【視察/企業研修/フィールドスタディ/イベント】行程
地域おこし協力隊をする中で、小川町の里山、農業の取組を見たい!活用したい!という声が集まるようになり、その中で企画に携わったものの事例をまとめました。
視察
飯能市農業委員会さん
【背景】
飯能市の農業委員さんが、小川町にあるコワーキングロビーNESToの会員さんである繋がりから企画が始まったこの視察は、先進地域視察として小川町を視察し、①有機農業に対する知見を高める、②小川町の農家とのつながりを生む取り組みとすることを目的としたものです。
飯能市にも有機農家さんがいるものの、地元の古くから農業を営む方々との関係性やコミュニケーションが上手く行っていない状況があるということから、有機農業の耕地面積が広く歴史のある小川町に行きたいという声が多く上がっていたそう。
地元で長く慣行農業を営み、かつ農業委員の会長を長く務めている山田農園さんと、小川町の有機農業の歴史を深く知り、自ら小川町唯一の農業法人として活躍される風の丘ファームさんと、そのお野菜を使った料理を提供するatelicoさんを視察先としてお願いしました。
【コメント】
有機農業を地域で受け入れ推進していくためには、当事者である有機農家だけでなく、地元で長く農業を営む方がどう捉え、関係性を築いているのか…異なる角度から有機農業について考える機会になればと思ってのアレンジでしたが、この視察で一番盛り上がったポイントは「有機農業」ではなく、飯能市と小川町が「中山間地に位置している」という地理的な共通点!お互い胡麻が良く取れることから「やっぱり石が多いところは胡麻が向いてるね」「こっちは金胡麻、そちらは黒ごまなのね!」など、農法云々ではないところで盛り上がりました。小川町飯能市の両方の農家さんから、似た環境で農業を営む同士今後も連携をしていきたいという声があがったのも嬉しいポイントでした。
さいたま市在住の有志メンバーの皆さん
【背景】
霜里農場の研修を経てさいたま市で新規就農した木曽農園の木曽さんとのご縁から、今回の視察が開催されました。小川町は2023年5月に、県内で初めてオーガニックビレッジ宣言を宣言した市町村ですが、さいたま市も新規就農した有機農家を中心に「さいたま有機都市計画」というグループを結成し、オーガニックフェスの開催や宣言に向けて動いています。
行政同士の繋がりだけでなく、まずは草の根レベルで繋がろう!ということで、様々なステークホルダーが交流する機会となりました。
【コメント】
さいたま有機都市計画の皆さんや、埼大の有機農業研究会の皆さんのオーガニックビレッジ宣言に対する熱量や思いにこちらがとても刺激を受ける機会となりました。小川町には先人の方々がすでに築いてきた有機農業の歴史と町内の基盤がありますが、一方で宣言などの動きを町全体で盛り上げていこう!という機運は高まっていないというのが正直な印象です。
さいたま市の皆さんが感動されていた、農場内での循環の仕組み、町内企業との第六次産業化の動きの価値に改めて光を当て、町外からの関心をきっかけに町内の機運を高めていければと思いました。
企業研修
チームビルディング1日研修
【背景】
小川好きなNESTo会員さんとのご縁から、今回のチームビルディング研修が開催されました!ものづくりをされる会社さんということで、小川町の豊かな自然とそこから生み出された産業の全体像を体感しながら、実際に手を動かしてみることを核とした体験プログラムが企画されました。
【コメント】
今回私がアレンジを担当したのは、農業体験とランチ。チームビルディングということで皆さんが一緒に体験をできること、社内チーム以外の地域の方々と交流することで、より小川町の非日常に没入して楽しめるように意識してアレンジをしました。上横田地域での農業体験(というより里山体験)にご協力頂いたのは、農家さんを中心に里山整備と堆肥の製造を行う「森の仲間たち」の皆さま。里山の中にある原木しいたけを収穫してみたり、原木にドリルで穴を開けてしいたけの菌(コマ)を打ち込んでみたり、人生で初めて行うという人ばかりの経験をしていただきました!
お世話になった地域のおじちゃん達はとっても世話好きで、コマ打ちを一緒に教えながら協同で行うことで、最後にはすっかり仲良くなってわいわいあたたかい雰囲気で包まれていました。当日天気予報が変わり雨が降ってしまうイレギュラーが起きつつも、屋根ありの場所を確保していただいたり、関係者皆さまの柔軟で温かい対応により無事開催ができました…感謝です🙏
また、当日は武蔵観光さんのバスを貸し切っての移動でした。小川町はコンパクトに各場所がまわれるところが魅力的なポイントでありつつ、それでも交通手段はいつもネックになります…バスによって移動手段が確保されていることの安心感と可能性を改めて感じた機会となりました。
フィールドスタディ
ケース募集中!大学との連携してみたいです!
イベント
関係人口創出事業(2024年 秋~冬)
埼玉県小川町にある、比企地域と外秩父地域の観光まちづくり会社「株式会社おいでなせえ」と、一般社団法人全国農協観光協会が小川町で実施するイベントの企画に関わり、現場の農家さんや関係者とのアレンジを行いました。
継続的な関係人口創出、ストーリー性を生み出すという事業の目的から「落ち葉堆肥を起点とした食体験」を大きなテーマに据えて全5回開催されるイベントの設計が行われました。なぜ落ち葉堆肥を起点するのか?それは、土作りに着目することで、野菜だけでなくその背景にある里山や農家さんの営みにも目が向けられること、そして小川町の農家さんが長年持ち続けている土作りへのこだわりにこの町の農業の特徴が現れている大切な要素であり、知ってほしいと思うからです。
平成29年に策定された、⼩川町元気な農業応援計画(町の農家認証「おがわんプロジェクト」もこの中に含まれる)の中でも、主軸に土作りへのこだわりが言及されています。
ざっくりと全5回のイベントの流れは下記のとおりです。
堆肥作りに必要な落ち葉集めや踏込み温床づくりは、農家さんの大切な仕事でありつつ負担も非常に大きい作業。これらを体験プログラム化する事で関係人口を創出しながら、作業の負担軽減を目指しました。またその作業には、競技性及びスマートフォンアプリを用いたゲーム性を加える事で、農や環境を遊びながら学べるように工夫がされています。
今回の事業で一緒に企画実施をしたBIOMEさん。生き物収集アプリの運営をしています。これにはスタッフ、農家さん、参加者みんなが大人子どもかかわらずハマってしまいました!
それぞれの会の詳細内容です。年度の関係で土作り会から始めることができず、収穫から始まる形になってしまったのは悔やまれるポイントです……
本イベントは5回実施し、申込者数80名、参加者数は77名でした(リピーターとなった割合が約16%!そこから口コミで参加者が広がるなどしており有り難い限り…)。参加者の方からは、「小川町のファンになった」、「5回に分けることで、少しずつ小川町を知り、また来るきっかけになる」との声を聞くことができました。
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