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学校休校で子供を一週間受け入れての振り返り

突然の要請からの動き

2月27日(木)の安倍首相による「全国小中高等学校等一斉休業の要請」を受けて、翌28日から日本中で「うちの子、日中どうするの!?」とバタつきました。

私の「冒険研究所」では、「これは行き場に困る子が続出しそうだ」と感じ、28日の午前中には場所を提供しようと呼びかけを行いました。

この投稿をたくさんの方がシェアしていただき、そのあと「FMやまと」「神奈川新聞」などでもお知らせに協力をしていただきました。

3月2日(月)の受け入れ開始日には7名。翌3日(火)は5名。4日(水)は5名。5日(木)は2名。本日6日(金)が6名過ごしています。

重複している子もいますが、延べ人数では一週間(月〜金)で25名が利用しました。

今後、同じように活動をされる方のために何か参考になればと思い、一週間を終えたところでの雑感を記しておきます。

最初に困ったこと

子供の受け入れを行うにあたって、我々の事務所として使っていた場所を解放するだけなので「子供を預ける」施設ではないこと。そのため、アルコール消毒などの備品を準備していませんでした。

ドラッグストアや町の薬局、ホームセンターやネットショップを探し歩いても、その時点においては購入することはできずに、どこも品切れ状態。

フェイスブックなどで呼びかけたところ、余剰を保管している方から送っていただき、消毒問題は解決しました。持つべきものは友人です。ありがたい。

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次に、当然考えることは「リスク管理」です。多くの方から「同じようにやりたいと思いながらできない人も多いはず」と言われます。それはやはり「何かあったらどうするのか」ということを考えてしまうからだと思います。基本的に、常に全員が目の届く範囲にいて、屋内で過ごす限りにおいて考えられるリスクはあまりないはずです。小学生以上を対象に考えていましたので、乳幼児のように誤飲や不測の怪我は少ないでしょう。毎年夏休みに行っている100マイルアドベンチャーの経験で、小学生と長年旅をしてきた経験は重要でした。

一日の流れ

8時半からオープンします。

スタッフは、子供達が来る前にドアノブや水道の蛇口、トイレなどの清掃と消毒を行います。

子供達は、親御さんが送ってくる子、自分でやってくる子(近所なら歩きや自転車。もしくは電車)それぞれです。

入室すると、まずは手洗い。そのあとに手指の消毒です。体温計でその日の検温を行い、名簿に入室時間と体温を記入します。

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それからは、基本的に自由です。宿題をする子、カードゲームをする子、テントで遊ぶ子、ファミコンに興じる子、などなど。子供たちは放っておけば自分たちで遊びを考え出して、みんなで遊びます。大人が何かを指導したり、教えることはほとんどありません。

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お昼ご飯は、持参してもらいます。子供を預け入れる施設でもなく、飲食を提供できる環境にもないため、お弁当や各自が用意してきたものをお昼頃に食べます。

時間になってお母さんが迎えに来る子、自分で帰る子は様々です。

実際に受け入れてみて

ほとんど予想外のことはありませんでした。それは、毎年子供たちと長期間の旅を行なっていることが大きな理由だと思います。

行政の対応(学童保育の受け入れ拡充)などが整ってくれば、私のところへの問い合わせも減ってくるだろうと思っていましたが、金曜日の今日も引き続き問い合わせの連絡と、来週以降の新規での利用があります。行政でも「相談窓口」は設けているが「解決窓口」ではないのかな?という印象があります。新規でご連絡いただく方の中には「子供を友人の家で預かってもらっていたのだけれども、さすがに長期間になるとお互いに負担になるので」という理由で、我々のところに相談される方もいらっしゃいます。もっともな話です。

また、2月27日の「休業要請」を受けて、あちこちの学童保育に相談したがどこも直前だと受け入れできず、困って私のところに3月1日(日)に相談に来られたお母さんもいらっしゃいました。介護士で、どうしても仕事を休むことが難しく、小学2年生の息子さんを二日間受け入れました。その子は、学校での預け入れもできるようになったらしいのですが、本人が「冒険研究所がいい」と言っているらしく、来週もまたやってくる予定です。

今回の子供たちの受け入れは、全くの無償で行っています。まず一つあるのは、お金をもらって預かるとなれば、営業的行為となるでしょうからクリアしないといけない法律の壁などがたくさんあるはずです。また、困っているときはお互い様です。我々には場所があり、受け入れできる余地があるので、それを利用してもらうだけなので無償であってもこちらに金銭的な負担が発生するわけでもない。お金を取る筋にない、というのが私の考えです。

一つ感じたのは、今回受け入れてみたおかげで、地域の子供たちと出会えたことは良い出来事でした。冒険研究所は基本的に私の事務所兼装備保管場所、装備開発拠点といった場所であり、フルオープンな場所ではありません。来客はウェルカムですが、来たい人がいても、どうしても躊躇してしまうでしょう。ただ、今回のことがあり子供たちも今後は気軽に遊びに来れるでしょう。

いつまで続けるか

いつまで開放するかと問われれば「我々が開放する必要がなくなるまで」です。

行政の対応が整い、子供たちの行き場ができれば受け入れの呼びかけはやめますが、おそらく呼びかけをしなくても、これまでやってきた子供達は遊びに来るでしょう。それは歓迎です。

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