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全然ライトじゃない。「ヘビーノベル」とでも言いたい【となドル2巻感想】

「ライトノベルは『軽くて中身が無い』と言われるけれど、ラノベは立派な文学作品です!!!」
1ヶ月ほど前、超一流芸能人のオタクにそうプレゼンしたのを鮮明に覚えている僕ですが、さて、この「となドル」。僕は「ラノベの中でもヘビーな文学」の筆頭だと思う。

青春はキラキラした部分がフォーカスされがちだと思う。しかもそれが小説という架空の世界ならばなおさら。
しかし、青春は本当は楽しいことばかりではなく、むしろ息苦しいことのほうが多く、いろんな悩みとか苦しみを抱えている人が多いと思う。
若い人・学生が抱くその悩み・苦しみをリアルに描ききっているのが、飴月先生の世界だと思います。


話を戻して、今回のとなドル2巻は主に琴乃ちゃん回だけれど、読み終えて本を閉じた途端、目頭が熱くなっているのを感じた。電車内なのに。

切ない……
切ないよぉ……

夏休み中の3人。蓮の決意のもと映画の撮影をする中で、それぞれが違いや思い込みで悩み、すれ違っていく……

ミルは前回同様、自分を変えるために蓮のプロデュースのもと、本当の「香澄ミル」を見つけるために努力して、少しずつ実らせていく。

しかし、それを横から眺めることしかできない琴乃ちゃん。

近くにいたはずの存在が、どんどん遠くへ行ってしまうような感覚。
自分だけが取り残されてしまうような感覚。
それから、無力感。
この心境があまりにもリアルに描かれているので、余計にその痛みがズキズキと自分の心に響いてきた。

自分も琴乃ちゃんのように、悩んでいたからこそ、これが痛いくらいにわかったのかもしれないけれど。

どこまで切ないのか。
感情が爆発してしまうまで、どれだけ自我を抑え込んで「良い子」を作ってきたのか……。
言語化しようとして読み直すと、涙が止まらなくなりそうです。

琴乃ちゃんに、幸あれ。

結局まとまらないけれど、今回はこの言葉に尽きます。



最後に、今回の初回限定SSについて一言感想。

ゲーマーズ版
そうきたかって感じ。欲していた言葉を受け取ったときの喜びも、ちょっとポンコツ気味なのも、かわいい。

メロンブックス版
感傷的になっている状況でさらに追い込んできた。開き直ったとはいえ…………うーん…………
本編読んでから読むべし。絶対に。

BOOK☆WALKER版
最早ショートではないSS。これ単体でも楽しめる作品だなーと思った。
オチ自体はなんとなーく察したけれど、どこか切ないIFストーリー。幼馴染設定のミルも良いですね。

電子書籍は基本使わない勢なので、BOOK☆WALKERは2019年WUGちゃんのオフショット以来の購読になりましたねww


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