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Photo by
ohayou_yonechan
立方の優しい光万華鏡
わたし稲垣足穂さんの本がスキですがね。
ホウ、どの様なタバコを嗜まれるのかな。
なんてことは有りませんよ。ちょいとお月様がシャポンと煙に浮かぶ程度ですからね。
しかしまあ。
今しがた古本を手に取っただけというのに、現代の立方の万華鏡を言い当て、青の芽を摘む都会という場所を見事に写しとっていたものだ。
人間の仕草も会話もスマホもそうだろう。
ああ、なんという。
なあに。時空の万華鏡を作動させていた部分であろう。
四角や三角の空を映す機械をネジで毎日巻いている、ワレワレの可笑しみを見事に描き出しているよ。
このァップルジュースの氷の中から覗かれていたようだね。
それにしても宇宙は昔も今も同じ悪戯ばかりしている。
百年のビロォドなんてほうきぼしには夜明けの灯の内さ。
そうさ。お月様もお星様もみんな天文家を煙に巻くのさ。
ああ。
と、喫茶店のスリ硝子の光は笑ったということであった。
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