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入院して気づいたこと

入院するということ自体はじめてでしたが、何事も患者さんの気持ちになれる機会を頂いたという前向きな気持ちでいろいろ体感してみたいと思います。

病院によってその仕組みは様々かと思いますが、1経験と思ってみてください。

最初に

今回は4人部屋でした。私が勤務していた病棟ではカーテンは大半がオープンになっている部屋が多かった印象ですが、今回はコロナの時期でもあるためか、どの部屋もカーテンは閉めっぱなしの状態になっていました(時期的なものかな?)

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病室に案内されてまずは不安な気持ちしかありませんでした

なにが不安って?

なにもかもが不安なんです。はじめて入院する人はこんな気持ちなんだろうなと感じることできました。

病棟では毎日繰り返されていること、当たり前のことが当たり前ではない、それは外来の窓口にも同じことが言えると思います。

なにもわからない

どこにものをしまおうか?テレビはどうするのかな?コンセントは?冷蔵庫は?病衣は?

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ここまで終わってはじめて少し落ち着きましたね。

それが終わっても、病棟の中の仕組みがわからないからとりあえず部屋からは容易に出られない(笑)軟禁状態の気分です。

その後しばらくしてから看護師さんが丁寧に病棟のシャワー室やデイルーム、ランドリーなど施設案内をしてくれたのでそこで少し安心しました。「気軽に呼んでくださいね」って言ってくれるけど、そもそも元気で歩けるから行くならこっちからでしょうと思うんですが、毎回担当看護師さんが変わるので、顔を覚えられない。なのでナースステーションに行っても誰が誰だかわからない、ましてマスクしてるので尚更です。

病棟の看護師さんは勤務体制がおそらく二交代制もしくは三交代制になっていると思います。日勤、準夜勤、深夜勤とそれぞれ担当が変わると全然わからない

セキュリティー、プライバシーの問題もあるかもしれないですが、勤務時間帯別の看護師さんの顔と名前が病棟に掲示してあれば少し不安が減るかもしれません。

くすりに関して

朝昼晩のくすりの配薬は基本的には看護師さんがどの病院も行っていると思います。

薬剤師は病棟で服薬ができているか本人に確認することがあっても、直接病棟管理の薬を持っていくことは臨時薬追加時以外はあまりないと思います。

私の部屋は服薬している方が多く、朝昼晩の服薬時には看護師さんが服薬をすすめる度にアンサングシンデレラのドラマのように、「またのむのかい」「飲む錠数が多いよ」「小さいけど苦いんだよ」と訴える方が(典型的すぎて少し聞き耳をたててしまいました)。

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その正体はプレドニンでしたが、看護師さんとしては「がんばりましょうね」と支援をすることはできますが、その苦みの程度、服薬方法についてアドバイスすることはできていませんでした(人によるとは思います)。
プレドニンの苦み軽減だと、①先に軽く水を含みあとから薬を口に入れて上を向いてすぐに飲み込む ②複数錠ある場合は1錠ずつのむ ③舌の先の苦みを感じにくい部分を利用してのむ ④オブラートを利用してのむ などでしょうか?
また、服用方法だけでなくアドヒアランスの低下を防ぐためには、その服薬の意義もあわせて説明する必要があるため、それを服用することによってどういう効果があるのか?もし服用しなければどういった悪影響があるのかもあわせて説明できれば尚更良いと思います。

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他にも、もう一つ「便が今日は出ていない」という話からはじまりました。その日は酸化マグネシウムを1-1-1錠で飲んでるのを1-1-2錠にしてみましょう。という話で終わっています。その日の夜に便は出たようですが、何の行き違いなのか、「便が出る=やめてもいい」という考えが患者さんの意識の中で勝手に芽生えてしまった(看護師さんは言ってない)ようで、翌日配薬に来た看護師さんを困らせていました。

「便秘の薬」とひとくくりで言ってしまうことが多いですが、便の量を増やして出しやすくする薬もありますし、便をやわらかくして固くなる前に便を出しやすくする薬もあります。また、腸の蠕動運動が弱い場合には刺激性の下剤を使うこともあります。

刺激性下剤であれば、便秘時服用だけでもよいかもしれませんが、その他の薬に関しては便の形状にあわせて予防的・継続的に服用する可能性のある薬です。このあたりも薬剤師がきちんと説明する必要がある部分かと思います。

薬剤師がもし配薬にも参加できていれば、いろんなアドバイスができると思います。もしくは看護師さんから薬剤師へのの配薬時の状況の引継ぎとかあればいいですね。

数日入院してみて

少し冗談まじりに書きますが、すいません。
これ実験のモルモットのような生活だなって。

時間になったらごはんを与えられて、時間になったら検査(検温、血圧)、排尿・排便回数もチェックされる、そしてコロナ時代のせいですが病棟からは出られない(カゴの中のとり状態)、これだけを考えるとまさにモルモットの気分になってきます。

病院で勤務していた際に、入院時には認知機能がはっきりしていた高齢の方が長期入院により認知機能が低下していくことが度々ありました。病気自体の影響もあると思いますが、やはり毎日同じ風景をみて、同じ会話をして、変化がない生活をすると認知機能が低下することもあるのかな?と少し思っていました。

長期入院を要する入院施設では特に、変わらない毎日を変える仕組みが必要なのかもしれません。

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医師の登場

とうとうプレドニンの服用意義、点滴の意義について説明するために医師が登場。看護師さんに話していた内容とはまた違う態度で、言いたいことは言えたのかな?

