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文化の日に上野のミュージアムに行った話

前回の投稿からあまりにも日が空いてしまいました。
この間、家を買い、上司に退職の話をし、転居が完了し、現職の最終出勤日を迎える、という様々なことがあったのですが…これらは後日書くとして、まずは最新の話題だけ。

本日は2022年11月4日なので、昨日は祝日「文化の日」でした。
私は上京するまで知らなかったのですが、関東圏には文化の日に無料で常設展を楽しめるミュージアムがいくつかあり、そのうち三つは上野恩賜公園にあります。(企画展はいずれも有料なのでご注意ください。また、関西圏では別途「関西文化の日」が設定されています。)

というわけで、今回は文化の日の上野のリポートを皆さんにお届けします。(来年以降に行く際のご参考にどうぞ!)

今回訪れた三つのミュージアム

1. 国立科学博物館

旗が全くはためかない、穏やかな小春日和

昨年度(2021年度)に引き続き、科学博物館は今回も感染症対策として事前の入館予約が必要でしたが、その分スムーズに入館。(無料観覧日の入館予約は埋まりやすいので余裕をもってする必要があります
来館者はやはり小さなお子さんを連れたファミリー層が中心で、全体的に賑やかでした。

無料観覧できるのは地球館(地下3階〜地上3階+屋上)と日本館(1階〜3階)という広い面積。ぐるっと周ると健康な大人でもそれなりに疲れるので、お子さんやご高齢の方と一緒に行く場合は科学博物館の公式ウェブサイトでどこを特に見たいか事前にチェックしておくと無難かも。

特に希望がなければ、恐竜や古代生物の標本が勢ぞろいしている地球館の地下1階・地下2階に疲れないうちに行くといいかもしれません。これだけ大きな骨たちに囲まれる機会はそうありません!(「怖い」と泣き叫ぶお子さんもいらっしゃいました)

巨大な魚竜骨格にも出会える

また、屋上にはパラソル付のテーブルがあり、天気のよかったこの日は自作弁当や駅弁などを楽しむ場になっていました。上野公園内はベンチが少ないので、ここは穴場ですね。

スカイツリーも見える

そしてミュージアムショップも必見です。
「なにこれ!」と思わず手に取りたくなるような、絶妙なセンスを放つものが多く(ミトコンドリアのような微生物が愛らしく刺繍された靴下とか、ほんわかした絵で自然界の厳しい食物連鎖が描かれたマスキングテープとか…)、ついつい心をくすぐられます。

最後に少しだけ難点を言うと、展示品数は多いものの、個々の展示品の説明が少ない印象を受けました。大人の私が見ても「あれは何?」「これはどういう仕組みなの?」と疑問が残るものが多く、人によっては理解できないものが多くて飽きるかもしれません。
実は元々音声ガイドの貸出も行っているようなのですが、現在は感染症対策で休止中。かといって、説明をしてくれるようなスタッフの方も(ぱっと見た限り)いません。

スマートフォンがあれば説明文を端末画面で表示させられるようでしたが、せっかく展示品が目の前にあるのに端末上の文字を追うのは個人的にはもったいない気持ちになります。せめて、説明文の読み上げ機能があればな…と思いました。

2. 東京国立博物館

イチョウも見頃

東京国立博物館は2020年4月から総合文化展(所謂「常設展」のような展示)のチケット料金を620円から1000円に値上げしていますが、それでも文化の日は完全無料になります。

全体的に科学館よりも落ち着いた雰囲気があり、展示品の幅も広く会話のネタに困らないので、個人的には社会人あるいは夫婦二人のデートなどにおすすめです。

なお、昨年度は国立科学館同様事前の入館予約が必要でしたが、2022年度より予約不要となりました。文化の日は所定のゲートから入ればいいだけで、するすると敷地内へ。

時間に余裕があるときは、まずは本館に向かうことをおすすめします。
本館では教科書で見たような土器や埴輪の展示はもちろん、水墨画や茶器などの「禅」や「わびさび」を感じるもの、甲冑や刀などの武士文化に関わるもの、そして浮世絵など江戸らしい展示があり、誰が来てもどこかしらに興味を持てることでしょう。

もし来た時間が15時近くになっていれば、先に庭園散策をすることをおすすめします。(本館は見どころが多いので、うかうかしていると庭園開放時間が終わってしまいます)
都内に住んでいる人であれば、ぶらぶらするだけでも緑に心癒されます。

また、「建築」という大きな作品をぶらりと見るというスタイルもありです。(博物館公式のおすすめルートはこちら

今年は文化の日に三つのミュージアムを巡りましたが、もし一つだけ選べと言われたら私は東京国立博物館一択です!

3. 国立西洋美術館

紅葉の中の「地獄の門」
(真ん中で腕組みをしている人物像が「考える人」)

国立西洋美術館は事前予約不要ですが、必ず受付カウンターで無料観覧チケットを受け取る必要があります。そのため少々並びます。
私は16時ごろと遅めに並びましたが、その時点でもざっと60人ほどが並んでおり、チケットの受け取りには10分程度かかりました。おそらく午前中から昼過ぎにかけてはもっと並ぶと予想されます。天井があるところで待てる訳ではないので、場合によっては日傘などを準備しておいた方がよさそうです。

国立科学博物館や東京国立博物館に比べると展示面積はぐっと小さくなりますが、中世ごろから近代の作品までバランスよく収蔵している国立西洋美術館は、西洋美術に興味がある人であれば誰でもおすすめできます。
また、前の二つのミュージアムは17時閉館ですが、ここは17時半閉館で、少しだけ閉館時間が遅いので、私のように文化の日に複数のミュージアムに行くならここを最後に回した方がよいです。(そして上野駅から近いのもいいところ!)

ミュージアム巡りの総括

今年の文化の日は快晴のお出かけ日和となり、事前予約が不要となっていた東京国立博物館や国立西洋美術館は混雑を懸念していましたが、実際には気になる程各館の密度は高くありませんでした

ただし、問題は昼食の場所です。
ミュージアムは上野恩賜公園内にあるため「歩いて数分の食事場所」は限られていることから、どこも混み合います。(ランチ時間後はカフェも混み合います。公園内のスタバの前を14時半〜15時ごろに横切りましたが、100人くらい並んでいました….!)
来られる方は、予約をしておく、早いor遅い時間に昼食をとる、自作弁当や駅弁を公園で食べる、などの対策を予め考えておくことを強くおすすめします。

また、各ミュージアムの観覧にかかる時間ですが、全体を見るなら国立科学博物館と国立博物館は3時間、国立西洋美術館は1時間半くらいは確保しておくとよいと思います。

なお、今回訪れた三つのミュージアムにはどこも満足しているのですが、国立科学博物館について言えば、①大型の模型・標本・実験器具の展示が中心で展示品の入れ替えが多くないと予想される、②展示品の説明が少ないなか音声ガイダンスは貸出休止中、の二点から、暫くは行かなくてもいいかな…というのが正直な気持ちです。(でも展示品自体は見応えがあるので、一度は行ってみることをおすすめしますし、何度も行きたいという人だってもちろんいると思います)

一方、東京国立博物館と国立西洋美術館はこれまでも何度か訪れていますが、定期的に展示品が替わり、さらに美術作品は詳細な解説がなくても自由に想像して楽しめるので見飽きません。
「前にも行ったからな〜」なんて思わず、一足伸ばしてみる価値はありますよ!

以上、誰かの参考になりますように…。

国立西洋美術館敷地にて(月・東京文化会館・考える人)




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