5年前の8月31日 私は
私は五年前のあの日
中学2年の夏のあの日 私は
何日も何日も泣き腫らした目を
珍しくしっかりと開いて
心を揺らしながら
震える唇をなんとか抑えて
学校に行かない
と
行きたくないんじゃなくて
行かないんだ
と
両親に伝えた
どれだけ残酷な知らせだっただろう
どれだけ家族を悲しみの渦に落としただろう
それでも言わなければいけなかった
そうで無ければ
学校という小さな箱の中の私は
意味もなく行われていたいじめに
今にも潰れそうだったからだ
幸せそうな歳が近い学生を見るたびに
自分と天秤にかけることも
記憶と重なりそうな学生を見るたびに
恐ろしく震えそうになり、足がすくむことも
耐えられなかったから
恐怖に襲われた時
もう終わればいいと思った自分の人生を
やっぱり惜しくて
失うことも怖くて
できなかった自分だから
伝えなくてはいけなかった
お前は逃げている
とか
周りのみんなはできているのに
とか
勇気を持って一歩踏み出せば
とか
そんなのはいいから
今あなたが生きててくれるだけでいいから
そして
未来のあなたが笑っててくれたら
それだけで十分だから
あなたの選択は
何も間違ってないよ
自分を信じてね
苦しくて息ができない時
ひとりになって深呼吸して
ひとりになってゆっくり休んで 羽伸ばして
またその気になったら
いつでも戻ってこられるんだよ
道はいくらでもあるから
先のことは心配しないで
いい子でいなきゃ
頑張らなくちゃ
周りの理想に合わせるように
頑張り屋なあなたは
期待に応えようとしちゃうから
言い出せずに
苦しくなっちゃったんだよね
もう大丈夫だからね
いつでも言っていいんだからね
私にも
5年前の私にも
そうやって言ってくれる人が側にいたら
傷も小さかったのかな
そう思うから
私はあなたに伝えておくね
自分の気持ちはいつも間違ってないし
居場所は一つじゃないんだよ
声をあげてくれたら
きっと助けに行くからね
どんなに小さくても
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