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アニメ感想/アニメ感想文

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私が観た新旧アニメの感想文です。
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記事一覧

082『ガールズバンドクライ』第13話「ロックンロールは鳴り止まないっ」、感想

 アバンは仁菜ちゃんの回想。そこでやっと仁菜ちゃんが熊本を出た経緯が明らかにされました。詳細が明かされたのは本編がしばらく経った後ですが、最初はいじめっ子を救うための行動だったようです。しかし次に標的になったのは仁菜ちゃん自身になった、という経緯でした。だから仁菜ちゃん、自分は「間違ってない」という考えになるのも納得できました。  しかし目が覚めたら現実、トゲトゲは人気でダイダスに完全に水をあけられてる状況に相対しなければならない。トゲナシトゲアリの五人は三浦さんと話し合うが

080 メタで語る『ガールズバンドクライ』④

 西崎義展は『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』に関して、確かファンに対して「これで最後」という意味のことを言った。安彦良和は『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙』の公開に際し、「パート2はありません」と明言した。そして『超時空要塞マクロス 愛・おぼえてていますか』のパンフに〈「マクロス」は終わった〉の見出しがあった。  しかしさらヤマと同じ1978年に放送された2でパラレルワールドを作り、ヤマトシリーズが(一旦)完結したのは83年。ガンダムシリーズは82年のめぐりあい宇宙

079『ガールズバンドクライ』第12話「空がまた暗くなる」、感想

 思わせぶりなサブタイでどんな暗い空かと身構えてましが、アバンは白い背景での五人の写真撮影。これだけでトゲナシトゲアリはフェスの実力が認められ、インディーズでないレコード会社と契約できたことが伺える。OP明けで、その担当が仁菜ちゃん同様、桃香さんがいた頃のダイダスのファンの三浦さんと明かされる。トゲナシトゲアリに注力するため、元々プロ志向だったルパさんと智ちゃんは吉野家のバイトをやめる。  しかし仁菜ちゃんが桃香さんと共に意識したフェスでのダイダスとの勝負。評判と言う意味では

078 『ヤマノススメ』の事を話そう

 2022年にアニメから入って転んだ『ヤマノススメ』、ある面ではガルクラの対極とも考えられる。主人公雪村あおいは(最初は)旧友の倉上ひなたに引っ張られる存在だし、青い空と白い雲が舞台だし、結局は陽キャの肯定になってる。しかし山あり谷ありの生き方の肯定、学校に居場所がないなら外に出よう、という思想では山とバンドに似たところがある。  とはいえそれぞれに重い/辛い過去を受け入れ、克服し、認め合うガルクラ、陰キャで承認欲求モンスターがバンドで名実ともにギターヒーローになっていくぼざ

075『ガールズバンドクライ』第11話「世界のまん中」、感想

 改めてガルクラは仁菜ちゃんが主人公と確認した回。前回で家族からバンド活動を応援してくれることを確認でき、フェスに全力投球できる条件が整った。だからよりよい楽曲のために微調整する気配りも見せることが出来た。しかし本格的な演奏の練習が出来るか疑問な狭いスタジオ、物販はしてるけどCDやレコードはないらしい貧乏バンドの笑える悲哀を描いてくれました。その意味でもフェスへの出演、トゲナシトゲアリにとっては大勝負と分かる描写。  しかし一人浮かない表情はすばるちゃん。バンド名が決まってな

071『ガールズバンドクライ』第10話「ワンダーフォーゲル」、感想

 今回はトゲナシトゲアリが本格的に活動するための最大の障害であり問題、フロントマンの井芹仁菜の家族を扱った回。アバンも仁菜ちゃんが開発したグッズに関する話があり、今回はガルクラの本来の主人公回と言う示唆はあった。しかしそこはガルクラ、すぐに芸能事務所の人間に呼び止められるというミスリードがあり。  お話が動き出すのは仁菜ちゃんのお母さんが娘のバイト先を訪ねて来たり、お父さんがアパート先で待ち伏せして来たりから。多分そんな仁菜ちゃんの状況、トゲナシトゲアリの他の四人は話し合った

068『ガールズバンドクライ』第9話「欠けた月が出ていた」、感想

 前回は最終回(じつはアニメのぼざろも最終回然とした回が何回かあったっけ)と思えるほどの盛り上がりを見せ、今回は何の話になるかと見当がつきませんでした。そしたら序盤はギャグでコメディ、本編は智ちゃん回でした。誰かのnoteか失念しましたが、智ちゃんは天才(肌)だから、周囲、仲間との軋轢回があるはずという意味の記事を読んだことがあり、今回は正にその回でした。  智ちゃんは小さいころからピアノを習ってたお陰で独立心が強くプロ志向なため、せっかくメンバーを集めてもきつくダメ出しして

