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安易な差別主張の先には救うべき弱者置いてきぼりの『社会的弱者選手権』しかない

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LGBT法案の余波、いまだ覚めやらず

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いわゆる『LGBT法案』が話題になったのは先月の話だったと記憶しているが、実は未だにその余波が続いている。

タイミングの悪い事に、オリンピックが間近に迫っている(本当にやるかやらぬかは別として)ため、「トランス女性が女性トイレや風呂に入るのはいかがなものか」といったテーマに続き、「トランス女性が女性選手として競技に参加するのはいかがなものか」といった話にもスライドしてしまい、解決の糸口すら見付からない有様になっている。

例えばすぐ上の【トランス 差別】で検索した結果をチラ見すれば理解して頂けると思うが、これら全てをざっくりと『LGBT問題』としてしまうのは乱暴で、細かく見ていくと各テーマごとに注目すべき点、重視すべき点が違うと分かるはず。

いまSNSなどで悪目立ちしてしまっている声の大きな連中は、こうしたテーマと、それに対する "反対側の勢力" の言動を都合よく切り貼りし合い、半ば藁人形論法のようなやり方で戦ってしまっているようだ。

最も問題があるのは、この話を【トランス側】と【反トランス側】に分けて、少しでも異を唱えたら「お前はトランス派だ!」もしくは「お前はアンチトランスの差別主義者だ!」といった具合に、相手の主張を深く理解しようともせず、レッテル貼りのみで断罪しようとしてしまう点にある。

お前ら少しは落ち着けよと言いたい。
知性をどこに落として来たんだキミら。

意味不明の差別主張は「言論封殺が目的だ」という自白に他ならない

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んが!直近の流れを見てみると、どうもトランスの肩を持ちたいが故に、ロジックが破綻してしまっているヤツが目立つようになって来た。

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たとえばこんなの。

ちなみに、当noteは個人を晒し上げて虐めたり、みんなで集団凸を仕掛けてアカウントを閉じさせるといった卑劣な真似はしたくないので、ツイート主を見付けてもそっと観察するにとどめてください。

「ヲチ先は触らず、荒らさず、マターリ」

というのが、2ちゃんのネット板の時代からのお約束なのでよろしくお願い致します。

と釘を刺したところで上のツイートの問題点について述べるが、これは典型的な「イキ過ぎちゃってるヤカラ」のサンプルである。

取り上げられている元ツイートの内容をよく読んでみて欲しいのだが、実はその中で何一つ間違った事は言われていない。持って生まれた身体が男なのか女なのかで、ベースとなる筋肉の量や質が大きく変わるのは当たり前の話である。

オリンピックなどのスポーツ競技は、人体の限界への挑戦とも言うべき小数点以下の数字を競い合うようなものが殆どだ。
であるならば、ほんの少しの筋肉の質や量の違いが、競技の結果に大きく影響するなんて事は、子供でも分かるだろう。

これは差別ではなく、冷静に男女の性質や(肉体的な)役割の違いについて述べたものであり、全く差別的ではない。競技の公正さを優先するならば、トランス(特にMtF)が女子競技の世界に入り込む事は、生まれ持って女性の肉体しか持たない女子選手にとって、チートを使って荒らされるようなものである。

これを考える場合に「トランスの方がおかわいそう」というお気持ちを優先してしまうと、世の中の男女の区分けがある、あらゆるものが狂って行く。したがって、何か強烈なナタを振るう前に、当事者達の声をバランス良く聞き入れながら、競技としての公正さ、競技参加者の人生が、どうすれば平等なものになるのかを熟考せねばならない。

ところが、上で紹介したような極端な事を言うやつは、この議論をしようという姿勢が無さ過ぎる。
どうして発言者に議論する気がないか分かるかと言うと、それは「差別だ」が唯一の反論材料になってしまっているからだ。

この「差別認定」は非常に切り出し方の難しい手法で、裁判官が判決文を読み上げる時のように、主文と、それを納得してもらうための理由説明がどちらも大切なのだが、問題とするツイートの場合は理由説明もなく「主文、死刑!」とだけ言われているようなものだ。

このように「差別だ」としか言わないヤカラというのは、個人的に次のような理由があるのだろうなと思っている。悪意のこもった言いようになるが、私は心の底からこの手の人間を見下しているので、その点に注意した上でお読みいただきたい。

・マトモなロジックで他人を説得する事ができない(&その努力をするつもりもない)
・楽をして他人に対してマウントを取りたい
・ロクな大義名分を持たない自分を絶対の安全圏に置きたい

