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感覚で生きる

エモい。
とよく聞くようになって久しい。
エロい、ではないかと思ったが聞き間違いだった。もちろんキモいでもなかった。
emotional エモーショナル。
感情的な、感情を持つ、感情に訴える。
それが、エモいとなった途端に軽くて薄っぺらでつまらなく感じるのはなぜだろう。


速読、速聴。
必要なところだけ抜き取って読んだり聞いたりすれば良い。本も読むものではなく、見るものになってしまった感がある。
知識や情報だけ取り入れて理解した気になるのは怖いなと思う。
それがこれからの人間の世界になっていくのだろうか。
そのうち、わたしと言うのも面倒くさくなり、わ、とだけ言うようになるのかもしれない。
青森では『け』や『わ』で会話が成り立つと聞いたことがあるが、それは寒さのために素早く会話を成り立たせるための知恵であって、コミュニケーションが面倒だから言葉を縮めたわけではない。



今朝、マダム茶飯事さんの記事を読ませて頂いた。

AIによる弊害は気になるところだが、かといってそれは避けようのない時代。
これからいかに上手にAIを使いこなせるかに未来はかかっていくのだろう。
そんなことを仰っておられた。



困ったな。
80%の人間が、下手をしたら仕事を失う可能性も出てくるようだ。
受付もいらなくなる。
説明する者もいらなくなる。
工場で働くのはAIだけになる。
資料をまとめたり、さまざまな手配をするのもすべてAIがやってくれる。
車の運転もすべて自動化。
どこかに足を運ぶ必要がなくなる。
擬似体験でこと足りるようになる。


わたしは感覚で生きている。
計算や知識や情報などとは遥か遠い位置にいる。
隙間を通ろうとすると肩をぶつけるし、何も考えずに歩くから足元にあるものに爪先を引っ掛けてあわや顔から転倒しそうになる。
必要な時に財布やスマホをいつも探しているし、ひとの顔は浮かんでも名前が出てこない。
ほら、あの人、えーと女優さんで、あのドラマに出ていたあのCMでこんなことやっていた人と共演していたひとで…と延々と辿り着けない。
とりあえず、死ぬまでこれでいくしかない。


さて、こんなわたしでも使いこなせるAIがはたして現れるだろうか。
AIだらけの未来にひとはどう生きていくのだろう。それをちょっと覗いてみたい気はする。

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