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ハイスキルな外部人材活用が失敗するケースとは?

先日地下鉄に乗ったところ、朝の7時台の時間帯でしたが、緊急事態宣言の前の時期よりむしろ混んでいました。

恐らく満員電車はなんとしてでも避けたいので、1時間早く家をでる、1時間遅くするなどして時差通勤をする方が増えているのでしょう。

ラッシュが分散されるのは良い事ですが、結果どの時間帯もある程度混んでいるというのも、なかなか思うところはありますね。。。

さて、少しずつ、社会活動が再開し、止まっていたプロジェクトの再開により、人の採用を検討する企業様も出てきました。

しかし、まだまだ社会全体が感染対策との共存に対し実験をしている、あるいは、経済活動再開に向けたリハビリ中といった感じで、依然スローペースではあります。

リモートワーク、働き方改革、副業解禁など、コロナ時代の到来を予期した上での変化ではないですが、企業、個人がまさに様々な価値観の変容の中で、どう成長を続けていくのか?恐らく国民総出で模索しているような状態ではないかと思います。

プロ人材信仰


弊社では、働き方のイノベーションを推進する手段の一つとして、プロの助っ人人材(ハイスキル外部人材)の積極的な活用を推進しています。

しかしこれは決して、プロの助っ人人材を投入すれば必ず経営課題が解決するということではありません。

クライアント様の中には外部人材を活用するよりも、今いる正社員が逆に時短や副業をする方がイノベーションに繋がる場合もあるかもしれませんし、リモートワークや在宅勤務の活用、評価制度の見直しが必要なクライアント様もいると思います。

外から人材を投入すること自体は比較的容易に(予算などが確保できれば)実現できるので、「最近、フリーランスや副業人材を活用する企業が増えているみたいでなかなかいいらしい」「うちも活用してみよう」などと、若干安易にまずは開始してみるというクライアント様もいます。

もちろんご依頼いただくのは大変ありがたいのですが、効果がなければ意味がありませんので、ここは少し心を鬼にして「プロの助っ人人材活用が失敗するケース」を自分たちへの自戒も込めて共有したいと思います。


ミスマッチが起きるケース


プロの助っ人人材を必要とするクライアント様に人材をご紹介していると、ごく稀にスキルのミスマッチが発生する事があります。

例えば、弊社ではデジタルマーケティングのプロ人材を紹介して欲しいとご依頼を受けることが多々あります。

ただそんな際に、デジタルマーケティングといっても範囲が非常に広いので、まずは「具体的にどんなスキルが必要なのか?」「解決したい課題は何か?」をお伺いするようにしています。

例えば、

・デジタル専業の広告代理店でリスティング広告の運用経験が豊富な方
・B2Bのコンテンツマーケティングが得意な方
・SNSの中の人として短期間で1000名以上のフォロワーを獲得した方
・アプリユーザー獲得の神の方
・全体のマーケティング戦略を描きデジタルだけでなく、その他の手段との組み合わせ施策のデザインが優れている方


などなど、デジタルマーケティングの助っ人人材にもそれぞれ得意とする分野があります。

もちろんオールジャンル得意で実務経験もある方もいますし、副業経験を通して本業では経験できない事学びたいという方も多くいますので、そういった方はあえて自身の得意分野以外の案件をご希望される方もいます。

なるべく依頼先企業の課題解決と、プロの助っ人人材の成長と両方を実現できるようなマッチングをしたいと考えておりますが、企業の要望でよくあるケースが「うちはデジタルマーケティングが弱いので、外部の人に支援して欲しい」「デジタルマーケティングを実施しても成果が出ないので、その道のプロに助けて欲しい」といった、要望がかなりざっくりしているケースです。

例えば過去にあったクライアント様で、大変急ぎで助っ人人材が欲しいとのことで、デジタルマーケティングについての経験も知見も社内にないので、とにかくすぐに開始していろいろと教えて欲しいという要望でした。

この時点でさらに踏み込んで問題点を深くヒアリングをすればよかったのですが、タイミングよくご要望にあったデジタルマーケティングのスーパー助っ人人材がおりましたので早速ご紹介いたしました。

スーパー助っ人については以下も参照ください。

やはりスーパー助っ人人材すぐにマッチし、稼働条件は週1回の打ち合わせと週4時間目安でのリモート作業という内容で早速スタートしました。

ここですぐにデジタルマーケティングを開始する事もできましたが、このスーパー助っ人は、デジタルマーケティングだけでなく、企業の課題を俯瞰して整理するスキルがあったので、まずは色々と現状の課題、製品の特質などを整理するところからはじめました。

4回ほど打ち合わせを実施した後に、この企業の製品はなかなか単体で販売するのが難しく、業務整理を実施するコンサルタントからの紹介でないと契約に結びつけるのが難しいことが判明しました。