ようは他人を納得させる知性がなく、努力も惜しむようなヤカラが、他人に対してマウントを取って気持ちよくなるためのチートコードとして、「差別だ」という文字列を打ち込むんじゃねえのという話である。

これはしばき隊連中と揉め倒した時に散々経験したので、もはやこの考え方は変わらないかもしれない。何よりも先に「差別だ!」が優先されてしまうヤツは、どいつもこいつも "しばきバカ" と同類だ。

まともな理屈や大義名分を持たないから、「差別だ」の一言で相手が黙ってくれる事を祈っているのである。早い話が言論封殺以外の何物でもない。

無理筋な差別主張は、社会の問題点改善より、被害者・弱者アピールを優先するようになる

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こうした差別認定には様々なリスク・デメリットが付随してくるのだが、その際たるものは「言葉遊び的に勝利する事を優先するあまり、本来なら主目的とすべきはずの社会の問題点の改善などが二の次になる」という一点である。むしろ、これ以外の問題点はさしたるものではないとすら言える。

もっと言葉を簡略化するならば、「こんな言説を許してしまっては、世の中に社会問題をダシに使って他者を屈服させたいだけの偽物ばかりはびこるようになる」と言ってもいいだろう。

大勢の人間の利害に絡むデリケートな話をしようとしているのだから、インチキをして乱暴に切って捨てようとするヤカラは早々に排除しないといけない。

トランス男性・トランス女性が持つ肉体的な特徴などを挙げて行く行為すら差別だと言われてしまっては、彼ら・彼女らがどうすればより生きやすくなるかといった議論すら出来ないという事になる。

そうなった場合に、バカどもが望むように「一方的にトランス側の主張を100%飲ませる」なんて事が可能だと思うのだろうか。私はそうは思わない。むしろトランスとそれ以外とで社会が分断されるのがオチであり、より根深い差別構造が固定化されてしまうだろう。

何故そうなるかといえば、何度も申し上げているように、安易な差別認定のお陰で「社会の改善案を話し合う事すら不可能だから」だ。
それでは表面上はトランスを受け入れるという見せ方にしたとしても、抜本的な解決には程遠く、実際には "社会のバグ" としてトランスなどのノイジーな少数派が隔離されるという図式に持って行かれるのが関の山である。

「議論すら拒む」という暴力的な姿勢は、より暴力的な結論を招き兼ねないのだ。

伝統の一戦【被差別部落出身で黒人で四肢障害を持ったMtFの子供】vs【在日コリアンでダウン症で余命宣告を受けている元従軍慰安婦の老婆】

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これは大昔にゴー宣で小林よしりんが言っていた事の焼き直しになるけれども、こうした差別認定や被害者アピールのようなものが今後も続くならば、そしてそれが実際に社会に大きな影響を及ぼすならば、ゆくゆくは「それぞれの旗の下に社会的弱者を揃えた者が勝つ」という冗談のような話になる。

これはもう現時点でやられている事だが、「男性よりも女性の方が被害者アピールをしやすい」となれば、己のイデオロギーを通したいヤカラは代弁者として、盾として、世間から票を集めやすい女性を前面に押し出すだろう。

また、性別問わず健常者よりも障害者の方が相手を黙らせられるとなれば、四肢を欠損した見た目にも分かりやすい障害者が重宝される。

さらにしばき隊のバカどもがほざいていた「生まれ持った変えられない属性でなければ差別ではない」なんて言い草をそのまま採用するならば、黒人や在日コリアンや被差別部落の出身者が強いだろう。

こうやって「肉の盾」をあらゆる派閥が用意して、己のイデオロギーを通す為に戦争をおっ始めるのである。

そしてMtFの権利を守るために【被差別部落出身で黒人で四肢障害を持ったMtFの子供】が駆り出され、また自称・従軍慰安婦への補償を勝ち取るために【在日コリアンでダウン症で余命宣告を受けている元従軍慰安婦を自称する老婆】が大暴れをするのだ。

時と場合によっては、こうした勢力の要求がバッティングするケースもあるだろうが、その際には「どちらがよりおかわいそうな被害者様か」で競い合うしかない。

私はいっそそれをパラリンピックでやってはどうかと思う。

今後、パラリンピックは特定のイデオロギーをゴリ押ししたい連中が用意した選りすぐりのエリート社会的弱者が、どちらがより他者を黙らせられるかで競い合う場になるのだ。

色々な属性の人間がオリ・パラに参加できそうじゃん。良かったね。


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