実印奪還作戦　｜エッセイ

今日はついに半年以上ぶりの労働に繰り出した。

といっても、今日から就業して、今日で退職の
タイミーだ。

その職場というのが、
マリアの家から徒歩5分ほどの場所にある
マリアの元職場である。

長くなるので簡単に説明させてもらうと、
マリアが仕事を大サボりしているところを
2回現行犯逮捕された。
職場には雇い主のおじさんとマリアのみなので、このおじさんが逮捕者である。

逮捕後は、大真面目に業務に取り組んだが、
月曜日の午前中もやってないですね、
信用のしようがありません
と言われ、
仕事量の72.6%がなんたらなので、
給料は40.8%がかんたらと減給に関する
とんでもない長文が送られてくるイベントが
4日ほど開催された。

マリアは逮捕後、
真面目に取り組んだ給料を貰えず
大サボり事件は冤罪事件となった。

そして、そのまま
辞めます！と言い捨て退職したのだが、
なんと実印を置いてきてしまったというのだ。

そこで、私の出番である。
タイミー募集がかけられた瞬間、マリアが私に連絡してくるのだが
大人気仕事のようで、何度も失敗に終わった。

だが、ついに！
昨日の募集で仕事を勝ち取ったので
今日、出勤したという次第だ。

恐ろし慄きの長文ラインおじさんに迎えられ、
仕事部屋に入った瞬間、
マリアの実印が入っている筆箱を確認した。
こんな分かりやすく置いてあるのに、気づかないものだろうか。

私のココロ、アンロック！

もちろん今日も
仕事場には長文ラインおじさんと私しかいない。
部屋がもう一つあり、
おじさんはほぼその部屋にいるとマリアが言っていたので、
一人で黙々仕事だと思っていたのだが
待てど待てど全然いなくならなかった。

マリアの筆箱を、自分のバッグにいれることが
最大の任務だというのに、、！

私は真っ当に生きてきたので、盗みなどしたことはないが
いなくならないのであればしょうがあるまい、と
腹を括り、
万引き犯如く、筆箱をさっとバッグにしまった。

1時間のお昼休憩があり、マリアの実印を握りしめ、アルマゲドンのような気持ちで一時帰宅した。
とても感謝され、達成感でいっぱいだった。
が、仕事は午前の倍時間が残っている。
もう目的もないので働くモチベーションもない。

おまけに、あんな分かりやすい場所にあった
筆箱がなくなってるなんて、、
バレてたらどうしよう、、、と徐々にドキドキしてきた。
これでは、本物の万引き犯である。

こんなにドキドキするなら
盗まない方がマシだなぁと思ったので、
私はこれからも盗みはやらないであろう。
それが自分の中で証明できたので良かったとするか、、などと思いつつ、、、

午後も真剣に仕事に取り組み、
筆箱の盗み（盗みではない）もばれることなく、
今日1日を終えることができた。

仕事に毎日行ってる人はすごい。
お金はいらないから休みが欲しいよ。と、
休みがあってお金がない人間が思ってしまうほどに、労働は大変だ。

みなさん、まじで毎日お疲れ様という気持ちに
なった一日だった。
罪を起こさず生きてるだけで、とても偉い！

おしみ

1998年3月生まれ
仕事を辞めて絶賛ニート中！
毎日楽しいよ

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