見出し画像

100マイルアドベンチャー2023

毎年夏休み、小学6年生たちとの旅を続けている。名付けて「100マイルアドベンチャー」

夏休み、小学6年生を対象に100マイル(160km)を旅する冒険の旅だ。開催地を毎年変えながら、今年で12年目となった。

これまでのルートは

2012年 網走 ー 釧路
2013年 東京駅 ー 富士山頂
2014年 大阪港 ー 福井若狭湾
2015年 厳島神社 ー 出雲大社
2016年 札幌 ー 大雪山旭岳
2017年 別府 ー 熊本城
2018年 第1ルート 新潟 ー 猪苗代湖
      第2ルート 猪苗代湖 ー 日光華厳の滝
2019年 第1ルート 岡山 ー 今治
      第2ルート 今治 ー 高知桂浜
2020年 小田原城 ー 富士山麓周回 ー 小田原城
2021年 第1ルート 江ノ島 ー 諏訪湖
      第2ルート 諏訪湖 ー 直江津
2022年 第1ルート 伊勢神宮 ー 京都駅
      第2ルート 京都駅 ー 豊岡市植村直己冒険館

と言う具合だ。

今年も2ルート実施し
第1ルートが「福岡タワー ー 長崎平和公園」
第2ルートが「長崎平和公園 ー 熊本城」

というルートとなっている。

昨日、8名の6年生が参加した第1ルートが終了し、明後日15日に新たな8名を迎えて第2ルートが始まる。

旅の様子はこちらに日記形式で毎日公開しています。

昨日無事に、福岡から長崎平和公園までの180kmを歩き、子供たち8名全員がゴールした。

連日の猛暑日、台風と天候に苦しめられた第1ルートだったが、今回もみんなが歩き切ることができた。

ゴールの長崎平和公園にて

上の写真は、11日を共に旅したゴールの写真。下の写真は、初日のスタート地点にて。ついさっき初めて会ったばかりで、全員が緊張。表情は固く、これから出発だ!とポーズをとってもやらされている感満載。
この感じが、日を追うごとにどんどん変わっていくのが旅の面白いところ。

初日の福岡にて。全員、固い!

100マイルアドベンチャーに参加してくる6年生たちは、必ずしも全員が最初から「参加したい!」と乗り気な訳ではない。

今回も8名中の何名かは、特にその中でも1名は、本人が全く乗り気ではなく、ご両親が「とにかく参加してみろ」という強い勧めもあって参加していた。

毎回、初日の夜にそれぞれの自己紹介の時間を持つのだが、その男の子は「全然自分は乗り気じゃないです。早く帰りたいです」と堂々と言ってのけた。それはそれで気持ち良いが、それが言えるのもまた凄い。6年生にもなると、他人の目や自尊心も出てくるので心で思っていてもなかなか言えない子もいるものだが、彼は堂々と宣言した。

最初の数日間は、完全に目が死んでいて、2日目には私に対して「ゴールまであと何日ですか」「長崎県にはいつ入りますか」と、やたらとゴールが迫っているのかどうなのかを確認してくる。それに対して、あと9日だねぇ、と事実を答えるのみ。

が、それも日を追うごとに様子が変わっていく。周りの子達と打ち解け、話ができるようになり、歩くことに楽しみを見出し、みんなで食べる食事の美味しさに気付き、道すがらに出会うあらゆる不確定要素との遭遇が楽しいのだと感じ始めてくる。

とは言え、やはり家には帰りたい。でも、旅も楽しい。その両方の思いを抱えながら、旅の終盤には当初の死んだ目が別人かと思うくらいに溌剌とし、まあよく喋り、うるさい少しは黙れと言っても喋り続けるくらいに本来彼が持っているキャラクターが発揮されてくる。

まあ面白いやつだということに周りも気付き始めると、いつの間にか彼が集団の中心でムードメーカーのようになっていた。

10日目最後の夜、長崎市内の旅館でみんなで喋っている時に、彼に「初日は家に帰りたいのと、旅が楽しいのと、いくつ対いくつだった?」と聞くと「100対0」と言ってみんな爆笑。

「いまは?」と聞くと「50対50」と言うと、その正直な感じにみんな「おーーー」と言う声。

昨日のゴールには、彼の弟(小学2年生)が出迎えに来ていたが、帰りがけに弟本人から「4年後に僕も来ます。お願いします」と言われたのがまた嬉しかった。

11日分の出来事を書き出したらあまりに長くなるのでこの辺にするが、100マイルアドベンチャーで子供たちの世界を押し広げているのは、私ではない。

子供たちを取り巻く環境、スタッフ、夏の暑さ、長距離を歩く足の痛み、照りつける太陽、容赦ない雨風、美味しいご飯、道すがら出会う親切な人たち、自らの踏み出す一歩、それら全てが子供たちの世界を広げ、旅に出ることの楽しさ、仲間たちと協力して同じ時間を過ごすことの素晴らしさ、それらを子供たちに教えてくれる。

高校生のスタッフたちも頑張った。4年前には子供たち側にいた彼らは、自分が旅した100マイルを新たな角度で体験することで、物事には多角的な側面があり、自分が見ている世界とは一つの側面でしかないことに気づいただろう。

さて、中2日をおいて、15日からは第2ルートが始まる。

長崎平和公園から、熊本城までの180kmを新たな8名の小学6年生を迎えてスタートします。

さて、第2ルートも頑張るぞ!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?