067 2024年春アニメ、終盤前評価

響け!ユーフォニアム3  キャラデザが正統派美少女の点では私の好みから外れるのですが、不穏なドラマという点で私の好みです。今季が終わったら第一期から見直そうと思ってます。 終末トレインどこへいく?  もう(作劇的に)何をやっても私は許します。結局何がテーマなのか、それがどう奇天烈な世界観に表現されるか、結末が楽しみです。 狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF  物語の(大)嘘は「賢狼ホロ」だけで、その世界観は貨幣経済の黎明期。アニメに

066『ぼっち・ざ・ろっく!』、そして『ガールズバンドクライ』!⑤ ぼざろとガルクラ、それぞれのロック その2

 ぼざろとガルクラの比較論、少々ややこしくなってきましたが、今回は下記のnoteの続きです。  上記で私が示したロック、今回との違いを明確にする言い方をすれば、ぼっちちゃんこと後藤ひとりとニーナこと井芹仁菜、二人の少女がそれぞれの物語で示したロック魂です。ぼっちちゃんは無様な姿を晒してでもギターボーカルで入ると思ってた、自分にはない陽キャの少女を引き留め、仁菜ちゃんは中指立ててまで、空しく都会の喧騒に消えるかも知れないのに「一緒に中指立てて下さい!」と、奇跡で出会えた憧れの

065 メタで語る『ガールズバンドクライ』③

 本来は今夜は八王子駅前のホテルに泊まり、明日の朝一で京王線に乗るために早めに寝るはずでした。しかし明日からの東京ボランティア・市民活動センターが募集した「令和6年能登半島地震 被災者支援ボランティア」の第6回、先週の肉体労働がたたってキャンセルする憂き目になってしまいました。  昨日は仕事から帰って十分時間があったので、旅支度とnoteをする準備が十分あったのですが、帰宅してすぐパジャマに着替えてベッドに入ったのでした。何とか起き上がれるようになったのが夕方の六時半過ぎ。電

064『ガールズバンドクライ』第8話「もしも君が泣くならば」、感想

 前回、バンド名は新川崎(仮)のままだけど五人編成になって暫く経っているみたいでやっと気づいたのは、ガルクラは仁菜ちゃんと桃香さんの物語だということ。五人での初ライブも、初期の知っちゃかめっちゃかも前回やんなかったから。だから仁菜ちゃんが挑発して終わった前回、桃香さんがどう答える/応えるかが見所と気づくべきでした。  だからOP直後前は前回直後、帰りの車の中。そこでの冷戦は打ち上げで寄ったファミレスフードコートでの言い合いに発展するんだけど、視聴者の私はいつもの言い合いと、微

063『ぼっち・ざ・ろっく!』、そして『ガールズバンドクライ』!④ 楽曲論その2 青春コンプレックス/雑踏、僕らの街

 今日は主題歌の歌詞、OPにかかる部分だけで分析。  まずは「青春コンプレックス」。 暗く狭いのが好きだった 深く被るフードの中 無情の世界を恨んだ眼は どうしようもない愛を欲していた 雨に濡れるのが好きだった 曇った顔が似合うから 悲しみにおびえてるふりをして 空が割れるのを待っていたんだ かき鳴らせ 光のファズで 雷鳴を轟かせたいな 打ち鳴らせ 痛みの先へ どうしよう! 大暴走獰猛な鼓動を かき鳴らせ 交わるカルテット 革命を成し遂げてみたいな 打ち鳴らせ 嘆き

062『ぼっち・ざ・ろっく!』、そして『ガールズバンドクライ』!③ 楽曲論その1 ロックを定義する/青春コンプレックス

 本題に入る前にロックの定義、私のロックに対する認識を明らかにする必要があります。平たく言えば「何がロックか?」。それを説明するためにはロックとするには扱いが困る、ポップスとの線上、境界に位置づけられるアーチストを論じるのが良さそうです。私にとってそれはZARDであり倉木麻衣、そしてそれに類するアーチスト。昔の歌だったら「My Revolution」の渡辺美里。  いずれの楽曲もロックの楽器の編成になってますが、「これがロックと言えるのか?」。完璧に骨抜きに、脱臭された「頑張

061『ガールズバンドクライ』第7話「名前をつけてやる」、感想

 確かにガルクラは、仁菜は変わった。新川崎(仮)のTシャツを売るなんてまるでぼざろだし、智ちゃんにそのバンド名を批判されたらバンド名のための作戦会議なんて、その年齢の女の子相応の、初々しい可愛らしさ。幸せな高校時代はこんな風だったんだろうなと想像できる仁菜ちゃんの表情、仕草でした。  また今回は会話回でもありました。仁菜ちゃんのお姉さんが妹のアパートに来て、妹が都会に出た理由を(視聴者に)明かしてくれました。私も仁菜の父親、何らかの有力者だろうと想像してました。そこは少しかす