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🏍【 GPレポート 】🏁\ムジェロの0.09秒!/-2024Rd.7🇮🇹イタリアGP

前週開催されたスペイン・カタルーニャGPからわずか5日後、MotoGPサーカスはイタリア北西部トスカーナ州の渓谷に位置する、美しく壮大でテクニカルなムジェロで再びヨーロッパラウンドの幕を開けた。

日曜には8万人を超えるファンが世界のトップステージに立つライダーたちを目の前で追いかけ、週末全体を含めると熱心なオーディエンスは15万6000人以上に達した。昨年から始まったスプリントレースは功を奏し、ムジェロに詰めかけたファンの数は例年よりも明らかに多く、まさに今シーズン前半のクライマックスを迎えているようだ。

https://www.mugellocircuit.it/en/

舞台となるムジェロ・サーキットは、GP最長クラス1,1kmのストレートを持つ。プレミアムクラスの最高速はじつに360km/hをこえ、第1コーナーではフルブレーキング合戦だ。さらに丘陵地帯に位置するコースのためアップダウンが多く、コース後半には、下りながら進入する「アラビアータ ウノ」、出口が急激な登り勾配、しかもブラインドの「アラビアータ デュエ」と呼ばれるテクニカルな連続コーナーをライダーたちが駆け抜けていく。抜きどころ見どころの多いコースだ。

土曜は晴れ時々曇り、気温23℃、路面温度47℃のもと予選とプレミアムクラス・スプリントレースが行われた。日曜も同様の好天、路面温度は38℃のもと各クラス決勝が行われたが、Moto3クラスレース序盤の赤旗によって中断があり、その後に行われたMoto3、Moto2ともに予定周回数が短縮された。そのためライダーたちはタイヤマネージメントをあまり意識することなく、全力を出し切るスプリントレースとなった。


🏁《MotoGPクラス》
\ポイント圏内でフィニッシュ/

🇪🇸Aleix Espargaro🏍41

アレイシ・エスパルガロ選手
(スペイン🇪🇸/Aprilia Racing🏍41)
🕐予選9位 🏆スプリント 9位 🏆ロングレース 11位
👑ランキング8位/82P

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MotoGPライダーにとって最高の週末とはならなかった。彼のスタイルはGPサーカスの住人から“オールドスクール”と呼ばれ、ここムジェロで繰り返される高速の切り返しについては、他のマシンやライダーに少しアドバンテージをとられていて、フロントローにはなかなか及ばない…といったところ。

🎤アレイシ選手🏍41のコメント

(土曜:スプリントレース 9位)
「今日は調子が悪かった。正直に言うと、僕はムジェロでの走りはなかなか結果に結びつかないんだ。そもそも僕のライディングスタイルはマシンの上であまり動かないんだよ。だからここの高速での切り返しにかなり苦しんだ。それは事実だ。」

🇪🇸Aleix Espargaro🏍41

アレイシ選手はムジェロが自分にとって快適なコースではないと認めたが、最善の結果を目指し決してあきらめはしない。

(日曜:レース 11位)
「内側から見たレースも(みんなが僕を)外側から見ているのと同じくらい、退屈だったよ。ただはじけ飛んだだけさ。最後の数周は、腕がもう限界だった。あと1ラップしなければならなかったら、おそらくリタイアしていただろう。バイクを動かすことができなかった。ウイングを増やし続け、ダウンフォースを増やし続けているが、人間の体には限界がある。マシンの問題ではなく、レースがどんどん増えていること、そしてモンメロ(前回レースのこと)や今回のように、レースが連続していることが問題なんだ…。」

疲労困憊、といった表情で語ったアレイシ選手だったが、なんとか両レースともポイント圏内でチェッカーを受けている。 ランキングもひとつ順位を落とすこととなってしまったが、次戦以降の巻き返しに期待したい。



🏁《Moto2クラス》
\初めてのドゥー・ノット・フィニッシュ/

🇪🇸Jeremy Alcoba🏍52

ジェレミー・アルコバ選手
(スペイン🇪🇸/Correos Prepago Yamaha VR46 Team 🏍52)
🕐予選11位  🏆決勝 DNF
👑ランキング9位/43P

