2024.5.27

太宰治については、周りを楽しませるためにピエロを演じていたということしか知らないけれど、自殺場所が近所に会ったので行ってみることにした。井の頭公園と井の頭文化園の間を通り抜け、すぐ右に曲がると「風の散歩道」と呼ばれる直線が続いている。その右側に、玉川上水が流れている。ここが、太宰治の入水自殺した現場だ。

この辺から降りたらしい
春に来ればよかった
生い茂りすぎている。太宰に憧れて後追い自殺する若者を食い止めるかのように

玉川上水は三鷹市と武蔵野市のちょうど境になっている。きっと太宰治の死体は流れていく際、何度も岩にぶつかったんじゃないか。当たる度に右へ左へ。三鷹市と武蔵野市とを行ったり来たり。ある時代にある車が県境と垂直な方向で前進とバックを繰り返している。そのトランクルームを開けて中に死体がはいっていたら、それはもう太宰治ってことでいいんじゃないか。その車はタイムマシンでもなんでもない。しかし、トランクルームには玉川上水が流れている。太宰治の死体は、今もどこか遠い時代で流れたままになっている。


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銭ズラ