見出し画像

♯15 リーダーシップとは人の視座を高めることである

<見出し画像>

今月の一言:「リーダーシップとは人の視座を高めることである」

 
栗山監督率いるWBC(ワールドベースボールクラシック)の優勝。
LAエンジェルズ大谷選手の大活躍。
そして、就任一年目の岡田監督が率いる、阪神タイガースのリーグ優勝。

私の住む関西では、今年2023年は野球で盛り上がる年となっています。

矢野監督率いる去年の阪神は、今年のメンバーとほぼ同じなのにもかかわらず、なかなか成績が出ませんでした。
ところが監督が岡田さんに変わると、同じチームとは思えないレベルで大躍進。
今年の阪神の強さは色々な要因がからんでいますが、岡田監督のリーダーシップがリーグ優勝に大きく貢献したのは間違いないと思います。


サッカー日本代表を率いた中田英寿選手や長谷部誠選手。
野球日本代表を率いたイチロー選手や大谷翔平選手。

私たちの心に今でも残るスポーツチームのリーダーは、彼ら自身の卓越したプレーもさることながら、リーダーとしてチームを鼓舞し、チームメンバーの視座を高めたそのリーダーシップが、一番印象的だったのではないでしょうか?

皆さんは「コービー・ブライアント」という、ロスアンジェルス(LA)レイカーズで活躍した伝説のバスケットボール選手をご存じですか?
(2020年ヘリコプター事故で死去。享年41歳)

コービー(Kobe)という変わった名前、実は神戸牛の美味しさに感動した父親がKOBEと名付けたという日本絡みの逸話もあり、彼は日本でも有名なスーパースター。

マジックジョンソン、マイケル・ジョーダン、レブロン・ジェームス...

米国プロバスケ界には名だたるスーパースターがたくさんいますが、チームリーダーとして米国人の心に最も強く残っているのが、コービー・ブライアント選手のようです。

コービーはその卓越した運動能力と自己研鑽、やりきる力で、プレーヤーとして数多くの歴史的記録を残しています。
しかし、彼のチームメイトやファンに対して彼が遺した一番の功績は、その献身的なリーダーシップ。

現役時代における彼の関心事は、常に「如何にチームを優勝に導くか?」。
個人成績は、彼にとっては二義的なことでした。

至上命題が「チームの優勝」だったので、自分だけでなくチームメイトに対しても厳しく、ストイックな選手でした。
チームメイトに厳しい態度で接するものの、チームへの献身、有言実行力、そしてコミュニケーション力から、チームメイトに愛され、尊敬される人格者だったようです。

「最も大切なことは、チームの仲間を奮い立たせ、彼らをなりたい自分にさせてあげることだ。」

(コービー・ブライアント)


「リーダー」とよく対比されるのが「ボス(BOSS)」

では、リーダーとボスの違いは何でしょうか?

「リーダー」の語源は「LEITH」。
その意味を調べたところ、「境界線を越えて足を踏み出すこと」。
「最初に死ぬ」という意味もあるようです。

私なりに意訳すれば、チームのためにリスクを冒し、勇気を持って率先して前へ進む者というところでしょうか?

一方、ボスの語源はオランダ語のbaas(主人)。
同じく意訳すると、グループの責任者、指導者という感じでしょうか?

つまり、リーダーとボスの意味は、似て非なるモノ。

リーダー(リーダーシップ)は、行動を表す言葉。
対してボスは、立場を表す言葉。

リーダーシップには、立場は関係ありません。
チームのために率先垂範する者は、たとえ入社一年目の人でも、その人はリーダーです。

よく言う「ファーストペンギン」の行動が、まさにリーダーシップですね。

リーダー=ファーストペンギン

名著「マネジメント」で、ドラッカー氏はリーダーシップについて以下の通りまとめています。

「重要なのはカリスマ性ではない。
リーダーシップとは人を惹きつけることでもない。
惹きつけるだけでは、扇動者にすぎない。

友達をつくり、影響を与えることでもない。
それは人気取りに過ぎない。

リーダーシップとは、人のビジョンを高め、成果の基準を高め、人格を高めることである。」

ピーター・ドラッカー 「マネジメント」


私たち経営トップは、率いる組織の大小にかかわらず、組織の中で一番高い視座を持つ立場にいます。

山で言えば山頂にいるのが、我々リーダーです。
山のふもとでは足元しか見えませんが、山頂からは全体の風景が深く、高く、そして広く見渡せます。

私たちリーダーの役割は、メンバーが大所高所から判断できるよう視野を高めさせ、今まで見たことのない世界へ導くことだと思っています。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」

山本五十六


山本五十六氏のこの名言も、リーダーの役割を簡潔明瞭に表現した、素晴らしい言葉ですね。

チームスポーツから、私たち経営者は学べる点が多々あります。
好きなチームスポーツを観戦する際、応援するチームの監督やキャプテンの視点に立ってゲームを観ると、不思議と視座が高まります。

ゆっくりビールを飲みながらの観戦はできなくなりますが(!?)、一味違ったスポーツ観戦を愉しめますよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?