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タイ飲食紀・二日目 出汁との遭遇/ナマコメコメンの襲来

タイで飲み食べしたものをひたすら綴る記録。初日はこちらから。


本日のお品書き
◯ジョーク(おかゆ)
◯パッタイ&ガパオライス
◯ドリアン
◯イカのにんにく炒め
◯ソムタム(青パパイヤのサラダ)
◯プーパッポンカリー
◯OREOアイスバー&MILOアイスバー

バンコクのゲストハウスの窓から


滞在二日目、よく晴れた朝。
とりあえず、「ジョーク」というタイおかゆを食べてみたい! ということで、GoogleMapで検索してヒットした店へ歩いて行ってみることに。ちょっと迷いながらもたどり着いたのが、いかにも地元民向けの店構えの「ジョークムージェイメム」。

親切で働き者の女性たち

どう注文したらいいかも分からず立っていると、お店のお姉さんが希望のトッピングを色々聞いてくれた。牛、豚、云々と簡単な英単語で説明をしてくれたが、細かな意思疎通はできず、「じゃあ全部入れるわ!」という結論に。歩道のふちに設けられた席で5分くらい待っていると、お姉さんがプラのお椀にたっぷり注がれたおかゆを持ってきてくれた。

モツと肉の宝探し

金属のレンゲで、とりあえずおかゆ部分を口に運んでみる。これがタイの、「すごい旨い出汁」との出会いだった! 鶏ベースだと思うけど、その一言では済まない、とにかく動物性の、しっかりした旨味。米は完全に形をなくしているが、粘度が低くてぱくぱく食べて飲み込めてしまう。
中を探っていくと、トッピングが色々出てきた。鶏か豚の淡白な肉団子、モツ(部位がわからないが、管の形をしていた。脂はついてない)、薄切りの牛?、そして、おかゆの熱でうっすら火が通った生卵。胃腸の今後が若干不安になるが、ここで容易に引くような私たちではない(お腹壊さなかったよ!)。まず、肉もモツも、ほとんど臭みがなくてびっくりする。さすがに無臭ではないが、日本でもこのくらいのあるよね、というような風味。そこに生姜とネギが素晴らしい薬味だ。卵を潰せば、おかゆが一層まろやかになる。
決して重たくないのに、満腹に、元気いっぱいになれる朝ごはんだった。これで80バーツとかだったはず。

今回の旅のメイン滞在地であるサメット島へ行くためにはまず、バンコク・エカマイバスターミナルから、隣県ラヨーンのバンペー港というところまで4時間もバスに揺られなければならない。バンコクの新宿(?)、サイアム駅から、BTS(バンコク・スカイトレインという公共交通機関。Bang Tan Sonyeondanではない)に乗って、エカマイ駅へ。

北陸名物8番ラーメンがこんな大きく! エカマイは日本人が多いらしいが、8番は普通にタイで愛されているらしい。やっぱり味覚近いよ。
 

次のバスまで2時間ほどあることがわかったので、近くのフードコートでお昼ごはんを食べることに。
友人がガパオ(じゃないかもしれないが、肉炒め乗せご飯)を、私はパッタイを選択! どちらも70バーツくらい。思えばこれもまた、タイでしか食べられない(私達が帰国後渇望することとなる)もちもちの生米粉麺(私と友人による通称:ナマコメコメン)との出会いだったのだ!! ナマコメコメンについては、このあとしつこいほど書くことになるので一旦飛ばします。

友人本人の意思かどうだったか、容赦のない青唐辛子がさすがに辛かった。
生野菜は危険と教わっていたけど、付け合せのライムを絞らずにいられない。モヤシのシャキシャキと麺のモチモチ、甘辛い味付けがたまらない。

まだ時間があるので、横のマックスバリュに入って果物を物色。果物の王様・ドリアンと、女王様・マンゴスチンをゲット。バスを待つ間、ドリアンをおそるおそる食べてみる。雑に言うと、シュウマイの臭いがする繊維っぽいカスタードムースでした(素直な感想です)。ほんとにシュウマイの風味がするんです。嘘だと思う人は食べてみてください……。

一定ランク以上のホテルでは、臭い防止のため、持ち込みが禁止されていたりもするらしい。

後で聞いた話によると、ドリアンはもうすでに旬を過ぎてしまっていたとのこと。旬の時期に、果物屋で割ってもらったばかりのものを食べるのが一番良さそうだ。リベンジしたいかと言われると悩むけれど……。

