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【日報note #18】20210220(土) 土曜日をネットカフェで過ごした男の物語。

写真は家にあったぬいぐるみたち。
もはや、写真のチョイスは限りなく適当である。

この「日報note」は僕の毎日の日記のようなものだ。
日記帳に書くのは面倒なので、noteに書くことにした。
日記なので独り言のような文体になることをご了承いただきたい。


今日は休日。
さて、何をしようかな?

朝目覚めた僕は、ある重要なことを失念していたことに気がついた。

今日は、家のトイレ工事の日だった。


トイレ工事により家を奪われる俺。

僕は今実家に身を置いているわけだが、今日はよりによって実家のトイレ工事の日。
トイレを最新のものに変え、壁紙も一新するのだという。

それなりに大規模な工事だから、朝から夕方ごろまで大工さんたちが家に入ってきて、工事をするみたいだ。

それだけだったら良かったのだが、
なんと、そのトイレは、僕の部屋の目の前にあるのだ。


大工さんたちはトイレの前に様々な道具を展開し始める。
当然、僕は部屋にこもることもできない。

いや、できるのだが、あまりにうるさい。
ギュインギュイン、カンカン、ドコドコ。。
そんな音を聞きながら部屋で過ごすのは辛いものだ。

かといって、2回の部屋に避難するのも気が引ける。
家族がいるからだ。
数時間ならまだしも、朝から夕方まで家族全員で同じ部屋にこもり続けるのは気が引ける。

ではどうするか。
僕は、朝から夕方まで外出する道を選んだ。


ネカフェで過ごす25歳の春。

もともと病院に行く用事があったので、まずは病院へ。
診察を終えて薬をもらった頃には11時。

うーむ、これから夕方までどこで過ごそうか?

まず説明しておきたいのだが、僕が今住んでいるのはクソ田舎だ。
何がクソかって?
コンテンツが圧倒的に、クソみたいに不足しているのだ。

かつて僕が港区に住んでいた時(3ヶ月だけ)、死ぬほどたくさんのコンテンツがあった。
東京タワー(通称T.T)にもすぐ行けたし、スポーツジムも、カフェも、美味しいご飯屋さんも、公園も、お店も、、なんでもあった。

少し自転車を走らせれば、表参道やら渋谷、恵比寿やら、、、
まあとにかくいろんなところに行くことができた。

そう、周りに楽しめるコンテンツが山ほどあったのだ。

では、田舎はどうか?

圧倒的にコンテンツ不足だ。
「山に行ったらいいじゃないか。」
「自然の中を歩くのは気持ちがいいぞ!」
「田舎だって良いところはいっぱいあるぞ!」

そんな声が都会っ子たちから聞こえてきそうだが、僕が楽しめるものはほとんどない。
それが田舎の現実。
コンテンツがクソなのだ。


そんな環境の中で、僕はとりわけクソと呼べそうなコンテンツを選んだ。
ネットカフェである。

別にネットカフェが好きなわけじゃないけど、周りにある少ないコンテンツの中で惹かれたのがネットカフェだった。
なぜかはわからない。
1人になりたかったのかもしれない。

とにかく、僕は心を踊らせてネットカフェに入った。


ネットカフェってみんな何してるの?

実際入ってみると、圧倒的に暇だということに気がついた。

ネットやり放題、漫画も雑誌も読み放題。
それは魅力的だが、ネットなら家で十分。

とりわけ面白いコンテンツがあるわけでもないし、ネットカフェに行ったは良いものの、何をすれば良いのかわからなくなった。

とりあえず僕はパソコンを開き、すごーく昔のアニメを見始めた。
「最近のアニメってクオリティ高いんやなぁ」
なんてことを思いながら、そのうち飽きる。

次に雑誌を読んでみる。
週刊誌というものは、なかなか面白い。
やれ誰それが不倫している、、とか、やれ政治家が実は裏でこんなことを、、とか。

どこまでが本当か分からない情報と精力剤の広告だけで1冊の雑誌が出来上がっている。
中身の面白さはないが、その情報だけで雑誌が作られているという状況は、それなりに面白い。

さて、飽きてきたので、ドリンクやソフトクリームを楽しむ。
ソフトクリーム食べ放題というけれども、一体どれだけ食べられるのか。
甘ったるいから、そんなに多くは食べられない。

そもそも、ソフトクリームって”食べる”ものなのだろうか?
ほとんど、”飲む”ものな気がする。
口に入れた瞬間液体になるし、あんまり”食べている”という感覚がない。

そのうち、なんだか飽きてきて、僕は狭い部屋の中で眠りについた。


ネカフェは”何もしない”場所だった

そんなことをしているうちに時間も経ち、やがて家族から、工事完了の連絡がきた。

僕は数時間の間、ネットカフェにいたが、特に何もしなかった。
週刊誌の面白さや、ソフトクリームが飲み物であるということに気づくことはできたが、なーんにもしていない。

だが、僕は決して虚しい気持ちではなかった。

不思議と晴れ晴れとしていた。

それはきっとネカフェで過ごした時間が、極めて”休日”らしい時間だったからだ。

なーんにもせずに、ゴロゴロ。
漫画読んでゴロゴロ。
ジュース飲んでゴロゴロ。

とんでもなく意識が低い休日。
それは、ネットカフェで手に入るものなのだと知った。
そして、そんな全くもって有意義ではない時間を過ごした自分自身を、許してあげたいと思った。

ネットカフェとは、”何もしないこと”を楽しむ場所である。
そこには、ゆったりとした、自堕落な時間と妙な満足感が渦巻いているのだった。

(なんだこの記事。)

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