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エイプリル≪絵本作家が書く作詞note1≫


エイプリル


忘れるためにしてみる全ては
結局立ち止まらせているだけ

春の服も 予約した旅行も
ぼんやりとこなしてみるつもり

住宅街
自転車で午後を横切る

風は変わってしまった
慣れる前に 名付ける前に

新しいことがまだ悲しい
そんな僕だ
雲間に淡い温度が眠る
そんなエイプリル


先週の映画をもう一度観て
同じところでは泣けないような

置きかえても 裏返してみても
ぼんやりと揺れ続けるんだろう

駐車場に
敷かれた白い花びら

風は終わってしまった
昏れる前に 降りだす前に

たっぷりある未来が気怠い
そんな僕だ
日向と日影 境界線はない
そんなエイプリル


胸が明るむ気配だけでいい
いまはエイプリル

日向と日影 誰のせいでもない
そんなエイプリル


初投稿です。よろしくお願いします。

春を待つ僕目線で。
センシティブが過ぎる男の人になっちゃいましたが、誰のどんなどんよりにもあてはまるように、あえてぼやかした設定にしました。

失意なのか失恋なのか春先の鬱々とした内向的な呟き。
本当に弱ってるとき、肩をたたかれ元気だしてと言われたら、その善意なる温度差に心は負けます。
誰かを看取ったような静かな静かな胸のうちに、ほんとは簡単に他人がかけていい言葉なんて存在しないのではと思います。
せめてもの気配で。

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