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昭和のプロ野球名ドキュメンタリー『NHK特集スポーツドキュメント「江夏の21球」』をあらためて見て、語ろう

ライター・織田祐二 ノムさんのことを書いたら、この番組を思い出した
ムック編集者・ブライアン飯野(かつて、西武の選手数名のインタビュー経験アリ。織田と同い年、同じ中野在住) 球史に残る試合。9連続三振と比べると、名勝負なのかは微妙だけど、「ピッチャー江夏」の本質や魅力が凝縮された試合
織田 そう思う。ランナー背負ったら当たり前のように打たれて点数取られる昨今の楽天のピッチャーに見てもらいたい内容という
飯野 もう散々語り尽くされてきた試合、場面だけど、まだ語ることある?
織田 あらためて、有田の貧乏ゆすりが凄まじかったとか、同じく有田が西本監督の横でやたらぺっぺっと唾吐いてたとか(苦笑)
飯野 そこ?(笑)。自分は試合中、西本監督が動きすぎなとこと、インタビュー受けながらの江夏のタバコの吸いっぷりかな
織田 美味そうに吸うよね
飯野 いや、ノムさんから想起したんだよね。当然、ノムさんのあの名解説を
織田 そう、自分が思い出して話したいのは、この番組を通しての「江夏の21球」

飯野 放送は1983年1月24日。ウチらが中1のとき。自分は見ていなかった
織田 自分も。そもそも、自分がこの試合知ったのは、後年の学生時代、文春文庫から出ていたプロ野球の名勝負を収めた本で
飯野 あったね。文春文庫のカラー版のやつ
織田 今回、部屋探したんだけど、出てこない。あらためて出てきたら、ボロボロのそれを掲載したい
飯野 確かかなり昔、あなたの部屋でビデオを見たことあるような

織田 いまはDVDで出てるやつかな。自分は中古ビデオで買って持っていた
飯野 いまはないんだ?
織田 昔、野球好きの彼女に貸して、その後別れてそのまま……
飯野 ああ、その話はいいです(苦笑)。えーと、ちょっと前も話してたけど、あなたがあらためてこの試合で気になるというのが
織田 あの日の両軍のオーダー。番組ではわからない。そういや、文春文庫の本見れば出てるはずなんだけど、さっきも言ったように部屋のどこかに埋もれてしまい……
飯野 ネットには出てるよね
織田 それがこれ

飯野 番組のインタビューには山本浩二が出てこず
織田 初球打たれたセンター前ヒットをさばいた。この日は3打数1安打だったんだな
飯野 近鉄の4番は栗橋で
織田 渋いね。調べたらこの年は32ホーマー80打点の活躍。で、番組では、マウンドで苛立つ江夏に声かけしたファーストの衣笠が大フィーチャーされてるけど、試合では彼のとこにボールが行ったのは牽制の1球だけなんだよね
飯野 後々、監督になる選手が何人もいるよね。山本浩二に三村に梨田に鈴木啓示に佐々木に
織田 吹石一恵の親父さんは代走で出ていた。吹石といえば、1988年のあのロッテとのダブルヘッダーでホームラン打った印象強い
飯野 彼にとって結果的に現役最後の日だったような
織田 確かそう
飯野 江夏が苛立ったのは、古葉がブルペンにピッチャーを用意させたからだけど、ベンチの行動としては、まあ、仕方ないよね
織田 仕方ない。若いファンが見たら、江夏の言い分に納得するかもだけど、重要なのは、1979年当時は日本シリーズでDH制が採用されていなかった
飯野 近鉄主催ゲームなんで、ちょっと勘違いしがちなんだけど。ただ、同点で延長になったとして、広島の打順は2番・衣笠から? ピッチャーの打順まで回るのはちょっと先だけど、そこに代打、それでピッチャー交代という流れは古葉監督が言うとおりで、次のピッチャーが肩を作っておくのは定石
織田 仮に江夏の打順まで回ったとしたら、それなりに広島は点数取ってるはずだけど、このときの江夏は7回から投げてるわけだから、続投はかなりしんどいはず
飯野 いまと違い、抑えは2、3イニング投げて不思議じゃなかった時代。で、番組でのノムさんの解説については?
織田 未見の人もいると思うので、YouTubeで見てもらうということにしますか(苦笑)。ひとつ言えるのは、ノムさんは1人で番組出てて、MCの役割も担っているんだよね。解説はもちろん、その巧みな喋り自体も見どころ
飯野 最後の締めの「教訓」云々や「野球の
過程の中で生まれた」といった話は好きだなあ
織田 「開き直り」なんてのも、後年のノムさんの発言からすると新鮮に感じる。ノムさんが大好きで実力を認める衣笠や江夏の言葉だからこそ、納得したという
飯野 うん、そうなんだろうね
織田 最後にYouTubeに寄せられたこのコメントを上げておこう

飯野 そりゃそうだ。でも、確かに言い得て妙かも(苦笑)

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