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サイコパスは遺伝的要因、ソシオパスは環境的要因

他者の感情や権利を軽視し、人を欺く ―― 両者ともに「反社会性パーソナリティ障害」と分類されますが、明確な違いがあります。

発症原因、行動傾向、そして人間関係の3点で見てみましょう。


似ているようで違う「サイコパス」と「ソシオパス」


サイコパス、ソシオパスともに「反社会性パーソナリティ障害」に分類されますが、その発症原因や行動傾向、人間関係においては本質的な違いがあります。

まず、発症原因を見てみましょう。サイコパスは遺伝的要因や脳の構造に起因することが多いですが、ソシオパスは主に環境的要因による影響を受けます。例えば、虐待、過度のストレス、家庭環境の不安定さがソシオパスの原因とされています。

次に、行動傾向です。サイコパスは冷酷で計算的であり、他人を騙し、操ることがありますが、その行動はしばしば魅力的に映ることがあります。一方で、ソシオパスも他人への共感や良心の欠如があるものの、サイコパスと異なり、感情の爆発や暴力的な行動が多く、社会的な問題を引き起こすことがあります。

最後に、人間関係です。両者とも冷酷で共感性に欠け、自己中心的です。ただし、サイコパスは他人を利用する傾向がありますが、ソシオパスは後天的な要因ゆえに、サイコパスほどではなく、むしろ、同じ考えを持った個人や集団に愛着を抱くこともあります。


ケーススタディ:米国の恐るべき連続殺人犯たち


さて、サイコパスとソシオパスの違いを見てきました。

いずれも危険な存在として捉えられ、特異な心理プロファイルを理解するためにさまざまな研究が行われてきましたが、そのうち歴史に残るケーススタディをいくつかご紹介したいと思います。


1.  米国で最も有名な連続殺人犯、テッド・バンディ氏

アメリカを震撼させたテッド・バンディは、サイコパスの代表的なケースのひとつです。

1970年代、彼は30人以上の女性を殺害したとされていますが、一部の犯罪学者はその数を100人以上とも推測しています。また、彼は知的で魅力的な容姿を持っており、その振る舞いを通じてFBIの担当官ですら「親しみやすさに困惑した」とコメントしています。

彼の生涯についてはその後、「グレイテスト・ショーマン」などに出演した俳優、ザック・エフロン氏を主演として映画化もされています。


2.  キワー・クラウン(殺人ピエロ)の異名を持つ、ジョン・ウェイン・ゲイシー氏

ジョン・ウェイン・ゲイシーは「キワー・クラウン」(殺人ピエロ)としても知られる連続殺人犯です。

33人の犠牲者を出したにもかかわらず、彼は地元社会では模範的市民と見られていました。建設会社の経営者として成功し、地域の活動に参加し、さらに地域のパーティーやイベントなどでは子供たちに喜ばれるピエロの役を演じていました。

ただ、その犯行はなかなか表に知られず、長い間、その猟奇的かつ冷酷な犯罪は未解決のままで、容疑者として特定されないままでした。


これらのケーススタディは、ソシオパスやサイコパスがどのように行動し、社会にどのような影響を与えるかを具体的に示すものです。これらのケースは極例ではありますが、改めて「反社会性パーソナリティ障害」に対する理解を深めることが大切です。

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