🏍【海外レースレポート】CIVイタリア🇮🇹まだまだ勉強の第3戦

2022年7月13日 11:17

　オージーケーカブトはオートバイ用／自転車用ヘルメットのメーカーです。各ジャンルの競技で活躍するライダー、アスリート、個人やチームにヘルメットをサポートしています。いまKabutoが応援する、各シーンで頑張っている「人」を通じて、競技や選手を知っていただきたく、本人によるレポートやコラムなどを掲載していきたいと思います！

　今回は、若干19歳、単身イタリア🇮🇹でオートバイレースの選手権にチャレンジを始めた元生徒会長ライダーの川﨑祥吾選手による4回目のレポートをお届けします！
（▼第1回自己紹介編）

みなさんこんにちは！川﨑祥吾です。
今回はイタリア選手権第3戦のレースレポートです！
その前にまたプチ情報を。

📓普段の生活と僕のマシンについて

普段の僕の生活なのですが、午前中はイタリア語学校の授業があって、午後はジムにトレーニング。平日は基本的にこの流れで、忙しい毎日を送らせてもらっています。

休みの日は自転車で山を登ったり、日本の友達と通話をしながらゲームをしたり、推しのアイドルを眺めてニコニコしたり。自転車で走ると、イタリアは基本的に道が荒いので（荒れててもあんまり直さないので）長時間自転車に乗っているとお尻が痛くなってきます。サイクルヘルメットももちろんKabutoです。

MTBはアメリカのHEADに乗ってます。自転車用ヘルメットはフラッグシップ「IZANAGI」。軽くて通気も良く、快適性抜群です。

そんな僕のマシン（オートバイの話に戻ります）はYAMAHA R6。まだまだ発展途上です。僕は身長がちっちゃくて、普通のポジションだとまず脚でしっかり踏ん張れないので、シートやステップなどは各スポンサーさんに協力していただいてオリジナルのものを使っています。わがままボディだとポジション合わせからちょっと大変です。ただR6のマシン特性としては体格にかかわらず動かしやすいので、この身長と体重のコンパクトさを活かし、全てのアクションを流れるようなリズミカルな動作とともに走れるよう、セッティングを詰めていきたいと思っています。

ステップはK&Tの僕専用一点物。これで足回りのポジションはバッチリ👍🏻 滑りにくさ、整備性も抜群！

🏍第3戦は中高速のムジェロ・サーキット

さて、迎えた第3戦はムジェロ・サーキット*。イタリアをブーツでいうと膝頭の少し下あたりのトスカーナ州にあります。めちゃめちゃ直線が長いサーキットです。山の中にあるので高低差がとても多く、登りながら、下りながらのコーナーがほとんどです。

ムジェロ・サーキットのピットロードを撮ってみました。プラットフォームは真っ赤です
＊丘陵地帯の地形を活かした高低差約41m、15コーナー、切り返しが多く1km以上のメインストレートを持つ、中高速のテクニカルコース。MotoGPクラスでは最高速度は340km/h以上にもなる。

前回、第2戦では、流れを崩してしまって悔しさいっぱいでした。次こそはと鼻息を荒くして挑んだ今回、でした、が…。（第1戦、第2戦のレポートは最下部にリンクあり）木曜日の走行、1本目でさっそく、転倒…。

🏍すでに怪しい?! フリー走行からの、予選

この時点ですでに雲行きが怪しいのですが、データを見てもライダーの過失はないとテレメトリスタ（データ分析をする人）に言われるような不思議な転び方。のっけからなんだよ〜って感じです。その後、コースを熟知する速いライダーを追いかける作戦に。ところがムジェロはコースがとても大きくて、集団を狙ってコースインすることが難しいんです。結局、上手くいかないまま木曜日が終了。フラストレーションが溜まってしまい「このままではまずい」と、走行後にメカニックたちとミーティングを開き、現状の問題点についていつもよりしっかり話し合いました。そこからはなんとか問題を解決しながら順調にタイムを伸ばしていきました。予選毎にタイムアップをしていったものの、最終的に満足のいく予選結果は得られませんでした。
・予選… 28位 （600CIV 10位）

🏁レース1、スタート前に「やめてよ〜」

決勝、レース1。

スタート前に、チーム側の勘違いでグリッドを移動することに。
そのことで
「おれは先にこっちが正しいグリッドだって言ったじゃないか！」
「いーや、言ってないね」
とグリッド上で始まるマネージャーとチーフメカのケンカ…。なんとか仲を取り持ちましたが、まったくレース前にやめてよ〜って感じですw

気を取り直し、レース1のスタート。
比較的うまくいく。
直後の1コーナーは、さほどスピードは出てないのでより深くブレーキング。ポジションアップ！
予選を1秒程上回るペースで周回。

スタート時よりもポジションを上げていたが、レース後半でペースが落ちてきたライダー（下の写真に写っている選手）をうまく抜き去ることができずに、結局そのままゴール。
自分本来のペースで付いていけてたであろうライダーたちを逃してしまい、非常に悔しい思いをしました。
・レース1…22位（600CIV 8位）

🕴ニューツナギ、その攻めたブランド名は?!

レース1終了後に、このウィークから話をし始めていた新しいツナギメーカー、その名も「VIRUS POWER 」を訪問。（このご時世になかなか攻めた名前だなと思います）
メーカーが掲げるキャッチフレーズは「Racing without killing（殺さなくていいレースを）」動物の皮ではない新しい素材を使ったツナギで、風通しも良いらしい。洋服のような見た目で「安全性とか大丈夫なの...」と初めは不審に思っていましたが、実際にツナギを触って安心。意図的にツナギに開けた穴をゴツい大人2人が忖度なしで全力で広げようとしましたが、穴はびくともしない。
翌日曜日、ウォームアップで実際に着てみました。ほんとに涼しくて、従来のものより動きやすく、かなり気に入りました。マネージャーの提案で、より過酷になるであろう決勝レース2でも着てみることにしました。

🏁レース2、いいぞいい感じ…

迎えたレース2。
今回はグリッド上でのゴタゴタはなく、スタートも上手く決まり、1コーナーでわちゃわちゃしている隙にポジションアップ！
いままでトップから3秒近くあったレースペースは、今回のレースでは2秒ほどまで縮めることができていて、前の集団に長く付いていくことができました。

レース1の後半に抜き切れなかったライダーを、
「昨日の恨み！（逆恨み）」
と気持ちを込めてパス。
集団が伸びはじめ自分も前に付いていこうとしたところで、前を走るライダーがペースを上げるのに苦戦していました。メーカーが違うマシンを駆るそのライダーとは、走り方もまったく違っている。抜こうと試行錯誤するも上手くいかず、結局またまたペースを乱してしまい、前に出ることができずにチェッカー。
・レース2…22位（600CIV 8位）

レースまでになんとかタイムは上げていったものの、レースでバチバチの勝負をするマシンにまで仕上げ切ることができませんでした。本来なら使えていたはずの初日のテストを、ほぼ失ってしまったことは大きく、時間の使い方の重要さを痛感するウィークでした。これもまた勉強です。次回はハプニングの起こらない、良いウィークで結果を残せるように頑張ります。

最後に、VIRUS POWERで準備を進めている新しいツナギのデザイン画があがってきたので貼っておきます。テンション上がります。ありがとうございます。これで第4戦、闘いたいと思います！
今回も、ありがとうございました！