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ゴリラさんの朝ごはん。

ここ1年、我が家の朝食は納豆ごはんが定番でした。

カリフォルニアで暮らしていますが、日本ブランドの納豆は、日本食スーパーで手に入れることができます。夫と私は1パックずつ、娘と息子は二人で1パック。毎日食べるので、たくさん買って、冷凍庫で保存しています。

朝ごはんの時間になると、私は3パックの納豆を冷凍庫から取り出します。ぱりぱりと蓋を外して、たれとからしを取り出して。1パックずつ電子レンジに入れたら、30%のパワーで60秒チン。

お味噌汁を作ったり、目玉焼きを添えることもありますが。基本的には納豆さえあれば、朝ごはんはみんなハッピー。用意も楽だし、栄養も取れるし。良いこと尽くめの朝納豆生活です。

ところが。

この愛すべきルーチンに、変化の時が訪れます。4歳の娘が、あんなに大好きだった納豆と突然の決別。「納豆じゃないのがいい」。じゃあ、何がいいのか?と聞いても、よくわからない。

その後はしばらく、朝ごはんが荒れていました。

「ドラえもんの暗記パンが食べたい」と言うので、朝からチョコを湯煎してそれっぽいものを作ったこともありますが。さすがに毎日チョコパンを食べさせるわけにもいかないし。

サンドイッチを作っても、食べたり、食べなかったり。白米+おかずにしても、いまいち。シリアルは食べるときもあるけど、あまり継続しない。ホットケーキも、ワッフルも試したけれど、カチッとはまって"定番"に昇格するような朝食が・・・ない?!

試行錯誤している間も、2歳の息子はずっと「なっとーごっはーん」。娘のために新たに取り入れた食材だって、ムダにはできませんから。朝から納豆ご飯にサンドウィッチ、ワッフル、それに卵も焼いて・・・。

これまで納豆ごはんだけ用意すればよかった朝食が、いつの間にか、たいへん手間がかかるようになってしまった。家族それぞれに別のメニューを作る日も増えて、ちょっとイライラが溜まっていたのかもしれません。

「朝ごはんは、りんごとみかんがいい!」と無邪気に言う娘に対して、私はついうっかり、酷いことを言ってしまったのです。

「ゴリラのご飯みたい」

・・・しまった!

まだ4歳の、プリンセスが大好きな娘に対して、「ゴリラみたい」だなんて。考える前に、言葉が口から滑って出てしまった。

やばい。

傷つけちゃったかも。

可哀想なことをしてしまった。

反省と後悔が頭を巡り、どうやってフォローしようかと考えながら、固まる私。ところが娘は、キラキラと目を輝かせてこう言ったのです。

「ゴリラんさんの朝ごはんって、フルーツなの?じゃあ、いちごも欲しい!りんごとみかんと、いちご3個!」

こうして、娘が大喜びする定番の朝食ができました。

名付けて、「ゴリラさんの朝ごはん」。

りんごの切り方にも、こだわりが。6個に切った果肉をふたたび芯にくっつけておくと、娘があとで"魔法"を使って、りんごをバラバラにします。

ヘルシーといえば、ヘルシー?

栄養のバランスは疑問ですが。ランチも夕飯も、モリモリと食べる娘なので、朝はこの内容で良いのかもしれません。なにより、彼女がまたハッピーに一日を始められるようになって、私もハッピーです。

納豆ごはん3つと、ゴリラさんの朝ごはん。
これが我が家の朝食の、新定番です。

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