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ひだまり
2022年7月19日 13:28
目が覚めると、隣には誰もいなかった。まるで、昨日の夜まで彼女がそこにいたことそのものが嘘だったかのようだ。二日酔いで痛む頭を押さえつつフラフラと立ち上がると、水を飲もうとキッチンへ向かう。洗って干したままのグラスを取り、ふと顔を上げると、ラベンダーが一輪、小瓶に挿してあるのが目に留まった。………彼女の好きだった花だ。グラスに水を注ぎ、ソファに腰掛ければ、そこには編みかけのマフラー