そんなこんなでようやくバスに乗り込み、4時間もの移動。バスと言っても、揺れるぼろぼろの小さいミニバス、こちらでは「van(ヴァンではなく、ヴィアンと発音しなければ伝わらない)」といって、バスとは完全に区別されるようである。
港に到着し、あれよあれよと受付へ回され、訳も分からぬうちに島へのボートのチケットを購入。サメットへの行き方についてはこちらのブログに詳しいですが、補足情報としては、
◯バンペー港→サメットのフェリーの最終便は17:00だが、それ以降もスピードボートは出るようなので、港への到着が多少遅れても、大焦りしなくて大丈夫。
◯ただし、スピードボートは片道だと値段が上がるっぽいので、行きがスピードボートなら帰りもスピードボートに乗るつもりで。
◯スピードボートは、船酔いだけでなく、死をも覚悟して乗りましょう。絶叫系アトラクションが無理な人にはおすすめしません。

海の状況と船頭によるにしろ、「結構揺れます」というレベルは超えています。往路はライフジャケットも着させてもらえなかった。同乗したフランス人カップルと言葉の壁を超えて恐怖を分かち合う。潮をざぶざぶ浴びながら、必死で船にしがみつき、バックパックが海へ落ちないように押さえつけながら、声を上げて笑うことで、こみあげる吐き気をしのいだ。私は船尾の席から動けなかったけれど、友人は何故かわざわざ船首の席に移動してさらに潮を浴び、「So salty!」と言いながら船を降りて、フランス人彼女に爆笑されていた。

吐く!落ちる!夕日だ!吐く!落ちる!夕日だ!

15分ほどで島に上陸し、入島手続きへ進む。
サメット島は、バンコクからわりあい近く、飛行機なしで行けるリゾートのひとつとして知られている。タイの島でのんびりしたい、という気持ちで選んでみたのだけど、高級リゾートに振り切っているわけでもなく、かと言って閑散としすぎているのでもなく、自分たちにとっては過ごしやすい場所だった。
ただし、行く前には気づかなかったこととして、「サメットでは基本的に観光客向けの食事しか食べられない」という問題がある。この日バンコクで食べたジョークもパッタイもガパオも、70-100バーツ(300-400円くらい)だったのに、島のレストランではひと皿の最低価格が100バーツだ。二人で飲み食いすると、サービス料も入ったりして4000円を切るくらいの値段になったりする。それでもリゾート価格としては安いけれど、やっぱり屋台やフードコートとは差がある。
サメット島では屋台をほとんど見つけられなかった。レストランの食事は値段なりのボリュームもあって、決して高すぎるとは思わないけれど、屋台のグルメを楽しみたい!という人には、まずはポピュラーな都市部に行くのをおすすめする。

ビーチ沿いにホテル兼レストランが並びたち、砂浜がホールになっている。

そんな観光客向けレストランでの一食目は、イカのニンニク炒め。プリップリのイカを、大量の刻みニンニクで炒め、シンプルな味付けで仕上げている。干しエビかフライドオニオンか、クリスピーな旨み食材も足されていたような気がする。素朴ながら、そのあとどこの店でも同じものを見つけられなかったし、再現出来る気もしない。
そして、「甘酸っぱ辛いタイ料理」の代名詞でもあるソムタム=青パパイヤのサラダ。千切りにした青パパイヤに、酸っぱ辛い液がじゅんじゅん染みている。見た目が赤いわけではないが、大胆に唐辛子が入っていて、あとからあとからヒーヒー辛くなる。口に入れた瞬間だけは甘酸っぱいので、こびりつく辛さから逃れようと新たに口に運び続け、もっと痛い目に遭う、という循環。その合間に、ぬるいビールで舌の痛みを誤魔化すころまでを含めて至福だ。

きゅうりをこのようにカットする機械があるんだろう。

それから、蟹と卵のカレー=プーパッポンカレー。グリーンカレーに次いで有名なタイカレーではないだろうか。日本で食べたことのなかった私は、ここで初めて食べながら、「蟹と卵をS&Bのカレー粉で炒めただけやんけ」と思ったのだけど、今はその味が恋しい。ほとんど辛くなく、ただ「カレー味」のクリーミーな炒め物。けれども、蟹の出汁と卵のコクの組み合わせは、案外侮れなかった。

集合体恐怖症の人ごめんなさい。白いワンピースを真っ黄色に汚しながら食べました!

ホステルへの帰り道にセブンに寄って、アイスとビールを調達。タイではクッキーアンドクリームやチョコチップが人気なのか、そういう系統のアイスが多い。ラクトアイスっぽい、うす甘加減。それが生ぬるくしめった夜の空気に、ちょうど良い感じもした。

おれをみろ

(三日目へ続く)

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