ベビーカー・ミステリー
フーディーニといえば、「脱出王」の異名を持つ奇術師。
フーダニットといえば、「犯人当て」の謎解きミステリー。
そしてうちのベビーカーは、どこに消えたのか!?
というのが、今回の記事のテーマでございます。
我が家には4歳の娘と2歳の息子(先日誕生日を迎えました!パチパチ!)がいるのですが、ベビーカーが3台あります。
いえ。正しくは過去形の「3台あった」、でしょうか。
ベビーカー①は、新生児から使えるトラベルシステム。赤ちゃんをシートに乗せたまま、車に設置してある土台にはめればカーシートになるし、車輪に接続すればベビーカーにもなる、優れものです。
ベビーカー②は、兄家族からのおさがり。エアバギーというブランドで、重くて丈夫で、安定感抜群、ついでにお値段もお高め。メインで使いたい1台です。
ベビーカー③は、これまた兄家族からのおさがり。こちらはイギリス生まれのマクラーレンというブランドで、軽くて持ち運びに便利なタイプ。コンパクトなので、旅行にも最適です。
ベビーカー①は、もう使えません。1歳くらいで窮屈そうになり、そこから半年粘ってお役御免となりました。現在はガレージのどこかで、ホコリをかぶっています。
ベビーカー②は、10年間にわたり4人の子供たちを乗せ続けた結果、つい先日、惜しまれつつ引退しました。3輪のうち2輪がパンクし、シートはちぎれ、子供がいつボコンと地面に落ちるかもわからない状態。これまでよく頑張ってくれました。
そして我が家に残された、唯一機能するベビーカー③。
こいつが、忽然と姿を消したのです。
子供①がお昼寝したので、子供②も寝かせるため、ベビーカーに乗せてそこらへんをお散歩しようと思ったのですが・・・。
置いていたはずの玄関に、ベビーカーが見当たらないのです。
玄関脇の物入れを見ても、ない。
パティオにも、ない。
ガレージのどこかに隠れているのかな、と一縷の望みを持って捜索してみるも、気配すら感じない。
そうか、車のトランクに入れっぱなしだったかと思いきや、車①にも車②にも、ベビーカーの「べ」の字すら、ない。
はて。
ここでやっと夫に聞いてみることに。「ベビーカー知らない?」
すると、私と同じように玄関を見て、物入れを見て、パティオを見て、ガレージを見て、トランクを見て。
「おや?もしかして・・・」
「「なくした!?」」
そこから二人で一生懸命に記憶を辿るのですが、そもそもベビーカーをなくしたことに、ずっと気が付いていない二人です。
きちんとした推理など、できるはずがありません。
「最後に使ったの、いつだっけ?」
「はて。いつだろうね」
「もしかして、誕生日のパーティ用品を買いにいったとき?」
「あー、そのとき使ったかも。そんな気がする」
「どっちの子供が乗ってた?」
「なんか、両方とも乗ったり、降りたりしたっけ?」
「最終的には二人ともお店の中で歩いてなかった?」
「そうだね。そんな気もする」
「いつなくしたんだろう・・・」
「パーティグッズ屋さんに、置いてきたかな」
「それとも、駐車場で乗せ忘れたのか?」
「あー、あるある!ありそう!」
「荷物入れたり子供入れたり、忙しいもんね」
「それ以来、使ってないっけ?」
「うーん・・・。そもそものところに戻ったねぇ」
そこからも、ありとあらゆる可能性を探って二人で推理してみるのですが、行きつくところはひとつ。
「わからない!」
盗難も検討したのですが、これはあまり現実的ではありません。そもそも玄関のすぐ脇に置いてあるもの、盗みます???
仮に盗むガッツがあったとして、近所には素敵なベビーカーを持っている人がたくさん住んでいるのです。手垢にまみれたボロボロ軽量ベビーカーを、このコロナ時代に、わざわざ盗む人はいないでしょう。
こうして、事件は迷宮入りしたのでした。
お友達に事の顛末をお話したところ、
「あー、わかるわかる!駐車場とか怪しいよねー」
と共感していただけたのですが。
「わかる」だけで、実際に彼女は「なくしたことがある」わけではありません。そしてなんとなく、「この人マジでベビーカーなくしたの?」感が漂ってくるのは、気のせいでしょうか。
そんな彼女のご厚意で、「うちに使ってないベビーカーあるけど、いる?」と、1台譲っていただけることになったのでした。
そろそろベビーカーも卒業の年頃なので、新たに購入するのはためらわれる。そんなタイミングでボロボロベビーカーが、わりと新しめの中古ベビーカーに代わったのです。なんとラッキーなことでしょう!
物を失くすのも、悪いことばかりではないかもしれませんね。
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