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【連載第12回 みんなの公園】水害に備えるハイブリッド

 6月中旬から7月中旬にかけて、約1ヶ月にわたって日本列島はすっきりしない天気が続いた。

 特に、九州は線状降水帯が引き起こした豪雨と長雨によって、あちこちで水害が発生。昨年の台風19号と同等の被害を出した。水害は、台風だけではないと再認識させられている。

 今般、ゲリラ豪雨をはじめとした水害が頻繁に起こっている。これらは気候変動によるものが大きいと予測されているが、これまで人類は気候変動を経験してこなかった。厳密に言えば気候変動における知見を重ねてこなかった。

 そのため、ここ数年間で起きている異常気象における災害が気候変動と因果関係があるのかはっきりとした結論は出ていない。そうした異常気象との因果関係をはっきりとさせることは学問上で重要な話だが、はっきりとさせる・させない以前に災害として行政は対策を怠るわけにはいかない。

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2019年の台風19号で氾濫した多摩川。1週間後も水は引かなかった

 政府・地方自治体など、水害に対する備えは各部署で講じている。そうした水害対策への取り組みは、これまでにも何回も取材し、繰り返し記事にしてきた。すべてを紹介できないが、例えば以下のような媒体で、水害対策を取り上げてきた。

THE PAGE

2015年10月10日配信

“関東・東北豪雨1か月 「1000万人都市」東京都の水害対策は?”

2015年10月11日配信

“他人事じゃない鬼怒川決壊「海抜ゼロメートル」東京・江戸川区の水害対策都市化がもたらした水害都市・東京”

2016年9月9日配信

“《都市を支える下水道》急増ゲリラ豪雨からまちを守る 都の“浸水対策”八ッ場の教訓”

アーバンライフメトロ 

2019年9月9日配信

“台風15号首都圏直撃から考える 海抜ゼロメートル地帯・江戸川区の水害対策への「本気度」”

2019年10月12日配信

“大規模停電の恐怖再び――台風19号到来で注目集まる「水素利用」という災害対策”

2019年10月16日配信

“台風19号到来から考える――災害時における「首都バックアップ機能」の重要性とは?”

2020年7月10日配信

“頻発する水害で大注目 大雨から大都市を守る「調節池」を知っていますか”

水害に弱い都市へとひたすら歩んできた東京

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