孤独とは エッセイ

私には「孤独とは」がわからない。

まわりの家族から愛されて育ってきたからだと思う。

確かに父はドロンしたし、貧乏だったし、友達の輪に入るのも苦手だったけど。

「孤独とは」がよくわからない。

喫茶店でひとりいると、幸せを感じるが、これは孤独ではないと思う、なんとなく。

悲しいときはあるが、それは過去の優しい思い出とセットでありつづけるので、孤独を感じない。

一人で眠る時は、孤独というよりも、恐怖である。戸締まりとか、塩でも盛っておこうかとか、そういった恐怖で孤独なんかに関わってる暇はない。

人混みは孤独か。孤独というよりも、気を使うのに疲れる場所だ。

インターネットは孤独か。孤独と言っている間にも記事やつぶやきが流れてくる。むしろ、読んでいる時も、読んで頂ける時も、孤独はこれぽちも感じない気がする。

夜は孤独か。満天の星は宇宙の景色。美しすぎるその世界を孤独と呼ぶなら、宇宙とは美しすぎる。

朝は孤独か。忙しすぎて時計に追われて、でも道の花にほほ笑みかけられて。孤独とは程遠く思う。

昼は孤独か。孤独を探しているどころではない。やることなすこと忙しい。

夕方は孤独か。コーヒーの香りにひたる一人の時間は、わたしの心には栄養となる。

そうか。

わたしにとってひとりは、心の栄養なのかもしれない。

孤独とは。

孤独とは。

孤独とは。

よくわからない。



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