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発酵と腐敗、分解者との共存
風呂敷包みをあけたらまさにライブでウールの長じゅばんに虫が喰っていました。
ウール着物は虫の好物です。
自分の保存の不手際をくやみながら、虫をつまみつぶし、
しかし「これもまた、自然に還るものの過程のひとつなんだな」
と、以前にはない冷静な視点で虫食いを思うことができました。
(もちろん、とても悲しいけど。)
「土と内臓」はページ数、文字数だけでなく、かなり内容が濃いので、なかなか手ごわいです。
面白いのに、進まない。
全部情報を取り込みたくて。
読んでいるうちに、
全ての生物(虫、細菌、微生物を含む)がそれぞれの自然界での役割があり、
その役割を淡々とこなしているだけなんだな、
ということが自然に肚に落ちてきました。
肚に落ちるというのは、
情報を得るだけでなく、
身をもって体験してないとできないのですが、
私でも、どんな人でもかならず分解者が身近にいます。
ハエだったり、ゴキブリだったり、シロアリだったり、腐敗菌だったり、・・・
人間の嫌われものばかりですね。
それでも役目の終わった形あるものを、
地球の大地に返すことを遺伝子に宿命づけられて、
淡々とやってるだけ。
その生き物がいないと、地球上がもう古くてつかえないものの形が残り続けて、足の踏み場もないゴミだらけになっちゃう。
(プラスチックは分解する生き物がいないから、海の上にプラスチックの浮き島ができるくらい、たまってるんです。ほんの数十年のあいだに。)
ただ、人間の生活にさわりがあるので、
「害虫、病原菌」と
嫌悪の色でイメージを塗られているだけなんだな、と。
そのこと自体も、人間が生き延びていくために選んできた戦略で、
「気持ち悪い虫だらけの悪臭のする環境でも微笑んで深呼吸して、悟りをひらこう」、
とか、そういうことじゃないです。
やなものは、いや。
それでいいと思うし、逆に体の五感を無視することは超不自然で、不健康だし。
ただ、頭から「悪の根源」みたいに思って、
この世界の全体の中でどんな役割をになっているか、とかを知らないまま、
人間だけの「清潔」「快適」を追求するのは
少々乱暴な気がします。
私は少々過激な人間なので
バランスをとれとか、偏るなとか、さんざん言われるけど、
そもそも「人間という生き物だけの幸福を追求した経済成長や快適な生活」とかベースに
バランスとか偏ってるとかを論じること自体が、
意味あんのかな、と思ってます。
発酵は人間にとって有益なものをもたらす菌の働きで、
同じ菌の増殖でも、有害菌の増殖を腐敗と呼びます。
どちらも分解者であることは、同じです。
顕微鏡もないずっと古い時代から、
人間は似た段階を経る発酵と腐敗を
五感をセンサーとすることで注意深くわけて、共存してきました。
私は、発酵と腐敗の違いがあんまりよくわかってないまま、
ここまで来てしまいましたが、
「いただきます2ここは発酵の楽園」の映画視聴と
(予告編だけでも楽しい。↓クリックすると見られます^_^)
と
「土と内臓」を読む
の二段階と今までの実践と失敗の経験で、ようやく、身の回りの発酵と腐敗の意味が理解できてきました。
今は
畑を発酵させたいし、
家庭の食事も発酵させて、
家族の身体も発酵させたい。
理解して取り組めば、
それがかなう立場の主婦業も、
いよいよ楽しくなってきました。
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