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23『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』
#23 ガチで怒られたエピソード
ブログについてご本人から「僕のアレなことばっかりじゃなく、お前の失態を包み隠さず書け」という尤もな指摘を受けたため、今回は私がやらかした方を書いてフェアにしたいと思う。
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フォローいただきました
消火どころか「まじでこいつ何しに行ってんだよ」と再燃する危険はあるけど、事実は事実としてちゃんと書くべきなので書きます。
こんなことをしでかす人は居ないと思うけど、パーソナルを受ける方は他山の石として参考にしてほしいです。
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episode1 トレーニングウェア全忘れ
「なんでそんなもん忘れるの……」
これは怒られというより、怒りを通り越して完全に呆れていた。申し開きのしようがない。ジムに行くのにトレーニングウェアを忘れるアホが存在するほうがおかしい。
「あの、貸しウェアとかは」
「ないです。そんなもん、うちにはない。あるわけないでしょ」
時刻はすでに開始時間。滑落者が多数いる、異常な急勾配なのに手すりがない階段で絶望にくず折れる私に、まじでどうしようもない人間に向ける顔でため息がつかれた。
「……あのさ、近くにアピタあるからそこで買ってきて」
絶対こんな奴いないだろうと思ったら、たまにいるらしい。シューズを現地調達した猛者もいると聞いた。緊張のあまりあり得ないミスを犯す気持ち、すごいわかる。コンサータ飲め。
対策として、忘れた人はただちに『アピタ港店』(ジュラシックアカデミーから車で5分)に行き、2階のフィットネスウェアコーナーに向かってほしい。
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あと、駐車場が四方にあって停めた場所を忘れると大変なことになるので、絶対に忘れないようにしてほしい。私は一周した。
そして今回、万全を期して靴下とタオルを忘れた。終わっている。
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episode 2 目をつぶるな
皆さんは痛いとき、苦しいとき、集中するとき、思わず目をつぶってしまうことはないだろうか。私はある。というか癖になってる。熱湯に触れたら手を引っ込める反射に近い。だが、ここではそんなことは許されない。
「だからなんで目つぶるの? なに安らかな顔してんすか?」
レッグプレスで重圧に耐えながら唖然とした。待ってほしい。ここにきて安らかな気持ちになったことなど、一度もない。常に緊張か苦痛に苛まれている。
だが、本当に毎回欠かさず怒られ続けて何度言われても直らない「目をつぶる」という行為が、遂に逆鱗に触れた。
「見なくても出来るならいいよ。あなたトレーニングの達人ですか? めちゃくちゃ上手い人ですか? そうじゃないでしょ。何回も言ってますからねこれ、まじでさ」
「目と耳、視覚と聴覚は絶対にトレーニングに必要な要素で、見ずにトレーニングなんて出来ないんですよ。ただでさえ膝すぐグラつくのに、見なかったら余計ひどくなる。絶対に膝を見て。見続けて」
私はレッグプレスやスクワットで膝が安定しない。その要因の一つが、視線にあるという指摘だ。
「何回言っても直らないっていうことはさ、向上心がないからなんだよ。あなたには向上心をもっと持ってほしいの」
すごいショックを受けた。ここ年単位でこんなにショックを受けたことはない。私は向上心で生きてきたと言っても過言ではない。というかそれしかない。自分の根幹だと思っている部分を否定された。
「あと上向くのも意味ない。天井見ても何もない」
延々と続く叱責。ここまで言われてはもう反射だろうが本能だろうがやるしかない。
私は目を全力で見開いて、咄嗟に手を座面上部にやった。
「なんで上持つんですか。ワキ乾かしてるんですか?」
これは叱られ中に申し訳ないが笑った。言語のコンプライアンス基準が昭和すぎる。レモンチャンネルでもチャレンジしない領域だ。
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レバーより後方、座面を掴む。
私は確かに多汗だが、決してワキ汗を乾かそうとしたわけではなく、視線が一番安定する姿勢をとろうとしたのだ。
「下げた手を後ろに、胸を張る」。この姿勢をとると、まじで視線を前に保つのがキツい。背中が硬すぎるのか、顔が丸すぎるのか分からないけど、顔を正面に向けるのがそもそも辛い。
で、苦痛が積み重なると意識が持ってかれて、目をつぶるか天を仰ぐかしてしまう。それを避けようとしたら、予期せぬ方向から矢がとんできた次第だ。
ここまで意を決して挑んだ次セットだが、
「はい目つぶったからもう1回」
「はい、あと2」
「はい、全然余裕もう2回」
「はあ? 全然いけるが。はよやれ」
「すごいすね何回やる気すか?(訳: 最初からこのくらいやれ)」
と、かけられた言葉から想像してほしい醜態を晒した。本当に悔しかった。ちょっと涙出た。次回までに絶対に直す。
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episode3 セット中のよそ見
これは本当に不可抗力だった。でも事実、私の程度の低さが原因だ。
ラットプルダウンをしている最中、横切った人に一瞬目がいった。個人的にやむにやまれぬ事情があって一瞬見てしまった。
「なにしてんのまじで。なんで今、横見たの」
背後からすごい冷たい声がした。振り向くと、声以上に冷たい目がこっちを見ていた。
「たまにいるんですよね」
「セットやってる最中に、女の人通るとチラ見する人。僕、そういうときめちゃくちゃド叱るんですけど、あなたそれと同レベルですよ。その程度の集中力なんですよ。何考えてるんですか」
私は必死に事情を説明したが、「トレーニング中にトレーニング以外のことを考えること自体がありえない」という正論で叩き伏せられた。
私のフォロワーにはやりそうな人が何人か思い当たるので注意しておくと、まじでセット中は動作以外の何物も思考に入れてはいけない。本当に叱られる。
たとえ、すごいエロい美人が際どいウェアで通ってもダメだ。見るのはインターバル中にさりげなさを装った下手な動きで視界に入れて下さい。
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つくった模範例です
2秒以上見た人は予備軍
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以上、トレーニングについて特に怒られて「ここをちゃんと書け」と言われたことをまとめました。
私的な部分(生活態度や人生観、人間関係の作法やSNSのあり方など)はもっとめちゃくちゃ怒られてるんだけど、それはもう私のパーソナルに出くわして実際見てほしい。血の気が引くと思う。
念のため断っておくが、木澤さんは真剣だからこそ伝えようとしてくれているし、叱りの倍は笑わせてくれる。素で面白いのか、ネタで言ってるのか分かりかねる笑わせ方ではあるが、フォローもちゃんとしてくれる真っ直ぐですごく良い人だ。
たまに「怖すぎてパーソナルに行く勇気を無くした」というお便りをいただくが、多分わたしのトレーニングレベルがやばすぎるのと、メンタル的に挫折したり泣き出すようなタイプではないからここまで叱られてるだけで、標準はもう少しマイルドだと思う。多分。
炎上についてを期待していた読者には申し訳ない。別に釈明することはないし、今後も変わらないスタンスで続けていくということが結果だと思ってほしい。
今後も放逐されないように頑張りたいと思います。まじで身体中が痛くてロキソニンが効きません。こんな地獄が最安11,000円で味わえるの最高すぎる。ぜひまだの方は体験してみてください。僕は今日、たぶん寝れません。
#24へつづく
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