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068『ガールズバンドクライ』第9話「欠けた月が出ていた」、感想

 前回は最終回(じつはアニメのぼざろも最終回然とした回が何回かあったっけ)と思えるほどの盛り上がりを見せ、今回は何の話になるかと見当がつきませんでした。そしたら序盤はギャグでコメディ、本編は智ちゃん回でした。誰かのnoteか失念しましたが、智ちゃんは天才(肌)だから、周囲、仲間との軋轢回があるはずという意味の記事を読んだことがあり、今回は正にその回でした。
 智ちゃんは小さいころからピアノを習ってたお陰で独立心が強くプロ志向なため、せっかくメンバーを集めてもきつくダメ出ししてしまい、付いてきてくれるのは(多分最初に出会った)ルパさんだけだったみたい。これまでの智ちゃんに関する情報から、早くプロになりたいという焦りがあったためと容易に想像できる。
 しかし一時は一緒になってくれた仲間だってプロ志向の人はいたはず。しかし(敢えての表現です)小娘にしか見えないのに自分には及びもつかない表現と技術のピアノの調べに、屈辱と劣等感で離脱したものと伺える。年長のルパさんはそんな人間の心の弱さをわかってるはずだけど、(何でか知らないけど)敢えて智ちゃんのやりたいようにさせていた。
 そして何回かのバンド活動の失敗の後、出会ったのがトリオの時分の新川崎(仮)。だから五人組になってバンド名もトゲナシトゲアリに決まった後、智ちゃんが自分の意見を言いづらくなる気持ちも分かる。しかし今回が少々違うのは、少々のことではへこたれない正論モンスター、一回プロへの道を挫折した音楽業界の先輩、おばあちゃんのために二足の草鞋を履いているアクターズスクールを通っている女の子、という一癖も二癖もある境遇の人間が仲間だということ。
 多分仁菜ちゃんもすばるちゃんも桃香さん智ちゃんの境遇を知らなくてもやっていける気概があったと思いますが、今回ルパさんからそれを教えてもらったことで、智ちゃんを尊敬とともに愛情を抱ける人と思えたはず。桃香さんはルパさんより年下だけどダイダスで失敗や挫折をしてるから、智ちゃんの口惜しさを実感を持って理解できたはず。そう考えると智ちゃんにとってもトゲナシトゲアリという場所、これ以上はない(プロになるためにも)絶好の環境と言える。
 それにしても今回、前回では物語で大いに盛り上げた仁菜ちゃんと桃香さんを、ギャグやコメディの犠牲者にしてた点に笑いました。また本来の主人公のこの二人が脇になってるため、安心して見られる回でもありました。
 また仁菜ちゃんに関しては前々回の第7話で垣間見せた、年相応の女の子の生態が見れました。特に序盤、智ちゃんとルパさんの部屋に行った後、三人してすばるちゃんのマンションでの可愛さは(わがままさも含め)、普通の女子高生の癒しアニメと変わらないと思う。それをガルクラで、無理なく自然にやってることに「してやられた!」と、嬉しい驚き。


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