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生活と自然と政治と。【都知事選と鹿児島県知事選】

私は今、アメリカでひとり旅をしている。カリフォルニア州バークレー、モントレーから、オレゴン州のポートランドへ。旅をしながらも、都知事選の様子がちらほらニュースやSNSで目に入る。(トップ画像は2年前の参院選のとき、下北沢・ボーナストラックに貼られていた可愛いポスター)

幼少期、井の頭公園にて

私は東京のなかでも西側の、のどかな場所で育った。井の頭公園や、ジブリ美術館や、国立天文台、オーガニックの畑もある。地域文化が根付いていて、子どもも大人も集うコミュニティがある。暮らしやすさと、のどかさとのバランスがすごく良いまちだったと、大人になって初めて気づく。

これらの写真は私と太宰治が愛した(笑)地元の陸橋。老朽化で取り壊しが決まって、去年の暮れに撮りおさめたとき。この橋が作られたとき、鉄骨が不足していて古い線路を再利用したらしい。たしかに、いわれてみればレールの面影があった。その知恵と工夫が生み出したのは、ただの橋じゃなくて、90年以上愛され続ける景色だった。たくさんの人が、名残惜しそうに遠くをぼんやりと眺めていた。

東京の良いところは、そういう知恵や文化が集結しているところ。それを尊重し、活かせる都市であってほしいと改めて思った。

これは、私がいま毎週見ている景色。空はもっと広く、緑はのびのびと息をしていたはずの、東京。私は自然が好きだし、それを守る取り組みを応援したいから、いつもそんなことをシェアしているけれど、この景色を見ると少し複雑な気持ちになる。

見せかけのSDGsやダイバーシティはもうこりごり!それを言うなら、これ以上限られた木を切るのをやめよう、マイノリティや貧困に苦しむ人を排除しないで、と思う。

あの「カストロ」ではない
横断歩道も🌈

San Franciscoのカストロストリートへ行ったとき、街じゅうがレインボーで、マイノリティのコミュニティが築かれていた。BerkeleyやPortlandでは、至るところにコンポストがあって、自然と生活が結びついていた。

それらの街が今の姿になるまでに、たくさんの市民の声、コミュニティの団結があって、今もそれは力を持ち続けている。 もちろん、アメリカも分断が深まったり、治安が悪化している面もある。路上生活者、物乞いする人もたくさん見かけた。けど彼らはそこにいて、渋谷とは違った。

アメリカの高速道路はむずい

ということで長くなったけど、帰国したら投票(行って外食)します。

私は緑を守り、文化を尊重し、若者やケアワーカーの生活を底上げ、子どもたちが豊かな教育を受けられる東京を望みます。

あと選挙権ないけど、同じ日に鹿児島県知事選もあるよね!しょっちゅう行ってるのでそっちも気になる!(選挙公報が見やすい、東京のはひどい笑)

https://www.pref.kagoshima.jp/ka01/documents/112400_20240621200622-1.pdf

友達の写真家、栗野果林ちゃんが撮ったワンちゃん

私の通っている阿久根市の隣・薩摩川内市には、原発がある。それはもう何十年も市民の生活と結びついているけれど、もしあの周辺で大地震が起きたらどうなってしまうんだろうと、私は能登へ行ったとき本気で心配になった。能登は発災時に志賀市の原発が稼働しておらず、被害の大きかった珠洲市は住民の反対により原発が建設中止になっていたことが、本当に救いだった。

そして鹿児島は種子島や奄美大島、屋久島をはじめ、自然豊かな離島もたくさんある。そのうちのひとつ、馬毛島はいま、ほぼ丸ごと基地化されようとしている。周辺では、これまで培われて来た漁業よりも稼ぎになるからと、基地建設に携わる人が増え、特産の貝・トコブシの水揚げ量は前年より6割以上減ったとか。ただでさえ後継者不足の漁業が、一気に衰退している。基地建設バブルで地価が上がり、生活に苦しむ人もいる。

去年は屋久島沖でのオスプレイ墜落事故もあった。奄美大島・嘉徳にある、日本で最後の人工物のない砂浜、通称「ジュラシックビーチ」は、護岸工事によって破壊の危機に瀕している(詳しくはこちらから↓ 著名・寄付もできます)。https://amamiworldheritage.org/petition/save-katoku-beach-jurassic-beach/ja


ウミガメがやってくる、阿久根の脇本海岸

誰のための原発なのか、誰のための基地なのか、何が絡んだ護岸なのか。それは東京の暮らしとも密接なはずなのに、とても離れたところにある(ように見えている)。もちろん、それで生活が成り立っている人もいる。防衛や自然保護に関して、さまざまな立場や考え方がある。けど、目の前のことや一部の人の利益だけでなく、長い目で見たみんなの暮らしを守れる日本であってほしい

鹿児島のみんな、頼んだよ。私はひとまず東京で1票投じます。

「個人的なことは政治的なこと(The personal is political)」という言葉があるけれど、本当にそう。普段の生活のなかで、何を買い、何を食べ、どこで過ごし、誰とつながるか、小さくともそれらが集結することで社会ができていく。

だから私は私の小さな生活を愛しているし、正解はないけれど、間違うこともあるけれど、ひとつひとつ学んでいくのが楽しい。だって「ウチらが住む未来だぜ」

ハロヲタより。

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