氷の世界は恐ろしく美しい 〜ペリトモレノ氷河トレッキング〜
どこまでも透き通った青に魅了されながら、氷の上を歩いた。
南米パタゴニア、ロス・グラシアレス国立公園には大きな氷河がある。ペリトモレノ氷河、旅が好きな人なら、聞いたことあるかもしれない。世界中の多くの氷河が小さくなっているなか、ペリトモレノ氷河は後退していない。先端は、高さ60mの氷の壁である。それは想像以上に青く、想像以上に美しい。
ペリトモレノ氷河では、氷河の上を歩くトレッキングツアーに参加した。ボートに乗り、1時間近く側道を歩いたら、いよいよ氷河の上である。アイゼンを付けて、氷の世界に足を踏み入れる。
氷河の上にはクレバスが沢山ある。クレバスとは、氷河が動く際にできる歪み、氷の裂け目だ。クレバスといえば、落ちたら大変、怖いというイメージだったけど、少し見方が変わった。
確かに氷河の上に雪が積もっていたら、隠れたクレバスは危険だろう。でも雪がない時は、はっきりと分かりやすい。(それでも危ないので、勿論ガイドツアー。)何メートルか分からない深い深いクレバスに、水が張っている。透き通った青のグラデーションが目の中に広がる。こんな青があるなんて。この世のものとは思えない。あまりにも神秘的だ。
氷河の上はボコボコしていて、まるで丘のよう。少しのアップダウンでも、慣れない重たいアイゼンが、想像以上に体力を奪う。途中でお昼休憩があった。私たちのグループは8人ほど。他のグループは視界からいなくなる。
360度氷の中、ただ一点だけを見つめる。どこまでも氷の世界が広がっている。周りが話している声が遠くになっていく。
ただ、氷があるだけの空間は、恐ろしく美しい。人間が踏み入れてはいけないような、そんな場所。3時間の氷河トレッキングは、究極の非日常を体験させてくれた。
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