『パンプキン』B級ゴアテイストの中に洗練された映像美を見出す。
汚染物質に侵された村を舞台にしたスラッシャー映画。
冒頭から緻密な描写が積み重ねられ、
村のイベントにおけるルネサンス「ベイウォッチ」風の演出や、
照明・スモークの巧みな使い方は、
B級ゴアテイストの中に洗練された映像美を見出す。
シナリオ、演出、芝居、いずれも高い技術が光る。
特に、スラッシュシーンは丁寧に作り込まれており、
その臭いも漂ってきそうなグロテスクな描写は、
マニアの評価も低くはないだろう。
しかし、その丁寧さが裏目に出たのか、
物語の展開はやや遅く感じる部分もある。
テレビのレポーターが村の闇に迫るも、
その描写は単なる伏線に留まり、
物語の広がりに繋がっていない。
スタートダッシュ、
またはそこのフックに耐える事ができれば、
中盤以降のスラッシュシーンの連続、
パンプキンの主観によるユニークで恐怖の演出、
そして監督・恋人・姉の3役を演じる女優の感情表現を中心とした小さなドラマなど、見どころは多い。
無線機を使った解決策など、小さなアイデアも光る。
キャスト、スタッフの今後に注目だ。