戸名所道戯尽』の最後から2番目になりました。
明日の作品で最後です。
今回は内藤新宿。広重の江戸百でも出てきた内藤新宿も馬が通っている様子が描かれていましたね。
やはり新宿は宿場の中でも馬と共に多く往来のある宿場だったのでしょう。
ここでは馬が何かの拍子に興奮してしまって、馬子がコントロールできないほどに暴れてしまったようですね。
そしてその被害を受けているのが、料理を運んでいる男性で、お盆がひっくり返るように後ろ蹴りされてしまったのですね。
鯛のように大きな魚が宙を舞って刺身や煮物もおそらく3秒後には地面にべったりです。
それを見ている右下の男性二人の顔がなかなか滑稽。
左側の人は鼻と口の間の人中が長く、髭と口の割合が同じくらい伸びきっている。
右側の人は頭の頂点が真下に行って、とんでもない角度になっています。
これはあまりに人間を観察していない描写ですね。
もしかしたらこれは意図的に、驚いて顎が外れるような様子を描いているのでしょう。
今回は内藤新宿の描かれ方を見ていきたいと思います。
◼️内藤新宿
内藤新宿について実は江戸百を見たときにかなりちゃんと調べていたようでした。
他にも新宿を描いたものはあるかな。
歌川国貞の「江戸名所百人美女」 「内藤新宿」です。
美人をメインに描いていますが、左上に名所絵が描かれています。
ここをクローズアップすると、、、
ちゃんと宿場らしい、旅籠屋や飯屋の並びが見られます。
そしてその左下に馬の頭が。
この馬の描写がなくても宿場らしい光景とも言えますが、馬がいることで内藤新宿の雰囲気をより感じやすいものにしています。
豊国三代 『東都三十六景』の「内藤新宿」です。
一個上の作品とは違って、枠で囲って名所絵を描いていますが、今回は雲のようにモクモクと仕切りの役目を持っています。
男女の背景では馬に荷物を乗せた一行が歩いていますね。
馬だけでなく、人が駕籠を持って移動している様子が描かれてます。
この一行の先頭に馬を配することでやはり新宿「らしく」なっている絵ですね。
馬がいれば新宿なんて安直だけれど、宿場×馬は新宿のシンボルとして認識させていたのでしょう。
宿場であれば馬がいるというのは理解ができますが、新宿に限ったことではないかもしれませんね。
『江戸名所道戯尽』シリーズが終わったら、広重の『東海道五十三次』を見ていこうと思うのでそこで着目してみようと思います。
昨日寝不足だったので早く寝ちゃいたいと思います。
今回は薄めの内容でしたが、今日はここまで!
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