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はじめての開墾。淀んだ空気を入れ替える

エディブルガーデンをつくるのは、小川町にある玉成舎の庭。
元々、養蚕伝習所だった建物が、その後染工場、民家となり、2019年から今のような複合施設になった。
僕が営んでいるPEOPLEも、その大きな母屋の横についている石蔵にある。

リノベーションがはじまったのは2016年。
2019年にオープンしたが、今もまだ片付いていない箇所はある。
それくらい、とにかく物が多いお屋敷であった。
庭も木々が鬱蒼と茂り、足を踏み入れることなど最初はできなかったが、それでも片付けて、木を丁寧に剪伐していけば、それなりに広く、いい空間になるのではないかという予感はあった。

今もまだ屋根に乗っていた瓦や、土砂の袋が残っているが、これでも約3年かけて、まちの人びとが力を合わせてやっとのことで拓けた庭である。
ここに人が集っているだけでも感慨深いものがある。
プロセスを体験したからこそ、感じられる風景がある。

ここが農地だったことはないだろうし、野菜などを育てるのに適しているとはあまり思えないが、土の質を見極めるリテラシーはない。
ミミズがいるっていうことはいい土なのでは?と思っていたが、農家の友人に聞くと別にそういうことではないらしい。

物が片付いたところから、鍬で耕していく。土の表面20〜30cmを掘り返して空気を入れていく。
リノベーションも開墾も、空気を入れ替える行為だなあ。
いつぶりかの体を動かす作業が何より気持ちがよかったし、硬い地面がふかふかになっていく目に見える変化が僕らを励ましてくれた。

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