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【視察/企業研修/フィールドスタディ/イベント】行程

地域おこし協力隊をする中で、小川町の里山、農業の取組を見たい!活用したい!という声が集まるようになり、その中で企画に携わったものの事例をまとめました。


視察

飯能市農業委員会さん

【行程】
①観光案内所むすびめ
②山田農園
③フレンチレストランatelico
④株式会社風の丘ファーム

【参加者】
飯能市農業委員会さん 12名

【背景】
飯能市の農業委員さんが、小川町にあるコワーキングロビーNESToの会員さんである繋がりから企画が始まったこの視察は、先進地域視察として小川町を視察し、①有機農業に対する知見を高める、②小川町の農家とのつながりを生む取り組みとすることを目的としたものです。
飯能市にも有機農家さんがいるものの、地元の古くから農業を営む方々との関係性やコミュニケーションが上手く行っていない状況があるということから、有機農業の耕地面積が広く歴史のある小川町に行きたいという声が多く上がっていたそう。
地元で長く慣行農業を営み、かつ農業委員の会長を長く務めている山田農園さんと、小川町の有機農業の歴史を深く知り、自ら小川町唯一の農業法人として活躍される風の丘ファームさんと、そのお野菜を使った料理を提供するatelicoさんを視察先としてお願いしました。

【コメント】
有機農業を地域で受け入れ推進していくためには、当事者である有機農家だけでなく、地元で長く農業を営む方がどう捉え、関係性を築いているのか…異なる角度から有機農業について考える機会になればと思ってのアレンジでしたが、この視察で一番盛り上がったポイントは「有機農業」ではなく、飯能市と小川町が「中山間地に位置している」という地理的な共通点!お互い胡麻が良く取れることから「やっぱり石が多いところは胡麻が向いてるね」「こっちは金胡麻、そちらは黒ごまなのね!」など、農法云々ではないところで盛り上がりました。小川町飯能市の両方の農家さんから、似た環境で農業を営む同士今後も連携をしていきたいという声があがったのも嬉しいポイントでした。

さいたま市在住の有志メンバーの皆さん

【行程】
①観光案内所むすびめ
②有機農家による直売所「ときのこや」
③とうふ工房わたなべ
④下里有機野菜直売所(無人直売所)
⑤分校カフェMOZART(@旧下里分校の教室)
⑥霜里農場
⑦上中 小川町特産品販売所

【参加者】
埼玉大学有機農業研究会現役生とOBOG生、さいたま市の有機農家、飲食店経営者、大学生、川越市の有機農家、小川町で有機農業に関心のある方など18名

【背景】
霜里農場の研修を経てさいたま市で新規就農した木曽農園の木曽さんとのご縁から、今回の視察が開催されました。小川町は2023年5月に、県内で初めてオーガニックビレッジ宣言を宣言した市町村ですが、さいたま市も新規就農した有機農家を中心に「さいたま有機都市計画」というグループを結成し、オーガニックフェスの開催や宣言に向けて動いています。
行政同士の繋がりだけでなく、まずは草の根レベルで繋がろう!ということで、様々なステークホルダーが交流する機会となりました。

【コメント】
さいたま有機都市計画の皆さんや、埼大の有機農業研究会の皆さんのオーガニックビレッジ宣言に対する熱量や思いにこちらがとても刺激を受ける機会となりました。小川町には先人の方々がすでに築いてきた有機農業の歴史と町内の基盤がありますが、一方で宣言などの動きを町全体で盛り上げていこう!という機運は高まっていないというのが正直な印象です。
さいたま市の皆さんが感動されていた、農場内での循環の仕組み、町内企業との第六次産業化の動きの価値に改めて光を当て、町外からの関心をきっかけに町内の機運を高めていければと思いました。

