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ここだけは押さえよう!外部人材(プロの助っ人)を募集する際に気をつけること!


背景


・優秀な外部人材を取り込むことで既存の事業スピードを加速させたい
・自社にないナレッジを取り込みたい
・新しいミッションのためのチームを立ち上げたい。
・単純なアウトソースなどではなく、現役で活躍している外部人材の力を借りてみたい
・先行きが見えない状況での正社員採用は不安


事業をスケールさせるうえで、このような考えをもっている方は多いのではないかと思います。

しかしいざ依頼したいとなっても、「具体的にどのように要件をまとめ伝えればいいのか?」「うまく活用できないのではないか」と悩んでいる方も多くいるのではないでしょうか。

正社員採用の場合は中途採用であっても、一定の試用期間などを経ることで、お互いを知り仕事のやり方を共有し、課題に向けての進め方を構築していくことが可能だと思います。

もちろん役員や事業責任者レベルでの採用の場合、様子をみる期間など設けず、即、目の前の課題にメスを入れることが求められ、現状の組織の再構築なども大胆に行う場合もあるかと思います。

しかし、多くの日本企業の場合は、一般的にある程度様子をみてからアクセルを踏む事が多いのではないでしょうか。その為、募集要項には求める人の経歴やスキルに関する詳細を記入することはあっても、解決したい課題の詳細までを掲載することはそう多くないかと思います。

例えば「新規にECをはじめるので、EC経験のある方を求める」といった具合で、採用を開始した結果どういった「成功状態」を想定しているかまで、人材募集要項に記載することはあまりないと思います。これは事業戦略にかかる部分もあるので、一般に出す募集要項に細かい部分の記載ができないという事情もあるかと思います。


人物重視か、成果重視か


一方、代理店やコンサルティング会社に特定の業務や課題への提案を依頼する場合は、機密保持契約を事前に結び、比較的解像度が高い要件定義書を作成することが多いのではないでしょうか。

例えば直面している課題、想定する課題の解決手順、成果指標、時期、予算など。

長期雇用を前提とした採用の場合は、人物重視で会社にフィットするか含める一方、何かしらの特定業務発注の場合は成果重視であり、実施メンバー個別の素養は発注側が細かく定義することはあまりないかと思います。

ではそれとは別の外部人材(プロの助っ人)活用の場合はどうでしょうか?

都合の良い回答は、人物と成果の両方を「ほどよく」重視するといったところかと思います。人物も大事ですが、可能な限り、戦略、戦術レベルの情報を開示して、目指す成果に対してすり合わせをする。

いや、「ほどよく」って、それがわかっていれば苦労しない!

はい、わかっております。発注側のサジ加減でお願いしますと言われても困りますよね。。。

ただ、ごめんなさい!実際は、やはり、「サジ加減」は重要なのです。

人に寄せるか、成果を明確にするかは結局はどちらの方が「成功状態」を達成するのに近道か、一旦仮説ベースで決めて実施するしかないと思います。

もちろん依頼業務の機密性も考慮しないといけませんが、社員ではないのでこれは伝えられないという点が多い場合は、そもそも無理に外部人材に依頼するのではなく、やはり内部チームで遂行する方がスムーズかと思います。

その為、ある程度事業計画がしっかり共有できることが外部人材活用の肝となってくると思います。

では、実際にあった案件を振り返りながら、もう少し具体的に考えてみましょう。

クライアントからの依頼内容を途中で軌道修正して上手くいったケース


案件例)
立ち上がって1年目の大手企業社内ベンチャー
B2B向けのSaasサービスの事業部の場合

この事業部では、当時既存クライアントも順調に増えてきてはいるが、営業担当が既存クライアントのフォローと新規獲得業務も平行して実施していたため、徐々に既存クライアントの対応(クレーム対応、新規要望、アップセルなど)に時間を割くことができなくなってきていました。

さらに製品自体もまだ安定していない部分もあり、日々、質問や要望など、問い合わせが発生している状態でもありました。

そこで、事業責任者の方からこの課題を解決するために「カスタマーサクセス」チームを立ち上げたいので、「カスタマーサクセス」の経験者が欲しいという要望を頂きました。要件としては、既存クライアントの要望に沿って、中期的かつ継続的な施策に伴奏チームを構築した事がある、あるいは経験した人を求むということでした。

