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「カードゲームで学ぶDAO@愛媛Web3.0カレッジ2023」の講義を行いました

愛媛Web3.0カレッジ2023が9月に開校、いよいよ第1回目の講義、「Web3.0の動向と地域コミュニティの新しい在り方」が実施されました。

この講座の後半に投票によって様々な意思決定を行うイベントを計画していたりするのですが、参加される方は、そもそもDAOってなに?というところからスタートする方も多く、今回は、DAOの概念を理解してもらうことを第一に計画しました。とはいっても、30分程度のコンテンツの中でDAOを体系的に触ってみるというのは至難の技。色々と考えた結果、「カードゲーム」という形で参加者の皆さんに体験していただくことにしました。

カードゲームのルールと一緒にDAOの基礎について説明する様子

今回用意したのは「ビザンチン(Byzantine) -ネクスト民主主義を体感せよ-」という完全オリジナルのカードゲームです。お気づきの方はいらっしゃると思いますが、ビザンチン将軍問題と呼ばれる分散システム上の信頼性に関する問題からタイトルを取りました。詳しくは色々と参考になるものがあるので読んでみてください。

こうした仕組みは、本来はコンピュータなどで活用されている仕組みでもあり、例えば、ボーイングなどの飛行機などにも活用されていることは有名です。これまでコンピューターなどで利用されていた仕組みをDAOなどでは、人間の意思決定にも使うことができるわけです。

さて、元々、私自身ボードゲームが大好きで、ボードゲームカフェなどで、ゲームを楽しんでいたりするのですが、これまでも、たまに自作のボードゲームなどを作ることがありました。そうした経験もあり、今回はDAOをテーマとしたカードゲームを制作してみることにしました。元々私が好きなカードゲームのジャンルに、「トリックテイキング」という種類のゲームがあります。講座の中でも、実物を持っていって、ご紹介したのですが、VoodooPrinceや、5本のきゅうりといったゲームが私のお気に入りだったりします。

今回の「ビザンチン(Byzantine) -ネクスト民主主義を体感せよ-」はこうしたトリックテイキングのルールをベースにしながら、DAOの要素であるプロポーザル、ステーキング、投票などで味付けがされています。これも講座の中でお話をしたのですが、今回のDAOのゲームを覚えることで、一緒に既存のトリックテイキングのカードゲームのルールも覚えることができるわけで、一石二鳥かもしれません^^

さて、ゲーム全体の流れとしては、

1.DAOにプロポーザルを行う
2.プロポーザルに対して投票を行う
3.状況によってステーキングを行う
4.勝利した人がプロポーザルを受け取る(プロポーザルを実現させたことになる)
5.1-4の流れを繰り返し、多くのプロポーザルを実現させたユーザーが勝利

という形でゲームが進行します。

つまり、たくさんプロポーザル、提案を行い、社会をより豊かに、幸せにした人が勝利というコンセプトなのです。

通常のトリックテイキングとルールが異なるのは、切り札となるカードに、DAOのガバナーという形で様々なルールを記載しているという点です。通常トリックテイキングの切り札は、「色」の指示のみですが、「ビザンチン -ネクスト民主主義を体感せよ-」では、色に加えて、勝利条件や、勝利ポイント、ステーキングと呼ばれるトークンを出すことができる数などが記載されています。

カードは投票と、ガバナーという役割を担い、駒がステーキングのトークンとなる

例えば、Single choice voting(単一選択の投票)では、数が最も大きい人が勝利、Ranked choice voting(優先順位付投票)では2番目に数が大きい人が勝利、Quadratic voting(二次投票)では最も数が小さな人が勝利する、などです。また、ステーキングと呼ばれるカードを出す代わりに、トークンを賭けることができるという点も、通常のトリックテイキングとは異なる点です。親のカードに勝つことができない場合、代わりにステーキングを行うことができ、それらはトリックが終わっても溜め続けることができ、ゲーム終了時にスコアに加算されます。かといってステーキングをし続けていくと、手持ちのカードが残り続けてしまい、ゲーム終了時に合わせて、手持ち分のカードの枚数分得点が引かれてしまうため、ここぞというときにステーキングを行う必要があるのです。

こうした観点で、プレイヤーはその時々の勝利条件をうまく読み解きながら、プロポーザルをするのか、それともステーキングをするのかを考えていく必要があります。他にも、今回のゲームの色は、様々な社会課題を表していまして、赤が人口減少、青が災害、インフラなどDAOで語られるテーマを表現していたりしますのでゲームを行いながら、こうしたテーマについて一緒に考えて、実際にプロポーザルとして色々な提案を上げてみるのも面白いかもしれないなと思っていたりします。

実際、DAOのツール、例えば、SnapshotやTallyなどを使うことで、誰でも簡単にDAO自体は作ることができます。

しかしながら、その設定項目として、投票の方式、投票の期間、承認期間など設定項目が多く用意されていて、そのパラメーターの設定は非常に悩ましいのではないかと思います。講義の中でもお話をしましたが様々な民意を反映するための意思決定については、様々な手法が研究されていますが、実際にどういったテーマだったり、そこに集まる人などによって、こうした手法は変わる可能性があり、それ自体がノウハウのようなものだと考えられるわけです。

いざ、DAOをスタートする場合に、こうした仕組みを0から調べたり、考えていくと、とてもハードルが高くなってしまうのですが、みんなでワイワイ楽しみながら、「これってこういう意味なんだよー」と、カードゲームで語り合いながら、DAOコミュニティの中で教え合うきっかけになって欲しいなと考えています。

参加賞のステッカーをお渡ししました^^

最後には、DAOの運営メンバーを募集して、閉会となりました。まずは、小さな決定事項で、気軽に参加してもらって、DAOコミュニティの中で色々なアイデアが形になるという様子を体験してもらうことがとても重要なのではないかと思います。

さて、今回実施した、「ビザンチン(Byzantine) -ネクスト民主主義を体感せよ-」は、現状では、販売など行なっていませんが、もう少しテストプレイを重ねた上で、何らかの形で、誰でも遊べるようにと、現在準備を進めているところです。プレイなど、ご興味のある人はぜひ、お問合せください!

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