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基本的な服用の意義と「この薬は特効薬で〇〇さんにはよく効くんですよー。ぜひ使って欲しいな。」この魔法の言葉だけで納得。うそでしょ(笑)

患者さんにとって医師(先生)からの話は真実に聞こえるんでしょう。

手術前日

何となく緊張感は高まってきました。なんといってもはじめての全身麻酔、手術なんですから。

もともと同室の方、いびきが大きいんですがこの日は特に痰のからみ、咳、いびき、無呼吸、寝言と盛り沢山でした笑

私自身はあまり気にならない方なんですが、4人部屋なので向かいの方が随分イライラしてました。咳払いしてみたり、舌打ちしてみたり、少し声を出してみたり。直接揉めることがあったら出ていって止めようと思ってましたが、気づいたら自分寝てました。

こういったことも夜間の病室では繰り広げられてるんだろうなーと勉強になりました。集団生活はどこでも難しいですね。

手術当日

朝一OPeなので、6時が最終飲水時間です。
いつもどおり血圧測定、体温測定が終わり、点滴のルートを確保します。留置したままの点滴ルートは初めてです。

少し緊張感を感じながらじっとしていると.........失敗したようです😓
血管は太めで、ルートは取りやすほうだと思ってるんですが、なぜでしょう?

よく入院中の高齢の方がルート確保できずに青タン沢山作って痛い痛い言ってたのを思い出しました。どちらも苦労してるということですね。

ルート確保の針は採血用の針よりも太くて長いんですね。今更ながらはじめて知りました。これを高齢者の血管に入れる技術はなかなか難しいでしょうね

きちんと確保できますよーに。

手術室へ

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基本歩けるので看護師さんに案内されながら手術室へ。

この時の看護師さんの声掛けもとても素敵に感じました。何気ない会話でも緊張をほぐしてくれます。この日はじめて看護師さんの名前を覚えました。決してきれいな看護師さんだったからではありません。少しでも緊張をやわらげようと一生懸命話をしてくれる姿に感動したからです。

手術室に到着するといいチームプレイで各職種仕事をこなしていく、これはあうんの呼吸、毎日繰り返すことで成せる技でしょう!

されるがままに睡眠導入されて、あとは気づいたら病室でした。朦朧として、痛みだけがあります。

病人

ここからは完全に病人です。痛みはあるし、尿カテ抜去後の排尿時痛はあるし、鼻血は出てくるし、ごはんはスープみたいのだし、頑張ってこなしていきます。

病棟に戻ってきて思ったこと。それは、担当医と看護師が気軽に連絡をとれる状態になければよりよい医療は提供できないということ。
何がいいたいかというと、患者さんから「こうして欲しい」という訴えがあっても声をかけずらい医師がいた場合、看護師から医師へその訴えは伝わることなく、もしかしたら後から大きな事故(医療事故)につながるかもしれません。

時にドラマ「アンサングシンデレラ」に登場するような医師はいます。逆に看護師さんが上に立って若い医者をばかにしている様子もよくみかけたことがあります。

どちらもいい状態ではなく、経験に関わらずお互いの仕事を理解しリスペクトしてこそよりよい医療が提供できると思っています。

手術室に行ったときから、担当してくれる看護師さんの名前を覚えるようにして「看護師さん!」ではなく「〇〇さん!」と名前で呼ぶように心がけるようにしました。その方がいいかなって勝手に思ってやってます。

ここで薬のことをひとつ!術後鎮痛薬として、ロキソプロフェンNaとレバミピドが処方されました。時間は16:30 まず1錠ずつのみました。その後看護師さんが「これ6時間あけないといけない薬だから次22:30で遅くなるけどその時間に飲んでください」って言ったんです。

ロキソプロフェンNaは術後用法で1錠もしくは2錠まで服用できることや、半減期が1.25時間で定常状態のない薬(8/1.25=6.4≧4)で3時間、4時間後でもかなり血中濃度が低下していることを考えると厳密に半減期×5倍あける必要はないのではないかと思います。

痛みが強いと訴えている患者に対して痛みを我慢して6時間あける必要があるか?ここにやはり薬剤師の薬物動態の知識が必要になってくると感じた事例でした。

点滴にしても説明が不十分だと感じました。止血剤が入っているのはわかったんですが、なぜ1本目だけに入っていて2本目の輸液には入っていないのか?2本目の輸液は水分補給のためと言うが、水分は口から摂取できているのでいらないはずということ。2本目はルート確保の目的だったのかな?

まだまだ薬剤師のやれることはある!

そう感じた入院であったとともに、患者さんの気持ちが少しわかった貴重な入院生活でした。(まだ終わってませんが(笑))


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