結果、「認知やブランディング目的でデジタルチャネルを活用することは有効だが、販売目標の達成にはパートナーと呼ばれる外部コンサルタントへのインセンティブ設計の方が効果があるのでは?」という仮説に行き着きました。

当初依頼企業は、デジタルマーケティングを実施していないことが売上低迷の要因と考えていましたが、プロの助っ人人材が業務を俯瞰して整理した結果、短期的な目標を達成するには、デジタルマーケティングではなくもっと他にやらなくてはいけない事が見つかったという結果でした。


そうなりますと、助っ人人材のスキルと現在の企業が求める条件が違ってきますので、ここで結果的にはミスマッチが起きてしまったという事になります。

しかし弊社ではそういった場合でも柔軟に調整いたしますので、調整の結果、双方合意の上今回は一旦契約終了となりました。

結果的に当初の要望とは違った終了とはなりましたが、クライアント企業としても、より明確な課題を見つける事ができ、結果的にはとても満足しての終了となりました。

なお、この助っ人人材の次のご紹介先はまたすぐに決まりました。


コスト削減手段としてのプロの助っ人を活用するケース


正社員採用を基本とした雇用は、今後なる無くことはないにしても、企業、個人、そして社会や環境といったもっと大きな要因から変容していくことは間違いありません。

今後は正社員という固定費用の発想から、プロジェクトに必要な人材を業務委託(変動費)として都度契約することで、事業構造を柔軟に構築することに取り組む企業も多くなってくるでしょう。

但し、単に人件費削減の発想で正社員を削りプロの助っ人人材を活用するケースはあまりうまくいかないことが多いというのも実情です。

もちろん経験豊富なプロの助っ人人材が週に1-2日稼働し、その上でまだ年収もそれほど高くない若手正社員を採用して業務を回し、成果を出すことは可能かと思います。

ただ、コスト削減の発想でプロの助っ人人材を迎え入れてしまうと、結局はその方の稼働時間をコストと捉えてしまい、本質的な課題抽出や施策設計など、抽象度が高い仕事が続くと何か損をしているような気になってしまうことがあります。

そうなった場合やってしまいがちなのが、そこまで重要でない作業系業務などを依頼し、支払ったコストをできるだけ回収しようとする事です。

そもそも「事業の課題は何であったか?」「どのような知見やスキルが現在のチームに不足しているのか?」あるいは「現在の事業の中で必ずしも自社で実施する必要がない業務は何であるか?」など事業の目標と照らし合わせたリソース計画があって、初めてプロの助っ人人材の活用が活きてきます。

そのため、ただ単純に優秀な人材を「安く」活用できるというコスト発想だけでの取り組みはあまりおすすめすることができません。


課題の検証ではなく、回答を求めるケース


最後に、これも本来のプロの助っ人人材活用のポテンシャルを狭めてしまう残念なケースになりますが、クライアント様側のご担当者様が「教えて君」の場合です。

経験豊富なプロの助っ人人材を迎え入れることは、新しい視点への気づき、知らない知識の吸収にとても役立ちます。

社内にないスキルを獲得する手段として、プロの助っ人人材をチームに迎えたいという要望をよくお受けしますし、多くのケースで非常に良い化学反応を生み出しています。

但し、プロの助っ人人材を「先生」扱いしてしまい、常に回答を求めてばかり求めてしまうと、人材側も疲弊してしまいます。

また、その業務への知見、思いはクライアント様の方が勝るはずなので、プロの助っ人人材から正しい(と思われる)回答を聞き出してばかりでは、直面する課題を複合的に検証し、新たな施策などを生み出すようなコラボレーションは生まれません。

プロの助っ人人材は課題を一般化、あるいは抽象化して整理しやすい立場にいるので、社内のメンバーだけで長く議論していると視点が固定化され、個別事象の議論が多くなってしまうのをうまく中和することが可能です。

またプロの助っ人人材も、クライアントとのやり取りの中で業務への知見も蓄積され、より具体的な施策や分析を実施することも可能になります。

しかし場当たり的に回答ばかりを求めてしまいますと、お互い課題を俯瞰することなく表面的な回答に終始することになってしまう事もあると思います。

プロの助っ人人材を情報ソースとして、活用することは間違ってはいませんが、それだけになってしまったり、プロがいうなら正しいはずと回答ばかりを求める関係は残念ながら継続的な良い関係に発展することは難しいのではないでしょうか。

弊社では、プロの助っ人人材活用を通して、クライアント様の事業の成長に貢献したいと考えております。現在の課題解決にプロの助っ人人材活用が適しているかどうかわからないという場合も、是非、お気軽にお声がけください。

皆様の課題に沿ったご提案をさせていただきます。今回の例にあったようなミスマッチが起こりそうな場合は、助っ人人材活用をおすすめしませんのでご安心ください(笑)


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