「カスタマーサクセス」はホットな話題なので、情報も多くご担当者の方も、必要な要件や施策をしっかり理解しておりましたので、ご紹介するプロの助っ人の人選に関しては、過去のご経験のマッチ感を重視してご紹介いたしましたが、結果うまくはまりご紹介からすぐに稼働となりました。

稼働後外部人材の方は、まずはチーム立ち上げに必要なロードマップをまとめ、メンバーへの期待値設定など、あくまでカスタマーサクセスのチームを立ち上げるということをベースに多角的に進めていきました。

しかし担当の方と何回か打ち合わせをしてみると、実際既存クライアントは企業の一部の部署で利用が開始されたばかりのケースが多く、引き続き全社導入に向け、さらなるプッシュが必要な状態でした。

つまり自分たちが提供するサービスの価値を正しく理解してもらう為に、どうやってクライアントの課題を見つけるかといった営業工程での試行錯誤の最中でした。

そういった状況からも、当時この企業の目先の「成功状態」は、恐らくクライアントの課題を正確に把握し、自分たちが提供できる価値を見つける手法を平準化すること。
および既にご利用いただいているクライアントと継続的なコミュニケーションを続ける為の仕組みを作ること。

しかし企業側はまずは「カスタマーサクセス」チームを作るということをゴールとして外部人材に依頼してしまったので、現場メンバーもなんとなく目の前の本来の課題について消極的なまま案件を進めることになってしまったようです。

ただ、この外部人材の方は途中から状況を察し、チームを作る前にまず、今いるメンバーでカスタマーのサクセスを定義する仕組みを作ることを提案しました。

結果、当初より2ヶ月契約期間延長をして、営業メンバーのヒアリングや実際のクライアントさんの訪問インタビューなどを一緒に実施し、課題が整理でき、長期的にみて大変満足いただく結果となりました。それによってチーム自体の発足は少し先にするべきと判断しチーム発足については少し延長したようです。

こちらの人材はすでに稼働から1年以上経っていますが、2020年4月現在いまだに稼働は続いており、この企業にはなくてはならない存在となっております。尚、当初目的であったカスタマーサクセスチームの立ち上げもすでに完成しており、現在は顧問的な役割でかかわっている状態です。


では、はじめからしっかりと稼働させていくにはどうすれば良いか?


・成功状態を定義、共有する
 何かをした結果、どうなりたいかを言語化する。
「自社サービスの強みを理解いただき、どのように課題解決できるかを納得いただいた上で契約する。契約後も継続的に課題に寄り添い定期的なコミュニケーションを実施する。その為のナレッジの共有の仕組み、フローを構築する」など

・現在、直面している課題は可能な限り、正直に伝える
 営業担当の人数が少なく、週の半分以上は外出している。ナレッジが担当者レベルに留まっているようだ、など

・関わるメンバーの立ち位置を明確にし、共有する(外部人材の依頼責任者を明確にする)
 営業メンバーには業務フロー構築に必要なヒアリングの時間を捻出することには合意を得ている。最終の判断は事業責任者が実施するなど意思決定者を明確にする。

・わからない部分はそのまま伝え、一緒に考える余白を残す
 「中期的にはカスタマーサクセス専任のチーム立ち上げも視野に入れてますが、先にチームを作るべきか、他にやるべきことがあるか模索しています。」など、感じていることをそのまま伝える


キックオフミーティングはカジュアルで!


少し堅苦しくなりましたが、契約書などの書面に落とす際は、少し堅苦しいくてもいいのですが、初回のキックオフではやはり、少しカジュアルに相手の趣味やこれまでの経歴、気に入れば、そのままうちに転職してください!など、冗談?を交え、カジュアルな雰囲気で、話すことで、相手の個性、スタイル、強みがわかると思います。

書面で理解できることは手を抜かず、対面の場は相手を知り、会話を楽しむくらいの姿勢で臨んでいただけますと、より、スムーズに進められるのではないでしょうか。

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