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おやすみいぬ

ひんやりおふとんが、あたたかくなるとき。
今夜もおやすみいぬがいるかもしれません。

ラジオ『おはなしのすずらん』です。
おうちにいる時間がもっと楽しく素敵になるような、心がほっこり柔らかくなるオリジナルのラジオドラマを作っています。
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Twitter:https://twitter.com/ohanashisuzuran


『おやすみいぬ』

おやすみいぬは、よる、ねむっている子のところにやってきます。

いぬってことは、ほえるの?
いいえ。
かおをぺろぺろなめるの?
いいえ。
うれしいと、しっぽをふるの?
それは、そうかもしれないね。

「う〜!さむ〜い!」
お外から帰ってきたら、よーく手を洗ってうがいして。
しっかりご飯を食べたら、あったかお風呂、きちんと歯みがき。

そのあとは、おやすみのじかんです。
まだまだ起きていたいけど、おやすみいぬは早く君に会いにいきたいみたい。
電気を消して、おふとんにはいろう。
でも、おふとんは、まだひんやりしています。
「ちべたいっ!」

あったかくなるまで、もう少し、目を閉じて、じーーーっ・・・

そうしていると、おやすみいぬがやって来ました。
そろーりそろーり、そーっときみに近づいて...
おふとんのうえ、足のうえに、
音もなく、ふわっととびのります。

おやすみいぬは、ほえません。
しずかに、まるくなっています。
きみが、そのままじーーー、っとしていると・・・

あ!なんだかおふとんが、あったかくなってきた。
そう、おやすみいぬは、ひんやりおふとんを、
いつもあっためてくれているのです。
じんわりじんわり、ふわふわふわふわ。ぬくぬく、ぬくぬく。

そうしているうちに、ゆめのなか。
そうしているうちに、あさがきた。

いっしょにねていたおやすみいぬは、そこにいません。
もう、おうちにかえってしまったようです。

おやすみいぬは、恥ずかしがりや。
かくれんぼが上手です。
だれにもすがたを見せないし、
つかまえることはできません。

だけど、きみのことがだいすき。
しずかにおふとんをあっために、
今夜もふわふわ、やってきます。

だから、ゆっくり、おやすみなさい。





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