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霞ヶ関キャピタルの決算内容を3分で解説!

皆さま、あけましておめでとうございます。

今年最初の決算内容3分解説です。

今回は霞ヶ関キャピタルの決算内容について見ていきましょう。
東日本大震災で被災したショッピンングセンターの再生を目的にスタートしたこの会社、着実に業績を伸ばしているようです。

1.PLの状況

まずはPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+45.4%の207億円となりました。営業利益は前年比61.2%の21億円、当期純利益は+28.3%の10億円の大幅な増収増益という結果となりました。

出所:決算説明資料

売上高の推移を見てみると、2020年は80億円だった売上高が前年の2021年には142億円、今回の2022年は207億円と着実に増加を続けています。
これは物流開発用地や賃貸マンションの売却が順調に進んでいる結果です。

出所:決算説明資料

また現在着工、竣工済のAUM(Asset under management:運用資産残高)は、今回の決算時点で1,239億円あり前年から+924億円増加しています。

今後の見通しとしては2026年には6,000億円規模まで伸びる見通しを立てています。

出所:決算説明資料

営業利益の増加要因に関して見てみると、やはり売上総利益の増加が一番大きな要因となります。

売上総利益率は前年の30.8%から今回は29.7%に△1.1%減少しましたが、売上高が+64億円増加したことにより売上総利益は+17億円増加しました。

出所:決算説明資料

一方、事業拡大に伴って販管費は前年比+9億円増加しており、営業利益の圧迫要因となりました。

内容としては人件費関連で+3.8億円、支払手数料などで+1.2億円増加しています。

営業利益以降の項目に関してみると、営業外費用の支払利息が+1.6億円増加しています。
これは借入金が前年と比較して増加したことが影響しています。

出所:決算短信

また特別損失では2.3億円の損失が計上されています。
これは所有しているショッピングセンターで、2022年3月に福島沖で発生した地震に対する損失を見込んだ内容になります。

出所:有価証券報告書

今後の見通しについても見てみましょう。
中期経営計画によると来年2023年には営業利益で32億円を見込んでいます。
そこから3年後の2026年にはなんと営業利益を200億円と見込んでいます。

出所:決算説明資料

なぜ一気に営業利益が増加するのか?
それはビジネスモデルの特徴が関係しています。

現在着工している案件の売上高が計上されるタイミングが2025〜2026年に集中しており、そこで一気に売上高と営業利益が計上される見込みとなっているためです。

先程上記で触れましたように、2026年にはAUMの総額が6,000億円規模になる見込みなので、その見込み通りに計画が進めが中期計画の「営業利益200億円」は達成されるか、それ以上の利益になる可能性を秘めています。

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産全体としては前年末から+153億円増加しました。

出所:決算説明資料

流動資産は+150億円増加していますが、そのうち現預金で+17億円増加しています。この点に関してはCFの状況で説明していきます。

あとは販売用不動産での増加が一番大きく+131億円となりました。
これはいわゆる「棚卸資産」に相当する科目なので、早く売却が成立して「売掛金」→「現預金」へと流動していく必要があります。

負債の部に関しては、流動・固定併せて+109億円負債が増加しています。
2022年8月末時点では社債も含めた有利負債は179億円あります。
ビジネスモデルとして多額の資金が必要となるため、常に借入をして資金を補充していく必要があります。

そのため借入金の中には借入期間が5年を超える長期間にわたる案件も含まれています。

出所:有価証券報告書

純資産の部に関しては、「新株の発行」によって資本金・資本剰余金併せて+37億円増加しています。

出所:決算短信

今回の新株発行は「公募」」による形態をとっています。
発行価格は2,818円/株で払込時期は2021年12月でした。

出所:HPのIRニュースより抜粋

負債の部での「他人資本による資金調達」と純資産の部の「自己資本による資金調達」の両方から資金調達をしたことになります。

資金調達の方法として「他人資本」にするか「自己資本」にするかという経営判断は、その時の経営環境によって答えは変わってくるのでどれが正解かはわかりません。
ただ今回は他人・自己資本の両方により資金調達をするという判断に至ったということです。

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては+17億円増加しました。内訳としては営業CFで△116億円、投資CFで△4億円、財務CFで+139億円という内容です。

出所:有価証券報告書

営業CFのマイナスは、棚卸資産である「販売用不動産」が+131億円増加したことがCFにとってはマイナス大きく影響しました。

投資CFに関しては、有形固定資産や投資有価証券の取得で4億円程度支出があったほどであまり大きな動きはありませんでした。

財務CFに関しては、長期借入金の返済で△86億円支出がありましたが、長期・短期併せた追加借入196億円や新株発行による資金調達35億円など大きな動きがありました。

出所:決算短信

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?

マサキタカオ


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