4月から職場復帰するママへ


保育園への入園が決まり、ホッと胸を撫で下ろすとともに、言葉にできない感情で胸がギュッと苦しくなる。
これが1年前の私でした。

きっとあなたも今、同じ気持ちだと思います。
生まれてから毎日毎日一緒に過ごしたこの子と、1日の大半を離れて過ごすのだと思うと、寂しさと涙がこみ上げてくることでしょう。

今はその感情をしっかり味わってください。
これも立派なママの入園準備です。

「こんな小さなうちから保育園(託児所)に預けるなんてかわいそう」
「保育園ってたくさん病気をもらうでしょ?まだ預けなくてもいいんじゃないの?」
もしかしたら、こんな言葉に傷つくかもしれません。すでに傷ついたかもしれません。
ほんの少し自分でも思っているから余計に苦しくなります。

でも、大丈夫です。
そんな他人の無責任な言葉よりも、他人だけれど少し先輩の私の話を聞いてください。

私の娘は生後5ヶ月半で保育園に入園しました。
まだ10倍に薄めたおかゆを、少し食べるか食べないかの頃。
まだ1人で座ることもできず、ねんねやうつ伏せで過ごしていた頃。

まだ人見知りが始まる前だったからなのか、泣くこともせず渡されるままに保育士さんに抱っこされてお部屋に入っていく娘。
後ろ髪を引かれるのはいつも私の方で
「本当にこれで良かったのだろうか。。。」
と、何度も思いました。

しかし、お迎えの時には先生方が話してくれます。
「○○ちゃん、いつもニコニコ笑いかけてくれて、本当に癒されます〜!」
お兄さんお姉さんクラスの先生まで話しかけてくれます。
「休憩中に○○ちゃんに会いたくて○○組に行っちゃいました!」
自分と同じように、娘の笑顔を大切に思ってくれる人が増えたのです。


保育園という社会に出た娘は、クラスメイトと出会うことになります。
きっとここに集まった意味なんてわからない。
でも、毎日一緒に過ごすお友達。
大切な大切なお友達。

体調不良で数日のおやすみの後、登園時に珍しくグズってしまった娘の手を握ってくれたのは、先に登園していたクラスメイトでした。今の今まで「ママー!」と泣いていた娘の顔が嘘のように笑顔になり、お部屋に入っていきます。そんなお友達がいることが嬉しかったと先生に話すと「○○ちゃんもお友達が泣いていたら頭を撫でてあげたり、先にお昼寝のお友達がいるとトントンしに行ってくれるんですよ」と教えてくれました。
思いやりや支え合いってこんなに小さな頃から学べるものなのですね。


風邪やウイルスはたくさんもらいます。
入園して数ヶ月は、信じられないくらい頻繁に発熱し、おやすみやお迎え要請の毎日。
1週間でさえ欠勤・早退無し働けたことは、ほとんどありませんでした。
「すいません。娘が熱を出したので、今日はおやすみさせて下さい。」
何度この連絡をしたことでしょう。
いつも「すいません。すいません。」と頭を下げながら、徐々に自分が仕事をしている意味がわからなくなってきました。

そして、入園後2ヶ月で気管支炎により半月以上に及ぶ入院。
「あぁ。もうダメだ。全部やめよう。」
体力的にも精神的にも限界でした。
娘のことが心配でたまらなく不安でいっぱいの中、24時間の付き添いでろくに眠れず、いつ仕事に行けるかもわからず、大事な対局の日は迫ってきて気持ちは焦り、そしてこんな時にそんなことを少しでも考えている私は母親失格なのだと思いました。
「私が母親失格だから、この子は入院してしまったんじゃないか。」
そんな風に思うまでになりました。

「入院になったので、しばらくおやすみします。」
と保育園に電話した時、たまたま応対してくれたのが担任の先生でした。

「そうですか…。○○ちゃん辛かったでしょうね…。お母様も大変でしたね…しっかり眠れていますか?」

え?
私?

保育士さんは、たくさんのママを見てきています。もしかしたら1番ママの大変さをわかってくれている人かもしれません。
思い返せば、いつも私に労いの言葉をかけてくれるのは保育園の先生方でした。
「あなたは頑張っています」
そう言葉で言われるだけで、心がスーッと軽くなります。
仕事ばかりしていた昔は、そんな評価なんていらないと思っていたのに。結果を出せば頑張りは認められるし、頑張ることなんて当たり前だと思っていたのに。

母親という仕事にひと目でわかる「良い結果」はないように思います。
たっちも、あんよも、話すのも、1人で食べるのも当たり前。
物を投げないのも、お友達を叩かないのも、オムツが外れるのも当たり前。
良い学校に合格しても、良い会社に就職しても、素敵な結婚をしても、どれもゴールではなくて、誰が見てもひと目でわかるのは「悪い結果」ばかり。
だから、これまで一生懸命働いてきたママたちは思います。
1つでも「悪い結果」が出てしまった私は、頑張りが足りないんじゃないか?母親失格なんじゃないか?と。

でもそれは違うのだと教えてくれたのは保育園の先生方です。


きっとここからの1年、何度も何度も正解がわからなくて悩むことでしょう。
日本で働く社会人として、大切な子どもの母として、何が正解なのか。人は、社会は、何を正解だと思っているのか。
私は何度考えても答えがでなくて、答えがわからなくて、悩んで苦しんで、その先にこう思えるようになりました。

娘が笑っていたらそれは「正解」なのだと。

お迎えの時に、お部屋の奥からガラス越しに見える私を見つけ「ママー!」と大きく手を振ってくれるその姿が、モヤモヤしていた気持ちを全てを吹っ飛ばしてくれます。
どんなことで不安になっても、誰に何と言われても、我が子が「ママ大好き!」と思ってくれていることだけは、紛れもない事実です。
そして保育園の先生方が、いつも近くで見守っていてくれることも。
それだけで私は十分幸せだと思えます。


時間のない朝にゴハンを食べてくれなくて
お着替えをしてくれなくて
検温をさせてくれなくて
仕事までの時間は迫り、イライラすることもあると思います。
大丈夫です。同じ時間、同じ気持ちのママがたくさんいます。

洗濯物が溜まったって
すぐに食器を洗えなくたって
夕食をファミレスにしたって
寝かしつけをしながら一緒に寝てしまったって
そんな日があっても良いと思います。

上手に息抜きをしながら、子どもが寝るまでの数時間を思いっきり楽しみましょう。

そしてホッとひと息ついて缶ビールを開ける頃、きっと私もプシュッとやっています。

私もたくさんのママ達も、声は届かなくともあなたに想いを届けます。
今日も1日お疲れ様でした!

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