企業研修

チームビルディング1日研修

【行程】
テーマ:紙の木と有機の里・埼玉県小川町の里山体験プログラム
①コワーキングロビーNESTo見学(小川町の歴史に触れる)
②和紙漉き体験(紙漉きで歴史を体感)
 @和紙学習センター
③農業体験(有機農業と里山を体感)
 @上横田地区
 小川堆肥組合の見学
 原木しいたけの収穫体験
 原木へのしいたけ駒打ち体験
④ランチ(有機農家さんの野菜を食べて体感)
 分校カフェMOZARTのお弁当とおやつ
 小川町の様々なドリンク(人参ジュース、甘酒、麦茶など)
⑤木工体験(③で歩き体感した里山の森林を改めて考え木工を体験)
 @センティード ZAIMOKU TERRACE
 プレート、箸作り

【参加者】
企業のチームメンバー15名程度

【背景】
小川好きなNESTo会員さんとのご縁から、今回のチームビルディング研修が開催されました!ものづくりをされる会社さんということで、小川町の豊かな自然とそこから生み出された産業の全体像を体感しながら、実際に手を動かしてみることを核とした体験プログラムが企画されました。

【コメント】
今回私がアレンジを担当したのは、農業体験とランチ。チームビルディングということで皆さんが一緒に体験をできること、社内チーム以外の地域の方々と交流することで、より小川町の非日常に没入して楽しめるように意識してアレンジをしました。上横田地域での農業体験(というより里山体験)にご協力頂いたのは、農家さんを中心に里山整備と堆肥の製造を行う「森の仲間たち」の皆さま。里山の中にある原木しいたけを収穫してみたり、原木にドリルで穴を開けてしいたけの菌(コマ)を打ち込んでみたり、人生で初めて行うという人ばかりの経験をしていただきました!
お世話になった地域のおじちゃん達はとっても世話好きで、コマ打ちを一緒に教えながら協同で行うことで、最後にはすっかり仲良くなってわいわいあたたかい雰囲気で包まれていました。当日天気予報が変わり雨が降ってしまうイレギュラーが起きつつも、屋根ありの場所を確保していただいたり、関係者皆さまの柔軟で温かい対応により無事開催ができました…感謝です🙏

また、当日は武蔵観光さんのバスを貸し切っての移動でした。小川町はコンパクトに各場所がまわれるところが魅力的なポイントでありつつ、それでも交通手段はいつもネックになります…バスによって移動手段が確保されていることの安心感と可能性を改めて感じた機会となりました。

フィールドスタディ

ケース募集中!大学との連携してみたいです!

イベント

関係人口創出事業(2024年 秋~冬)

埼玉県小川町にある、比企地域と外秩父地域の観光まちづくり会社「株式会社おいでなせえ」と、一般社団法人全国農協観光協会が小川町で実施するイベントの企画に関わり、現場の農家さんや関係者とのアレンジを行いました。

継続的な関係人口創出、ストーリー性を生み出すという事業の目的から「落ち葉堆肥を起点とした食体験」を大きなテーマに据えて全5回開催されるイベントの設計が行われました。なぜ落ち葉堆肥を起点するのか?それは、土作りに着目することで、野菜だけでなくその背景にある里山や農家さんの営みにも目が向けられること、そして小川町の農家さんが長年持ち続けている土作りへのこだわりにこの町の農業の特徴が現れている大切な要素であり、知ってほしいと思うからです。
平成29年に策定された、⼩川町元気な農業応援計画(町の農家認証「おがわんプロジェクト」もこの中に含まれる)の中でも、主軸に土作りへのこだわりが言及されています。

【理念及び⽬標の設定についての考え⽅】
小川町農業の特徴は豊かな土壌にあります。山間部に囲まれた盆地の中に、田畑が存在しています。つまり、何千年もかけて山から土壌へと山の恵みが流れ出てきました。言い換えれば、自然環境がつくり上げた循環型の土づくりを実施してきたことになります。この土地に、生産者のたゆまぬ努力も合わさり、現在の農業が出来上がりました。土づくりの努力を続けている農業と言うことができます。
理念:「町の資源を活⽤し 豊かな⼟づくりを⼤切にする」
⽬標:「豊かな⼟づくりによってもたらされる持続可能な農業を推進する」

