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「家が散らかりすぎてイライラする問題」を夫婦で話し合ったら「開放区をつくる」ことになった話。

あれ、私、一日中片付けてる

「あぁ、片付けても片付けても家が片付かない。」
そりゃそうだ、私が片付けるスピードよりも子どもたちが散らかすスピードの方が速い。5才と3才のわんぱく男子ふたり。10分もあればあっという間にリビング中におもちゃが散らかる。

子供が自分で片付けるようにすればいいのはわかっている。けれどそれは言葉でいうほど簡単なことではなく(うちの場合は。)、
「片付けないとおもちゃなくなっちゃうよ。」
「一緒に片付けてみよう。」
「……もう、散らかってるの全部捨てるからね!」
といろんな声がけをしてみたが、
・へらへら笑って逃げていく
・無視する
・「片付けやだ!」と正面から拒否する
などいろんなパターンで対抗してくる。

そしてイライラする私。ビビる家族(笑)。とにかくこの状態から抜け出したい!
そんな時、ちょうどグリーンズの「いかしあうつながりデザインカード」が届いたので、使ってみた。

実際に使ってみた。

子供を寝かしつけ夫婦ふたりでスタート。まずは今回の話し合いの目的の設定。今回は「家族みんなにとってハッピーな解決法を探り出す」に決定。
その後下記の流れで進めた。
**
①解決したい問題を掲げる
②その問題を解決してどうなりたいのか、自分たちのニーズをあげる
③自分たちの資源を書き出す(マインドマップがおすすめ!)
④原則カードを見ながら、資源をつないで解決策を生み出す。**

①解決したい問題を掲げる

これは前述の通り。「家が散らかりすぎて私がイライラする問題」。

②その問題を解決してどうなりたいのか、自分たちのニーズをあげる

この問題を解決した後、どうなっていたいのか。なぜこの問題を解決したいのか。自分は何を望んでいるのか。
自分の気持ちに一番近いカードをニーズカードの中から選ぶ。

左が私。右が夫。
この時点で、既にお互いが求めていたものが違っていた。だから今まで話し合ってもすれ違っていたということに気づいた。これだけでもすごい収穫。

私は「共感(夫婦で協力して片付けたい)」と「生き残ること(そうじゃないと忙しすぎてキャパオーバーで倒れる)」。
夫は「休息(家では休みたい)」と「自由(片付けるじゃなくてもっと自由な発想で解決したい)」。

どうでしょう。全然違う。
一緒に協力して片付ける」という私のニーズを押し付けることは、「休息」という夫のニーズを犯していることになるのか、と認識。
お互いのニーズを理解した上で、両方を満たすような解決策を見つけることにする。

③自分たちの資源を書き出す(マインドマップがおすすめ!)

次は資本カードを使って、自分たちが持っている資源を書き出す。資本には9種類ある。生命資本、金融資本、知的資本、文化資本、物的資本、社会資本、経験資本、精神資本、余裕資本

普通に書き出すと「家」「お金」などの金融資本、物的資本が上がりやすいけれど、「子どもたちのわんぱくエネルギー」や「片付けるのめんどくさい!」という気持ちも立派な資本。他、「自分たち(の健康な体)」という当たり前すぎて気づかないものを意識するのがポイント。

とにかくここで思いつくまま、数多くの資源を出していく。

我が家で面白かったのは「余裕資本(時間の余裕、心の余裕、隙間)」に、思わず「ほしい!!」と書いたこと。切望。

はい、余裕を手に入れるためにこの話し合いをしています。

④原則カードを見ながら、資源をつないで解決策を生み出す。

資源を一通り出し終わったら、原則カードの登場。この原則を使って、ニーズを満たすように、資源を組み合わせる。

例えば「多機能性をもたせる」。

子供の遊びに多機能性をもたせるとしたら、、、

「わかった!庭の蚊を子どもたちに退治させればいいよ。遊びにもなるし、蚊も減って一石二鳥!」

「え、、、それは子どもたちが蚊にくわれまくって、とびひになるから却下(笑)人だとどうかな。親に遊びに来てもらう。親は孫に会えて嬉しいし、子どもたちは遊んでもらえて嬉しいし、私達は休めて嬉しい。一つの行為が3つの機能を持っている。でも今コロナだから、人と会う系は無理だよね。ここ塞がれたのはきついなぁ。」

