電子処方箋のトラブル(逢坂誠二の徒然日記)
【24年12月21日 『逢坂誠二の徒然日記』8025回】
午前3時の都内、多少雲がありますが、天頂には月、西には木星が見えます。1度程度です。日中も晴れ、15度になる見込みです。
昨夕の本会議で国会が24日まで延長されることになりました。週末の今日と明日、議論をすれば明日までの延長で済むのですが、ちょっと日程の無駄遣いにも感じます。今日は朝の便で帰函します。
1)電子処方箋のトラブル
マイナ保険証を活用し、医療機関と薬局がオンラインで薬の情報を共有する「電子処方箋」に関し、誤った薬が画面に表示されるトラブルが発生しています。このため厚労省は昨日から少なくとも5日間、電子処方箋の発行を停止すると発表しました。
昨日、この件について、厚労省から聞き取りを行いました。
私の理解によれば以下です。
電子処方箋では、医薬品名を数字コードに変換して情報のやり取りを行なっています。
医療機関側には、医薬品名から数字コードに変換するためのデータベース(例えばマスターA)があり、その数字データを薬局などに送信します。薬局では、その数字データを自分のところのマスターB(これも例えばの名称)を参照して医薬品名に変換します。
医薬品名と数字コードの変換の際に参照するマスターAとBは、同じ内容でなければ、正しい医薬品名は出力されないのは当然のことです。
今回、このマスターAとBが違っているために別の医薬品名が表示されたのです。
話を聞いて驚いたのですが、システムを管理するベンダー毎にマスターが違ったり、医療機関などでは、マスターを独自にカスタマイズしているようなのです。
これでは違った医薬品名が表示されるのは当たり前です。
新薬などでマスター未登録の医薬品の数字コードは、医療機関などが任意に独自のコードを付すことがあるそうです。それを全国で統一しなければ、当然、違った名前の医薬品名が表示されます。
また医薬品名を通常使っているものではなく、医療機関などが使い易い名称に変更する場合もあるようです。
このようなことを繰り返せば、マスターに違いが発生するのは当然です。
電子処方箋の利用率は11月時点で、0.15%程度とのことです。利用率の低さが、今まで、問題が明らかにならなかった理由かもしれません。
今回は、電子処方箋システム全体を統括する部署(厚労省?)が、マスターの重要さを認識せず、それぞれ独自にマスターにデータを追加、変更させる仕組みになっていたところに問題がありそうです。つまりシステムの基本的な設計に問題があるということです。私から見れば、こんな初歩的というか基本的なシステムの基礎すら確立できていないのは驚きです。
しかしマスター情報をどのように使い勝手良く修正、あるいは統一するのかは簡単なことのようには思われません。また相当なコストも必要になると思われます。私の目には、結構深刻な問題に見えます。これでは電子処方箋が使えない可能性が高まります。
【24年12月21日 その6328『逢坂誠二の徒然日記』8025回】
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