この理念に基き、様々な活動や事業の応援を実施します。⼩川町の農業が持続し発展できるよう、⽣産者とともに計画を推進します。

⼩川町元気な農業 (おがわ型農業) 応援計画

ざっくりと全5回のイベントの流れは下記のとおりです。

◯落ち葉集め 
里山に入って原料となる落ち葉を集める
◯踏込温床づくり
落ち葉を使って踏込温床を作る
温床の発酵熱によって野菜の苗を育てる
◯農家での農作業、収穫体験
温床作りでお世話になった農家さんの農産物を収穫させてもらう
◯小川町産の野菜を使ったfarm to tableによる食体験
レストランシェフによる料理の提供
農家さんによる野菜の説明を頂く

堆肥作りに必要な落ち葉集めや踏込み温床づくりは、農家さんの大切な仕事でありつつ負担も非常に大きい作業。これらを体験プログラム化する事で関係人口を創出しながら、作業の負担軽減を目指しました。またその作業には、競技性及びスマートフォンアプリを用いたゲーム性を加える事で、農や環境を遊びながら学べるように工夫がされています。

今回の事業で一緒に企画実施をしたBIOMEさん。生き物収集アプリの運営をしています。これにはスタッフ、農家さん、参加者みんなが大人子どもかかわらずハマってしまいました!

それぞれの会の詳細内容です。年度の関係で土作り会から始めることができず、収穫から始まる形になってしまったのは悔やまれるポイントです……

1回目:2023年10月28日(土)@風の丘ファーム
① スマートフォンアプリを使った生き物探し
秋の畑はトンボやバッタなどが多く見られました!
② 風の丘ファームでの季節の野菜収穫体験
③ 季節の野菜を味わう体験(ランチ)
風の丘ファームのお米を羽釜で炊いたもの、野菜たっぷりの豚汁を頂きました。

2回目:2023年11月25日(土)@上中
① 小川町産の木材を使った食器プレートづくり体験
講師はkinomichi工房さん。小川町で地元の間伐材を使った家具づくりやWSを行なっています。小さな丸太を選んで、やすりにかけて、オリジナルの絵やロゴをレーザープリンターで焼き付けました。
② 小川町産野菜の創作料理を味わう体験
シェフはatelicoの新島さん。風の丘ファームをはじめとした地元の野菜や工芸品を用いたフレンチレストランを小川町で営んでいます。
③ 小川町産野菜を学ぶ体験
講師は風の丘ファームの田下さん。頂く野菜がどう育って、どんな特徴を持っているのかお話していただきました。

3、4回目:2024年01月28日(日)(午前、午後の部開催)
① 里山でスマートフォンアプリを使った生き物探し
② 落ち葉集め体験
農家さんを中心に活動している「森の仲間たち」の皆さんが里山整備している山で落ち葉集めを行いました。真面目に集めた後は、落ち葉プールにダイブ!
③ 落ち葉を使った堆肥を使って作られたお野菜
関わる農家さんが作ったお野菜たっぷりの豚汁やお餅、焼き芋を頂きました。

5回目:2024年02月18日(日)
① 風の丘ファームでの季節の野菜収穫体験
② スマートフォンアプリを使った春の七草探し
③ 踏込み温床体験
大量の落ち葉と米ぬかを踏み込み、水をかけて発酵を促します。
④ 収穫した根菜BBQ
自分で収穫したカラフルなカブや大根を炭火で焼いて頂きました。

本イベントは5回実施し、申込者数80名、参加者数は77名でした(リピーターとなった割合が約16%!そこから口コミで参加者が広がるなどしており有り難い限り…)。参加者の方からは、「小川町のファンになった」、「5回に分けることで、少しずつ小川町を知り、また来るきっかけになる」との声を聞くことができました。

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