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予選Q1トップでQ2に進出したMoto2ライダーのジェレミー・アルコバ選手。11番手グリッドからスタートした決勝は、4周目に他のライダーと順位を争って転倒。そのままリタイヤを余儀なくされてしまう。

この転倒についてレースディレクションのチェックが入り、結果、ライダー#54を巻き込む転倒を引き起こした際の“無責任なライディング”という裁定が下されてしまった。WCH規則第1条21.2の違反である。このため、アルコバ選手にはロングラップペナルティが課せられ、次のオランダGPのレースで消化しなくてはならなくなった。

🇪🇸Jeremy Alcoba🏍52

🎤ジェレミー・アルコバ選手🏍52のコメント

「(周回数短縮による)スプリントタイプのレースになって、スタートはまあまあうまくいき、ポジションをキープできた。その後、前のライダーより速いと感じた瞬間があった。最初の周回でそれを感じたから、アタックしたかったし、ポテンシャルもあったし、マシンも完璧だった。(今日はいけると)興奮しすぎて少し焦ってしまい、他のライダーと接触して転倒してしまった。

どう説明していいかわからない。前のライダーを抜こうとしていたのに、他のライダーに突然抜かれてしまった。前を追い抜こうとしていたのに、もう1人ライダーが目の前に現れたんだ。その後、お互い並行してブレーキング、どちらが奥まで突っ込むのか、まるで決闘のような状況になった。どちらもブレーキングに入らない、いい勝負だった。僕は彼にぶつからないように、クラッシュしないように考えながら、ブレーキングを限界まで遅らせたかった。彼が少し間隔を詰めてきた。僕はとうとうバイクを止めるところがなくなって、転倒してしまったんだ…。チームは素晴らしい仕事をしてくれていただけに残念だが、その一方で、今回のことが次のレースへのモチベーションを、より高めてくれた」。

開幕から全戦ポイント圏内をキープしていたジェレミー選手だったが、7戦目にして初めてノーポイントに終わってしまった。結果が上がってきているだけに、今回の悔しさを次戦にぶつけてもらいたい。


🏁《Moto3クラス》
\ロングストレート、スリップもわずかに及ばず/

🇳🇱Collin Veijer🏍95

コリン・ファイヤー選手
(オランダ🇳🇱/Liqui Moly Husqvarna Intact GP 🏍95)
🕐予選4位  🏆決勝 2位
👑ランキング3位🥉/95P

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土曜の予選で4番手、フロントローを獲得したコリン選手。Moto3クラスのオランダ人ライダーは素晴らしいパフォーマンスを見せ、最終ラップまで優勝争いを繰り広げた。最終的にチェッカーを受け2位となった。最初のスタートから赤旗が提示されるまでの周回で、ファイヤーはすでに力強い走りを見せていた。11周に短縮され再開したレース2でも、脚本に大きな変化はなかった。

🎤コリン・ファイヤー選手🏍95のコメント

「リードしているときも、レースを通してフィーリングが良かった。一時は集団の後ろにいたんだけど、わりとついて行くことができた。ただし前に出て攻めていかなければ、トップがいなくなってしまうことは明らかだった。結局、遅すぎたんだ。最終ラップでデビッド(アロンソ)に追いつくことができたけれど、次回はもう少し彼を悩ませないと! いいレースができたことは間違いないよ」

最終ラップの逆転に期待がかかったが、最後のストレート、スリップストリームから出てフィニッシュラインを通過したときは、トップ差じつに0.09秒。わずかに及ばなかった。ただポイント20を加算し、ランキング2位を走るダニエル・オルガド選手に11ポイントと迫っている。


グランプリは中央アジア全土で大規模な洪水が発生したことからカザフスタンGPがキャンセル、後半に延期されることとなった。6月末にTTアッセンで開催されるオランダGPが第8戦として開催されるまでインターバルを挟むことになった。まだ前半戦の途中だが、この機会に選手たちに感謝の気持ちを伝えるとともに、この休暇中に体力を回復し、気力をフル充電し万全の状態でサーキットに戻ってくることを願う。またオランダは調子を上げている期待のコリン選手の母国GPとなる。MotoGP唯一のオランダ人ライダーだけに、大いなる盛りあがりに期待したい。

(MotoGP™ 第8戦オランダGP🇳🇱6/28-6/30)#DutchGP

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