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No.518 小黒恵子氏の紹介記事-84 (自宅に童謡館)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 様々な新聞記事等をご紹介しています。今回は、新聞に掲載された小黒恵子童謡記念館開館関連の記事 をご紹介します。

愛と平和のために童謡館 
作詞家・小黒恵子さん 神奈川県川崎市に作る

「童謡で愛と平和を」 — 童謡の静かなブームが続く中、神奈川県川崎市に今月三十日、「小黒恵子童謡記念館」がオープン・八月三日から一般公開されます。「ニャニュニョのてんきよう」「ドラキュラのうた」などの作詞で知られる小黒恵子さんが、生まれ育った自宅を改造してつくったものです。昔のレコードや作曲家の手書きの楽譜など童謡関係の資料を展示したり、専属ピアニストの演奏会などを行う計画です。小黒さんは、「童謡を通じて、愛と平和を大切にする心を育ててほしい」と願っています。
豊富な楽譜・資料を」展示 蓄音機のレコード演奏も
「心の世界」を求めて 静かな「童謡ブーム」
童謡記念館は川崎市内の住宅地にあります。ケヤキやシイノキがしげる二千三百平方㍍の敷地にある、建築後一世紀以上たつ家を改造したものです。
一、 二階合わせて、展示室は二百三十一平方㍍。そこに七つのショーケースを置き、「赤い靴」
「カナリヤ」「雨ふりお月さん」などおなじみの七十八回転レコード、「野生の大地―アフリカの詩」「ふるさとは多摩川」などの組曲の楽譜や、大正時代の童話雑誌「赤い鳥」の復刻版など、童謡に関する資料を展示します。一階には、グランドピアノがあり、専属のピアニストが童謡を演奏します。また、手巻きの蓄音機でのレコード演奏をきくこともできます。
これらの資料は、小黒さんが自分で集めたり、童謡記念館計画を知った人が寄付してくれたものです。
小黒さんが童謡記念館をつくろうと思ったのは七年ほど前です。「みんな童謡をきいて育ってきたのに、あまり重要視されていないのが残念でならなかった」のです。
小黒さんは、三十年ほど前、竹内六郎さんの童画にうたれ、心に浮かんだものを形に残したくて、詩をかきはじめました。
童画の中には、自然が多くうたわれています。こどものころから、外で昆虫をとったり、動物と遊んだり、と自然の中で育った小黒さんには親しみやすいものでした。
ここ数年の「童謡ブーム」は、小黒さんが理事をつとめる日本童謡協会が一九八四年につくった「童謡の日」が火付け役になったといえます。こどもたちに童謡をうたってほしい、と七月一日を「童謡の日」に決めたのです。
一九八三年に教育・教材・童謡・童話という分野での新譜数が八百三十六曲だったものが、一九九〇年には千八十二曲にもふえています。
各地で開かれる合唱コンサートで童謡がうたわれることも目立って増えてきているといいます。また、童謡をうたうことを目的にした児童合唱団も誕生しています。
昨年最も多く童謡のレコードを出した日本コロムビアの学芸部宣伝グループの長島守明さんは「童謡は(だれでも知っているように)地盤がしっかりしているので、コンサートなどでうたわれることが多いのでしょう」と、童謡ブームの原因をみています。
「科学や経済的には満たされた世の中で、みんな心の世界を求めているんでしょうね」と、童謡ブームを分析する小黒さん。「つかれた時に来て自然の中で童謡のすばらしさに目をむけてほしい」と話しています。
◇小黒恵子童謡記念館 川崎市高津区諏訪111 ・東急新玉川線・二子新地駅から徒歩10分
◇開館 毎週土・日曜の午前11時-午後5時 (1月は休館)
◇入館料 おとな500円、こども200円
◇電話 044・833・9830

朝日小学生新聞 平成3年(1991年)7月16日

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、1992(平成4)年の紹介記事をご紹介します。(S)

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