「じゃあ次のカード。うまくエネルギーを貯めて循環させるはどう?」

「これさぁ、子どもたちのエネルギーってすごいよね。だからオレら疲れるんだけど。発散させておしまいじゃなくて、もっと活かせたらいいよね。クリエイティビティも。」

「確かに…!そうだね。」

ここで私は気付いた。
作りかけのブロック、積みかけの積み木。もう保育園に行く時間だから、というこちらの事情で子どもの遊びを中断することを少し「嫌だな」と思っていたこと。それは、なんだか子供の創造力を途中でストップしてリセットしているような感覚。

そもそも彼らからしたら、散らかしてるのではない。ただ遊んでいるのだ。

そう。子供たちの行動を「問題」と捉えているのは私だ。ここで3枚目のカード「問題は解決そのものだ」が頭をよぎる。

「子どもたちがエネルギーにあふれている⇒家が散らかる⇒私がイライラする」という今の状態を、どう活かせるだろう。

そしてもう一つ。保育園にお迎えに行くと、とーーーっても嬉しそうに「これ作ったの!」と見せてくれる工作も、しまう場所がないからと、ある程度たまったらこっそり捨てているのにも罪悪感があった。

「子どもたちのわんぱくエネルギーや創造力がいかされて、それで何か生み出されたら最高だね。形じゃなくても学びが生まれるとか。それってどうしたらできるかな。」

ここで4枚目のカード「最小の変化で最大の効果を」。めんどくさがりなので、この問題解決のために、新たに何か作ったりはしたくない。そもそも忙しさから抜け出すために話し合っているので、これで作業が増えるのは違う。

ちょっと変えるだけで、がらっと変わるもの。

エネルギーを貯めるには、遊び続けられる場所が必要だ。

我が家には、広い家がある。

「わかった!和室を子供たちの場所にして、そこは片付けなくていいことにしたら!?そしたら遊び続けられるし、何日がかけてブロックで街とか作ったりもできるよ。」

「確かに!でも和室は私が集中して仕事する場所だから散らかってたら気になる。リビングの芝生のスペースはどう?」

「いいね。じゃあそうしよう。」

リビングの端にDIYで作った芝生のスペース。そこを「開放区」にすることにした。芝生のスペースは遊び場兼おもちゃの置き場となり多機能性を持った。

したことは、ここを開放区にすると決めて、子供たちに伝えただけ。

翌朝子供達に伝えると「やったーー!!」と大喜びで押し入れから全てのおもちゃを芝生に出して、早速遊び始めた。

芝生の外に転がったおもちゃも、芝生の上にはすぐ戻してくれる。きっと「片付けて」よりも簡単だからだと思う。

散らかっているスペースが区切られたことで、私のストレスも減り、それよりも子供の遊びを中断しなくていいこと、工作を捨てなくていいことへの喜びを感じている。

今日の芝生の様子。
廃材を使って、滑り台を作り、クルマを滑らせて遊んでいる。

ここまでの話し合いをまとめる。

私の「共感」「生き残ること」夫の「休息」「自由」のニーズを満たすために、

・子供たちのわんぱくエネルギー
・子供たちの創造力
・広いリビング
・おもちゃ(ちらかる原因でもある。)
・リノベーション(DIY)経験
・遊びを中断させたくない気持ち

という資源を

「多機能性を持たせる」
「うまくエネルギーを貯めて循環させる」
「問題は解決そのものだ」
「最小の変化で最大の効果を」

を使い、組み合わせることで

『リビングに開放区をつくる!!』
というアイディアが生み出された。

話しあう前は「どう効率的に片付けるか」を考えていたが、「片付けない」という結果になったことに驚いている。

自分では思いつかない解決策がみつかるのも、このカードのすごいところ。

課題を解決するのではなく、課題が課題じゃなくなる。それは最強かもしれない。

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