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「相次ぐジャニーズ退所」から考える、組織マネジメント

先日、元NEWSの手越くん(敬意を込めて、敢えて「くん」付にさせていただきます)がジャニーズ退所の会見を開いたと思ったら、つい先日、今度はTOKIOの長瀬くんが脱退を発表。昨年2019年1月には、嵐の大野くんも、ジャニーズからの脱退を表明し、大きな話題となりました。

日本を代表するアイドル事務所「ジャニーズ」から、次々と「エース級メンバー」が脱退(あるいは脱退表明)していることは、様々な報道番組でも大きく取り上げられていますが、これは一般企業においても起こりうる問題です。

「あんなに頑張っていた社員がなぜ突然…?」
「これから管理職を全うしてもらおうと思っていたのに…」

など、期待していた社員が突然退職してしまうというケースは時折見受けられます。
大切なメンバーを失うことで、組織として成長する機会を損失してしまうことは避けるべき事態です。

今回は、「ジャニーズ事務所」の出来事をもとに、適切な組織マネジメントについて、もう少し深く掘り下げて考えていきます。


結婚NGは、組織マネジメントとしてどうなのか


この相次ぐジャニーズ退所騒動に関して、OGSとしては以下のポイントが懸念点として考えます。
それは、「時代や時流の変化に組織ルールを適用できているか」ということです。

皆さんもご存知かと思いますが、ジャニーズ事務所は、他の事務所よりもかなり厳しい制約やルールを所属タレントに課しています。もちろんそれは「ファンを大切にするため」という大義名分が前提になっているのでしょうが、それにしても客観的に見て厳しい制約だと感じる部分は多々あります。

例えば、「結婚NG」と言う不文律ー。

「結婚するなら、ジャニーズを退所してから」
と、故ジャニー氏はしばしば口にしていたようです。
ほかにも、
ファンサービスとしてのサインや写真撮影の禁止
各種SNSでの情報発信の禁止(昨年やっと解禁になりました)
Web上での画像掲載禁止
イベント開催時のNGルール
など、挙げていけばきりがないほど、沢山のルールや制約を設けています。

しかし、これらは事業運営を進めていくにあたって、きちんとした意図・意味があるとも考えられます。
肖像権の問題やアイドルとしてのブランドイメージの保持、そして、ファンクラブに入会しているファンに対する敬意や、周りにいる一般の方々に対する配慮など、厳しい制約の背景には様々な意図があるはずですし、それは非常に理解ができます。
また、事業運営においてルールが明確にあるからこそ、トラブル回避やスムーズな事業運営ができ、そして顧客(ファンやメディア関係者)への提供価値が高まるという側面も考えられるのです。

そのため、この一見厳しすぎる(?)と感じるルールや制約を、安易に否定してしまうのはあまりにも稚拙ですし賢明ではありません。

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時流に合わせた組織マネジメントの重要性

しかしながら、OGSでは
「時代や時流は常に変化し続けている」
という点を、常に念頭に置く必要があると考えています。

現代社会においては、個人の表現する手段であったり選択肢というものが大きく拡充されました。それに伴って、個々人の価値観や働き方、組織との関係性(主従関係)も大きく変わりつつあります。

刻一刻と時流や価値観が変化しているにも関わらず、組織がいつまでも内側を向き、伝統や慣習に囚われたルールや制約を保持し続けていた場合、果たしてその組織の価値は高まっていくでしょうか?そして、その組織に属しているメンバーは、自分の組織に対して価値を感じるのでしょうか?


アイドルの場合も同じで、ファンの在り方や価値観も、その時代や時流に乗って、昔から大きく変わっているはずです。
たとえアイドルが結婚したとしても、本当のファン、本物のファンであれば、それを否定したりはしないですし、それでファンをやめるのであれば、そんな偽物ファンはそもそも必要なのか?と問わなければいけません。

また、アイドルがSNSで情報発信したからといって、一概にアイドルの希少価値が損なわれたり、アイドルとの距離感が近くなりすぎたりはしないのではないかとも推測します。
むしろ、現代のさまざまな情報網を駆使し、多方向からの情報配信をした方が、多くのファンを獲得できるかもしれません。ファンクラブに関しても、それに応じた付加価値はいくらでも付けられるはずです。


"靭やかさ"のある組織へ

先ほども述べましたが、組織運営において、明確なルールは必須です。しかし、そのルールを決める際に、一定の「靭やかさ」がセットされていなければ、そこに属する人財は価値を見出せなくなり、組織からの離脱を決意しかねません。

これからの時代は、圧倒的なスピード感で「個人」がフォーカスされる時代に突入していきます。
循環型経営のOGSでは、この流れを踏まえて「組織から個人」に焦点を当て、個人がいかに組織に対して価値を見出せるかについて注力したマネジメントが必要になると考えます。

せっかく成長してきたメンバーを手放さないためにも、この「組織と個人」の関係性を適正に構築し、個人をいかに引き留められるかが、魅力ある組織づくりには必要になってきます。そのためにも「靭やかさ」のある組織マネジメントを意識することがポイントです。

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「靭やかなヒエラルキー型組織」が勝利を収める

今回は、ジャニーズ事務所を例に挙げて「組織づくり」を考えてみました。
一生懸命育ててきた人財が、さまざまな経験を積み、これからだというタイミングで離脱してしまうことになっては、本末転倒です。
ジャニーズ自体がヒエラルキー型の組織でトップダウンであることは推察されますが、そこに、「時流に合わせた個人への価値提供」を行うことで、より靭やかさのある組織へと進化するのではないでしょうか。

時流に乗り遅れることなく、変化に対して靭やかな対応ができる組織こそが、より強い組織を創り出せるはずです。


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